ジュニアファイブ「ねじ廻る」観劇

ジュニアファイブ第14回公演「ねじ廻る」 作・演出:小野健太郎演出助手:渋谷盛太演出補佐:大嶽典子舞台監督:倉本徹大道具:倉本工房舞台美術:寺田万里奈照明プラン:横原由祐照明オペレーター:遠藤宏美音響プラン・オペレーター:島猛衣裳プラン:奥田努ヘアメイク:大嶽典子殺陣・振付:奥田努宣伝撮影:大参久人宣伝美術:大嶽典子広告宣伝:宇佐見輝監修:奥田努制作:山崎智恵 文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業企画・製作:演劇企画集団Jr.5、ヤマガヲク まずは、しずちゃん(南海キャンディーズ)、結婚おめでとうございます。しずちゃんと佐藤さんは、このジュニアファイブの第11回公演「徒然アルツハイマー」(再演)で知り合い、交際が進んでこのたびの朗報となったわけだが、その間、しずちゃんと友達になったつもりの、小野&奥田は、深夜3時にしずちゃん宅を訪れたり、二連泊したりしていたらしい。お二人の交際のお邪魔にならなかったか、非常に不安を感じている。そんな中、それでも「白が染まる」へ出演してくれたしずちゃんは、本当にやさしいなーと思います。幸せになってね さて、今回の公演は、ジュニアファイブ史上最大のワークショップを開催して出演者を決定したため、新しい才能にたくさん出会うことができ、楽しい年末となった。(ちなみにJr.5のワークショップは無料とのこと。) ちなみに、私は、ダブルキャストのうち、Kキャストの日を観劇したため、感想は、Kキャストのものになることをお断りしておきます。とある…

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「はじまりのカーテンコール」観劇

「はじまりのカーテンコール~your Note~」 原案・演出:植田圭輔脚本:伊勢直弘音楽:稲垣大助美術:古謝里沙照明:仲光和樹(E-FLAT)音響:天野高志(RESON)衣裳:小林洋治郎(Yolken)ヘアメイク:小林純子、星野智子演出助手:河原田巧也舞台監督:石井研一郎 「植田圭輔初演出作品」という宣伝文句に誘われ、観に行きました。てか、それが宣伝文句になるっていう、植田圭輔がすごいというか。 ゆうき(高崎翔太)、つとむ(田村心)、りょう(安西慎太郎)は、高校の仲良しトリオ。そろそろ将来について考える時期、ゆうきは生家の酒屋を継ぐことが決まっていて、つとむは進学予定。できれば、県立大学を狙っている。そんな二人に、りょうは、俳優になりたいという夢を話す。驚く二人だったが、すぐにりょうの夢を応援するようになる。そして、東京でオーディションを受けたりょうは、その帰り、雨の中、スリップした車にはねられ、18歳で他界する。りょうの兄、るい(古谷大和)が、りょうの遺品の中から見つけた「演技ノート」を、ゆうきに渡したことで、ゆうきの人生が変わる。ゆうきは、りょうの夢を自分が叶えようと思うようになる。だが、東京で俳優になりたいというゆうきに対して、父親(和泉宗兵)は猛反対する。実は、父親は、俳優を目指していた過去があった。挫折したゆえに、息子に同じ思いをさせたくなかったのだ。父に逆らったまま、東京に出たゆうきは、居酒屋でバイトしながら俳優の道を目指していた。バイト先の先輩(河原田巧也)も俳優志望で、ゆう…

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エン*ゲキ#06「砂の城」観劇

エン*ゲキ#06即興音楽舞踏劇「砂の城」 作・演出:池田純矢 音楽:和田俊輔、ハラヨシヒロ音響:井上直裕照明:大波多秀起美術:根来美咲歌唱指導:新良エツ子振付:吉野菜々子演出助手:高橋将貴、櫻井裕代舞台監督:下柳田龍太郎メイク:古橋香奈子、成谷充未衣裳:村瀬夏夜衣裳進行:伊藤優理宣伝写真:京介宣伝美術:田中ユウコ、渡部亜利沙Web:蘭わかばライター:横川良明PRディレクター:森欣治キャスティング:梓菜穂子制作協力:設樂敬子共同プロデュース:山田泰彦、北村友香理プロデュース:森脇直人宣伝:ディップス・プラネット票券:サンライズプロモーション大阪主催:関西テレビ放送、サンライズプロモーション大阪、バール製作:バール 国土を砂地に覆われた大海の孤島、アミリア。王位継承者ゲルギオス(池田純矢)は、ひどい暴君。いずれ国王になるのだから…と怖いものなし状態。しかし、国王が崩御してみると、実は、王位継承権を持つ庶子がいることが明らかになる。ゲルギオスは、庶子抹殺の指令を下す。主人公テオ(中山優馬)は、領主アッタロス(野島健児)の娘、エウリデュケ(夏川アサ)と結婚、幸せの絶頂にいた。親友、アデル(鈴木勝吾)も二人の結婚を祝福していた。ある日、エウリデュケの奴隷のレオニダス(岐洲匠)が、王位継承権を持つことが判明、城に連れていかれる。奴隷だったレオニダスは、貴族のような暮らしを始める中、自らの命の危険を感じ始め、脱走する。そして、故郷に戻って逃げ込んだ家畜小屋で、テオに匿われる。元の主人であるエウリデュケに迷…

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「クランク・イン」観劇

M&Oplaysプロデュース「クランク・イン!」 作・演出:岩松了 照明:沢田祐二 美術:愛甲悦子 音響:高塩 顕 衣裳:伊賀大介 ヘアメイク:大和田一美(APREA) 演出助手:村田千尋 舞台監督:清水浩志 制作:近藤南美 制作助手:寺地友子 制作デスク:大島さつき 宣伝:ディップス・プラネット 宣伝美術:坂本志保 宣伝写真:渡部孝弘 宣伝衣裳:チヨ(コラソン) 宣伝ヘアメイク:APREA、RYO〔吉高由里子〕 宣伝動画:原口貴光 HPデザイン:斎藤 拓 プロデューサー:大矢亜由美主催・製作:(株)M&Oplays 吉高由里子の久々舞台作品であり、共演に眞島秀和、そして岩松了作品ということで、これは観なければ…と思った作品。一人の女優が撮影のためのロケ現場で溺死、一時撮影中止になった現場に再び撮影クルーが集結する。女優の死は、本当に事故死だったのか…みんなの心に疑念があった。そんな現場に、新たにキャスティングされた女優(吉高由里子)が現れ、人々の心の不安を煽っていく。海外の映画関係者だったらとっくに市民権を失っていそうなクソ監督役に眞島秀和。こんなゴミみたいな男をリアルに演じるとは映画でヒロインを演じることになっている大女優に、秋山菜津子。不安でイラチになっている女優のイタさがじんじん伝わってくる。ほかにも、長年、クソ監督の作品に出演している女優(伊勢志摩)だったり、監督の新たな愛人として映画に出演する新人(石橋穂乃香)だったり、大女優の付き人(富山えり子)だったりが、同じ…

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「アルキメデスの大戦」観劇

「アルキメデスの大戦」 原作:三田紀房『アルキメデスの大戦』(講談社「ヤングマガジン」連載)舞台原案:映画「アルキメデスの大戦」(監督・脚本:山崎貴) 脚本:古川健演出:日澤雄介美術:土岐研一照明:松本大介音楽・音響:佐藤こうじ映像:浦島啓衣裳:藤田友ヘアメイク:宮内宏明軍事監修:後藤一信数学監修:根上生也 方言指導:岐部公好軍事所作指導:越康広、長谷部浩幸 演出助手:平戸麻衣舞台監督:荒智司 「アルキメデスの大戦」は、「ヤングマガジン」に連載中の漫画作品で、まだ完結していない。そこで、本作では、既に2019年に公開されている映画「アルキメデスの大戦」を原作とし、その範囲(海軍における巨大戦艦推進派<旧勢力と空母推しの山本五十六との攻防)を中心に舞台化する、という面白い二重構造の作品となっている。ちなみに原作映画は見ていて、その時のミニ感想はこちら。映画版にはすごく感動して、続編をいまだに待ち望んでいる。そのうえ、夏にハマりまくった劇団チョコレートケーキの脚本家と演出家が、2.5次元の帝王である鈴木拡樹を主演に据えてどう料理するのか、上演するはずだった2020年の数倍、期待値は上がった。 海軍少将山本五十六(神保悟志)は、「これからの戦争は航空機が主体になる」と確信しており、つまり、海軍的には、今後建造すべきなのは空母(航空母艦)だと提唱し続けていた。が、海軍の主力戦艦「金剛」の老朽化に伴う後継艦の建造にあたり、巨大戦艦を建造しようとする嶋田少将(小須田康人の一派と完全に対立していた。…

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「住所まちがい」観劇

「住所まちがい」 原作:ルイージ・ルナーリ  上演台本・演出:白井晃 翻訳:穂坂知恵子、溝口迪夫美術:松井るみ照明:齋藤茂男音響:井上正弘衣装:安野ともこヘアメイク:国府田圭演出助手:豊田めぐみ舞台監督:小笠原幹夫宣伝美術:近藤一弥宣伝写真:二石友希 作者はルイージ・ルナーリだが、上演時の自由度の高い作品になっていて、基本的な部分を押さえていれば、いろいろ変えることができるらしい。台本の10分の9以上は作りこもうとしてはいけないという但し書きまであるそうで、演出家や俳優に10%程度の裁量権がある…つまり、上演の数だけ、違う「住所まちがい」が存在する、ということになる。ちなみに、タイトルの「住所まちがい」からして、原題とは似ても似つかない。(原題は、「シーソーの上の三人」みたいな意味)作品的には、イタリアの「コメディア・デラルテ」の手法が使われていて、その定番キャラクターを代表するような人物が、ひとつところに集まり、やがて彼らが、自分たちは死を迎えようとしているのでは?という疑問にかられ、右往左往する物語となっている。 上演台本・演出を担当した白井晃は、まず、場所と登場人物に手を入れ、そこが日本で、登場人物の名前が、俳優と同じ「渡辺」「田中」「仲村」だということにしている。しかも、俳優の本当の名前とずらした形で。(さらに終盤どんでん返しで、本当の名前を全員が隠していたことが判明、最終的には俳優本人と同じ姓をあらためて名乗る設定。)まあ、最終的に全員が本名を名乗っていないことが発覚するせいか、彼…

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朗読舞踊劇「阿国」観劇

朗読舞踊劇 Tales of Love「阿国ーかぶく恋、夢の果てー」 上演台本:与田想演出:中屋敷法仁 音楽監督:KOHKI演奏:KOHKI、大河内淳矢、飯野和英振付:花柳幸舞音舞台監督:筒井昭善照明:鈴木雅貴フォロースポット操作:山田奈央子、中村佐紀音響:高橋ミノル衣裳:摩耶衣裳進行:つちや紗更舞踊衣裳:市川政栄ヘアメイク:前川泰之ヘアメイク進行:山本みずき宣伝美術:阿部太一演出助手:中島千尋方言指導:野田るり(京都弁)稽古場代役:田中廉、永田紗茅、原田理央映像撮影:神之門隆広、荒木美結票券:藤野沙耶制作:傳川光留、和田小太郎、白井美優制作助手:荒木美結、石井咲良制作協力:ゴーチ・ブラザーズ プロデューサー:新井勝久、堀尾美幸 劇中曲:大河内淳矢「八∞縁」より『朝露のワルツ』『狐ーYou know my name?』 主催:トリックスター・エンターテインメント/ぴあ企画・制作:トリックスター・エンターテインメント 昨年9月、大空ゆうひ主演で行われた朗読舞踊劇「Tales of Love」のシリーズ第二弾になるらしい。今回は、昨年退団した、元花組の瀬戸かずや、そして、つい先日退団した、元雪組の綾凰華がW主演かつ、役替わりで出雲阿国(女性)と三十郎(男性)を演じる趣向になっている。そして、阿国の恋人である名古屋山三役を、竹内栄治・土屋神葉・石谷春貴・高木渉の4人の声優陣が役替わりで上演する。三人の人物に扮して日本舞踊を踊るのは、花柳幸舞音と藤間涼太朗。ゆうひさんが出演した「お七ー最初で最…

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「裸足で散歩」観劇

「裸足で散歩」 作:ニール・サイモン翻訳:福田響志演出:元吉庸泰 音楽監督:栗山梢美術:乘峯雅寛照明:奥野友康音響:長野朋美衣裳:関けいこヘアメイク:武井優子演出助手:坂本聖子舞台監督:村田明 制作:竹葉有紀制作デスク:今井実春プロデューサー:江口剛史企画・製作:シーエイティプロデュース ニール・サイモンの1960年代の戯曲。そんな大昔の作品なのに、全然古さを感じない。人間の普遍的な部分を描いている脚本だから、なのだろう。2月のニューヨーク。極寒の地の転居してきたのは、新婚のポール・ブラッター(加藤和樹)と妻のコリー(高田夏帆)。新婚旅行を終えたばかりのカップルだ。この家を決めたのは、妻のコリーで、夫のポールは、初めて新居に足を踏み入れる日。まだ、家財道具も揃っていないし、電話も通っていない。壁のペンキはDIYしようとしているようだが、まだまだ手もついていない。(脚立は立っている。)コメディ作品として第一のネタは、このアパートの長い長い階段。若者でもポールの部屋に着く頃には、相当に息が上がってしまう。やってきた電話会社の男(本間ひとし)が音を上げるようなアパートだ。さらにこのアパートには、お風呂がなく、寝室のベッドはサイズがギリギリなので、移動の際はベッドを踏み越えないといけない。部屋は、弁護士としての仕事が忙しいポールに代わって、コリーが一人で決めたらしいが、「初めてのおつかい」は、明らかに失敗している感じ。(欠陥住宅のわりに、部屋代も高い。)それまで、母の庇護のもと、何かを決定した経験…

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「最後の医者は桜を見上げて君を想う」観劇

舞台「最後の医者は桜を見上げて君を想う」 原作:二宮敦人『最後の医者は桜を見上げて君を想う』(TO文庫刊)演出:岡村俊一脚本:久保田創 美術:OSK 音響:山本能久 照明:熊岡右恭 衣裳:佐藤憲也(東宝舞台) 映像:ムーチョ村松 舞台監督:中島武 宣伝美術:二宮大、高橋みづほ 宣伝写真:天野莉絵 音響協力:SEシステム 映像協力:トーキョースタイル 運営協力:K&N 協力:アール・ユー・ピー 主催:TOブックス  武蔵野七十字病院を舞台にした、生と死をめぐる医者と患者の物語。「人間はいつか死ぬ。しかし、それはずっと先のこと」と問題を棚上げにして生きている、まだ若い人々に突然襲いかかる死に至る病。その時、人は何を選択し、医者は何と戦うのか。この病院に、一風変わった医者がいる。名は、桐子修司(山本涼介)。皮膚科の医師ということになっているが、とても診察室とはいえないような場所に、看護師一人だけを付けられて、勤務している。その看護師、神宮寺千佳(本西彩希帆)も、実は、桐子の監視役らしい。そんな桐子の裏の顔は、患者に本当の病状と今後の可能性を余さず伝え、「最後まで戦わない選択肢を提示する」、別名“死神”。院長の息子で、現在副院長の外科、福原雅和(細貝圭)は、生存の可能性が1%でもあるなら、それに賭けるべきだという信念を持っているし、病院の名誉のためにも、勝手に退院して死んでしまう患者を増やすわけにもいかない。桐子の行動を監視し、副院長として指導を続けている。正反対の考えを持つ二人だが、実は、同じ医大…

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「桜文」観劇

パルコ・プロデュース2022「桜文」作:秋之桜子 演出:寺十吾 久々のPARCO劇場公演観劇。 まずは、公演ドリンクをいただいて、作品世界にGO! 明治末期の吉原(新吉原)を舞台にした、一人の遊女(花魁)をめぐる物語。桜雅(おうが)という名の花魁(久保史緒里)は、かつて、雅沙子(まさこ)という名で、一時的に遊郭に預けられていたお嬢様だった。しかし、彼女を迎えに来るはずの父親は破産、雅沙子は、花魁として客の前に出る身となる。雅沙子が、まだ、身を売る前、桜の季節に木を植えに来る職人がいた。大門から連なるメインストリートに、期間限定で植えられる桜の木々。その植木職人の中に、仙太(ゆうたろう)という少年がいた。彼は、ひとりぼっちの雅沙子に桜の綺麗な場所を教え、雅沙子と心を通わせていた。しかし、雅沙子が突然、客を取ることになり、驚いて、彼女に一目会おうとしたところを、殺気立った店の男衆に殺されてしまう。その日から、桜雅となった雅沙子は、二度と笑うことはなかった。桜雅に入れあげている紙問屋の西条(榎木孝明)は、桜雅のために花魁道中を企画するが、そこへ走り出てきた、東新聞の臨時雇い記者(実は小説家)、霧野一郎(ゆうたろう)を見て、桜雅は気を失う。仙太に瓜二つの霧野は、桜雅に気に入られ、霧野もまた、花魁なのに、明治の世ではまだあまり知られていない海外の文学にも造詣の深い桜雅にぞっこんになっていた。ある日、桜雅は、誰にも話していなかった仙太との淡い恋の物語を巻紙にしたため、霧野に贈る。その悲しい物語を読ん…

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