「鴨川ホルモー、ワンスモア」観劇

「鴨川ホルモー、ワンスモア」 原作:万城目学(『鴨川ホルモー』『ホルモー六景』/角川文庫刊)脚本・演出:上田誠(ヨーロッパ企画) 美術:長田佳代子音楽:伊藤忠之照明:倉本泰史音響:加藤温映像:大見康裕振付:EBATO歌唱指導:福井小百合衣裳:高木阿友子ヘアメイク:大宝みゆき演出助手:山田翠、千代麻央舞台監督:川除学 <CAST>安倍…中川大輔早良京子…八木莉可子高村…鳥越裕貴楠木ふみ…清宮レイ(乃木坂46)芦屋満…佐藤寛太清原…石田剛太(ヨーロッパ企画)本赤人…酒井善史(ヨーロッパ企画)三好兄…角田貴志(ヨーロッパ企画)清森平…土佐和成(ヨーロッパ企画)べろべろばあ店長…中川晴樹(ヨーロッパ企画)紀野…藤松祥子大江…片桐美穂山吹巴…日下七海坂上…ヒロシエリ三好弟…浦井のりひろ(男性ブランコ)松永…平井まさあき(男性ブランコ)立花美伽…槙尾ユウスケ(かもめんたる)菅原真…岩崎う大(かもめんたる) 実に楽しい舞台だった。映画にもなった「鴨川ホルモー」と、そのエピソード集「ホルモー六景」を原作に、ヨーロッパ企画の上田誠が脚本、演出を担当した。ヨーロッパ企画は、舞台がベースで映画製作もやっている集団だが、京都を地盤に活動しているので、私は映画しか観たことがなかった。昨年、ヒットした「リバー、流れないでよ」は鳥ちゃん(鳥越裕貴)が出演していたから見たのだけど、もうすっかりハマってしまって何度も観た。そして、今回、やっぱり、「鴨川ホルモー」にもハマってしまった。万城目学さんの原作本も購入し、めちゃくち…

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「デカローグ」1~4観劇

新国立劇場小劇場で上演されている「デカローグ」(「十戒」をテーマにした10の小作品)、コンプリート目指してまず「1~4」を観劇した。 「デカローグ 1~4」 原作:クシシュトフ・キェシロフスキ、クシシュトフ・ピェシェヴィチ翻訳:久山宏一上演台本:須貝英 美術:針生康映像:栗山聡之照明:松本大介音楽:阿部海太郎音響:加藤温衣裳:前田文子ヘアメイク:鎌田直樹舞台監督:濵野貴彦、清水浩志総合舞台監督:齋藤英明 「デカローグ1・ある運命に関する物語」「デカローグ3・あるクリスマス・イヴに関する物語」 演出:小川絵梨子演出助手:長町多寿子 「1」<キャスト>クシシュトフ…ノゾエ征爾パヴェウ…石井舜イレナ…高橋惠子オラ…木下希羽、宮下楽七(交互出演)エヴァ・イェジェルスカ…浅野令子隣人の夫婦…鈴木勝大、森川由樹近所の住人…チョウヨンホヤツェク…関大輝、片岡蒼哉(交互出演)男…亀田佳明 原作となる短編連作映画は1988年製作。第1話には、パーソナルコンピュータが登場する。私の弟が当時珍しかったパソコンを買ってもらったのが、1980年前後だったと思うので、ブラウン管のテレビモニターや、そこに映し出される意味不明の英字と数字の羅列…はリアルタイムで見ていたそれと同じで懐かしかった。当時のパソコンは、プログラミングができないと使えないが、プログラミングは数式と簡単な英単語から成り立っているので、勉強すれば子供でも操ることができる。主人公、クシシュトフ(ノゾエ)の息子、パヴェウ(石井)は、父の理論通り…

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「GOOD 善き人」観劇

「GOOD 善き人」 作:C.P.テイラー翻訳:浦辺千鶴演出:長塚圭史 音楽進行:荻野清子、秦コータロー、片岡正二郎編曲:秦コータロー美術:石原敬照明:横原由祐音響:佐藤日出夫衣裳:前田文子ヘアメイク:河村陽子振付:広崎うらん歌唱指導:河合篤子演出助手:神野真理亜、溝端理恵子舞台監督:福澤論志 <キャスト>ハルダー…佐藤隆太モーリス…萩原聖人ヘレン…野波麻帆アン…藤野涼子ボック、事務官 他…北川拓実エリザベス、看護師 他…佐々木春香フレディ 他…金子岳憲ヒトラー 他…片岡正二郎ボウラー、医師 他…大堀こういち母親、アイヒマン 他…那須佐代子 <ミュージシャン>ピアノ、アコーディオン…秦コータローマルチリード…大石俊太郎コントラバス…吉岡満則ドラム…渡辺庸介 とても深い物語だった。まあ、普通に善人と思われるハルダーが、認知症っぽい母親(那須)のいる家を捨て、大学の教え子、アン(藤野)にのめりこんでいくのと並行して、ナチスに取り込まれ、優性思想推進に乗せられていく。そして、唯一の親友だったユダヤ人のモーリス(萩原)を救おうとしない。(そもそもモーリスが実在かどうかは、微妙(もしかしたら、ハルターの心の中の住人かもしれない)だけれど、まあ実在してても、見捨てるだろうなとは思う。)登場人物が、バンドに合わせて歌いだしたり、台に乗って浮かれたり、ちょっと面白い演出を入れつつ、中身は、人間自分が一番大事だよね…みたいな、本音があぶりだされる物語。善人って、なんにもしない人、ってことなのかもしれない。…

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中村福助・児太郎の会「三本の糸」観劇

第二回 中村福助・児太郎の会「三本の糸」 企画・構成:中村児太郎演出・脚色:市川青虎脚本:久保田創音楽:杉田せつ子、杵屋五吉郎、田中傳次郎振付:花柳達真殺陣:安田桃太郎狂言作者:竹柴健舞台美術:尾谷由衣衣装・ヘアメイク:nonchi(87)かつら:太陽かつら舞台監督:佐藤アキオ大道具:保坂史朗(ステージフォー)照明:大野哲生(PAC)音響:永井潤小道具:内野稔也(藤浪小道具)宣伝美術:清水みちる(礼泉堂)宣伝票券:池谷美保、石井千聖(全栄企画)制作:岡田るみ(ちあふる)、稲毛明子(エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ)プロデューサー:石塚仁基(全栄企画) スーパーバイザー:中村福助 主催:文化放送/全栄企画株式会社 <キャスト>天つ神…中村福助雪/お静…中村児太郎力丸/政…松田凌月太郎/佐吉…中村莟玉いと…小見川千明椿鬼座右衛門…安田桃太郎恨次…越中睦士神使…中村梅花魔女…中村芝のぶ男…中村福緒母/おとせ…中村梅寿父/村人…中村梅大 ほか キャストに惹かれて行ってきました メインの物語は、三人吉三なんだけど、そこに彼らの親世代の物語を絡めて、三人の関係性をより緊密なものに仕立てている。親の世代、夫婦とその弟だった政(松田)、お静(児太郎)、佐吉(莟玉)。貧しくとも幸せに暮らしていたが、椿鬼座右衛門(安田)の一味に幸せを打ち砕かれ、次々に死んでいく。お静の産んだ三つ子だけは、天つ神(福助)の慈悲によって助けられ、別々に育つ。そして、力丸(松田)、月太郎(莟玉)、雪(児太郎)として成長した…

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「ボイラーマン」観劇

赤堀雅秋プロデュース「ボイラーマン」 作・演出:赤堀雅秋舞台装置:池田ともゆき照明:佐藤啓音響:田上篤志衣裳:坂東智代ヘアメイク:林摩規子演出進行:松倉良子舞台監督:足立充章 <キャスト>中年男…田中哲司喪服の女…安達祐実老人…でんでん中年女…村岡希美喪服の男…水澤紳吾若い女…樋口日奈若くもない男…薬丸翔小柄な女…井上向日葵警官…赤堀雅秋 赤堀雅秋×本多劇場、わりとコンスタントに観ている気がする。 今回の作品は、過去に観た作品ほどヤバい人も出ていなくて(少々ヤバい人しか出ていないとも言う)、事件も起こらない。主人公の中年男は、たぶん、今夜のことを今後の人生で思い出すことはないような、そんな、なんでもない一夜の物語が、ちゃんとエンゲキになっている…というのが、素晴らしい。 村岡希美の、訊かれてないのに「独身なんです」と言っちゃう中年女のプチヤバい雰囲気や、喪服の男のカタギなのだけど、ちょっとヤバい感とか、小柄な女の醸し出す宗教感とか、彼女の語る「死」と、老人が恐れる「死」の徹底的に相容れない感とか、赤堀演劇の濃いエキスがあちこちに散りばめられている。それでいて、若い女と若くもない男が、うまくまとまってしまう展開は、あー、まだなんか知らない部分があったかも…と、興味深く感じた。 田中演じる中年男の「ここの人じゃない感」と、安達演じる喪服の女の「ここにしか生きられない感」が交差し、なんとも言えない人生の妙が浮かび上がる。ただ夜の道を歩く二人の世界をもっと見たかったが、それは心の中で想像するべ…

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「腑に落とす。」観劇

「腑に落とす。」 作・演出:根本宗子 音楽:清竜人 BOY:若林佑真 衣裳:藤林さくら 舞台監督:成田里奈 舞台美術製作:竹井祐樹 音響:藤森直樹 照明:中佐真梨香(空間企画) 照明オペレーター:山内裕太 当日受付:佐藤美紘 ヘアメイクプラン:小夏 舞台写真:Masayo 制作:月刊「根本宗子」 <出演>根本宗子、小日向星一 劇作家に専念している根本宗子が久々に女優復帰というので、行ってまいりました。小日向星一との二人芝居というのも面白そう…と思って。 結婚相談所に通う男女。紹介された相手が、まさかの元恋人結婚相談所でのやり取り(一方的に責められる)では、相談所のスタッフ役も演じ分け、二人とも出ずっぱりしゃべりっぱなし。個性強めな男女がどうにか結びつくまでの物語が、過去の交際話も交えて怒濤の展開で語られる。ディズニーランドにおにぎりを持って行った話が何度もトラウマとして語られるのだが、最後まで持ち込み禁止に触れない辺りの価値観が秀逸。(たぶん根本さん、ディズニーとか詳しくないですよね) ずっと笑いっぱなしの楽しい時間でした。小日向くん…ちょっと髪の毛がさびしくなってないですか?大切にしてくださいね…遺伝とかあるかもだし。

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「九十九想太の生活」観劇

「九十九想太の生活」 脚本・演出:澁谷光平 音楽:まるやまたつや舞台監督:本郷剛史舞台美術:SPM照明:仲光和樹音響:小林遥 <キャスト>九十九想太…前川優希九十九悠也…里中将道四宮晃司…日南田顕久四宮さおり…木村はるか五木美代…あきやまかおる五木治…浦尾岳大七瀬…山木透八村…NARUYA一ノ関…苗村大祐二階堂…藤波瞬平三条…釜山甲太郎 久々のスプリングマンの公演。家族の日常を丁寧に描いていく「弁当屋の四兄弟」などのシリーズに、元スタジオライフの藤波瞬平が出演していて、その流れで観るようになった。今回も、登場人物は違うが、同じ町内の物語のようだ。(舞台は世田谷区の昔ながらの町の一角)また、藤波のほか、日南田顕久、あきやまかおるもシリーズ常連で、彼らが出てくると、あの世田谷の街角の物語なんだなぁ~と勝手に脳が考えてくれるほどに、シリーズに馴染んできた感がある。劇場は、今回、シアターアルファ東京という初めての劇場。恵比寿にできた新しい劇場なのだが、お茶の間を設営するには、ちょっと問題のある劇場だった。というのは、サイド前方の席に死角が多く、舞台をフルで使ったり、お茶の間に俳優が座ったりすると、まあ見えない。客席数200というコンパクトさは買うが、演目は選びそうだな…という感想を持った。吉祥寺シアター(前回公演)のような勾配の大きな劇場の方が、この手の公演には合うように思う。(場面転換のない芝居だが、正面に茶の間がどーんとあって、奥が庭先(干しっぱなしの洗濯物がある&訪問者は庭から入って来る)、…

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「メイジ・ザ・キャッツアイ」観劇

舞台「メイジ・ザ・キャッツイ」 原作:北条司「CAT’S EYE」脚本:岩崎う大(かもめんたる)演出・共同脚本:河原雅彦 <キャスト>来生瞳…藤原紀香来生泪…高島礼子来生愛…剛力彩芽内海俊夫…染谷俊之平野猛…上山竜治藤堂…美弥るりか栞…新谷姫加神谷真人…川久保拓司ミケール・ハインツ…長谷川初範 キワモノかなと思いながら観に行った「メイジ・ザ・キャッツアイ」だったが、面白かった。明治座で上演されるから、明治時代ではどうか、という提案が北条先生からのものだった!という衝撃(企画は江戸時代ものだったらしい)もありつつ、明治時代で本当によかったなと思う。しっかりテーマ曲が披露されるシーンもあり、レオタードは時代的に無理…とはいえ、極力寄せて、さらに出演者の魅力が引き立つ衣装になっていて、素晴らしかった。 美弥演じる藤堂、もちろんかっこよくて大満足なのだが、実は栞の母だったという設定には、納得が…男装ってそんなに簡単にできるもんじゃないのよ背が高くて美人でクールな高島礼子おねえさまだって、男装シーン(夢)は、痛々しかった。鬘もしょぼかったし。染谷・上山・川久保の男性メンバーのやり取りが面白く、作品を盛り上げていたと思う。キャストの年齢差の緩衝材としても、染谷はいい仕事をしていたし、なにより、俊夫の可愛さが似合いだった。上山は、ややオーバーリアクションな芝居が役柄に合っていて、こういう芝居もやるんだな~と驚いた。2.5次元舞台にも出てくれないかしら⇒2.5系スタッフさんと、かなりお仕事されているし…

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「笑わせんな」観劇

「笑わせんな」 脚本:福谷圭祐演出:オクイシュージ 音楽:遠藤浩二美術:仁平祐也照明:高野由美絵音響:藤本純子衣裳:高田菜々子ヘアメイク:武井優子演出助手:山田翠舞台監督:宇佐美雅人 <出演>藤原宙介…浜中文一比嘉有希…山下リオ山田遊太…鳥越裕貴郷田宏…松島庄汰鯉川愁平…岐洲匠田中みゆ…佐藤日向三池史帆…松原由希子香坂麻尋…福井夏佐藤真由…辻本耕志吉岡美…久ヶ沢徹松本正義…入江雅人 本多劇場で「笑わせんな」を観劇した。 面白いだけでなく、考えさせられるところもあり、充実した演劇空間だった。やっぱ、鳥越裕貴が、出る舞台は、ハズレがない。 美容室の地下行われている秘密の会合。参加者は、くすぐりたい「ぐり」と、くすぐられたい「ぐら」に分かれ、基本、ペアで参戦する。※初参加者には「ぐりですか?ぐらですか?」という質問がなされる。これはもちろん、ロングセラーの絵本「ぐりとぐら」を意識している。彼らは、スタート前にくすぐりをストップするための合言葉を設定する。というのは、「やめて」「やだ」という言葉は、くすぐられている間、ついつい口をついて出てしまうので、本当に「ぐら」がこれ以上はイヤだと思った時に、終了宣言として口に出す言葉が必要なのだ。※実は主人公たちペアの終了ワードが「笑わせんな」だったということが途中でわかり…タイトルまで、くすぐりが効いているのだった。 オーナーに内緒で美容院の地下室を秘密会合に使っている主人公もひどいが、その他の登場人物たちも、めちゃくちゃ。誰一人、まともな人がいない…

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「かわりのない」観劇

「かわりのない」 作・演出:タカイアキフミ美術・衣裳:山本貴愛音楽:高位妃楊子音響:谷井貞仁照明:加藤直子舞台監督:谷澤拓巳演出助手:菅原紗貴子ステージング:浅野康之制作補佐:茉瑶制作:笠原希主催:合同会社TAAC <出演>春日井陽平(警察官)…荒井敦史田代由希子(難病の息子を亡くした母)…異儀田夏葉田代建太(由希子の夫)…清水優根本岳(田代家の近所に住む事故死した大河の父)…納谷健春日井里実(陽平の妻)…北村まりこ橋爪史朗(内科医)…廣川三憲 シアタートップスで上演されていた「かわりのない」を観劇しました。 この芝居は、以前同じ作・演出家によって上演された舞台のリブート作品とのこと。上演後、前作に出演していた「悪い芝居」の山崎彬さんが登壇して演出家とのアフトクが行われ、さらに興味が増した。 そもそもは、拡張型心筋症の子供をアメリカで治療するために3億円を集めていた夫婦(本作の田代夫妻)だけの物語だった。あと20万弱で目標額に到達するというところで息子が急死、夫婦の関係性までおかしくなってしまう。夫は、妻との関係を修復しようと、募金を再開することを提案、いけないことだと知りながら、夫婦は、もう居ない息子のために募金活動を再開し、それが生きがいになっていく。 今回の舞台は、その夫婦のところに、シングルファーザーからネグレクトされている少年が訪ねてくるところから始まる「新たな物語」が追加されている。熱を出した少年を医者に連れて行った夫婦。自分たちの子ではないから保険証はない。しかし、3億円…

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