「とはずがたり」

以前買っていて積ん読状態だった本を、今、ガンガン読んでいます。 とはずがたり (光文社古典新訳文庫) 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2019/10/08 メディア: 文庫 こちらも、タイトルに惹かれて、買った本。半年くらい積んでいたけど、読み始めたらイッキでした。 まず、時代が鎌倉時代で、場所が京都の宮中…というのが、「知らない世界」感満載で。歴史の授業を受けていると、平安時代は京都という場所を中心に習うのに、鎌倉時代は関東という場所を中心に習う。室町時代になると再び京都に戻る。だから、鎌倉時代の京都とか天皇とかって、何してたんだか、全然わからないし、わからなくてもいいや…って思っていた。でも、そんな、「政治の中心じゃないところ」であっても、人々は生きていて、そこに喜怒哀楽があって。こういう書物に出合わなければ、お勉強の中で振り落とされている物語。しかも、ここに出てくる上皇・天皇の兄弟って、後の南北朝に分かれる大本の兄弟だったりするわけで、その両方に愛された女房の「問わず語り」って、いや、問いますよ、問いますって。 しかも、源氏物語も真っ青の宮中スキャンダルが実名で書かれているとか、もちろん、リアルタイムではなく、数十年後に書かれたとはいえ、すごすぎる…特に仏門に入った、後深草院の弟、法親王の子を二人も産んでしまうという辺り、ここまで書いて大丈夫ですかと不安になるほど。とはいえ、少女の頃から好きだった貴族、親の手引きで結ばれることになった上…

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ラミンさん!

最近、貴重な映像が期間限定でYoutubeにアップされていて、寝不足が続いている。 友人に教えてもらった「オペラ座の怪人」48時間限定公開。2011年にロイヤル・アルバート・ホールで行われた「オペラ座の怪人」25周年記念公演の映像を堪能した。最後にアンドリュー・ロイド・ウェバー氏が登場し、制作のキャメロン・マッキントッシュらを紹介、そして、初演時にクリスティーヌを演じた元妻、サラ・ブライトマンを“My Angel of Music”と紹介して、喝采を浴びていた。サラ・ブライトマンが4人の怪人と一緒に『The Phantom of the Opera』を歌う場面は、圧巻だった。4人の怪人が、それぞれ“Sing for Me!”と叫び、それに呼応してサラが熱のこもったソプラノを披露するところ、さすがの貫録だった。 本編の怪人は、ラミン・カリムルーが演じた。望海さんのコンサートのゲストで出演されるはずだったラミンさん。名前しか知らなかったけど、超イケメンじゃないかっ 幻になってしまったとは…つくづく、コロナめっ

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SDGs

先日、会社の認知率アンケートで、「SDGs」というのが出てきて、そういえば、この文字の並びは最近よく見るけれど、いったいなんなんだろうと気になりだしたところだった。BS朝日で放送していた「2030ミライノート~未来を創るSDGs~」(すみ花ちゃん出演回)の再放送を見ることができた。おお、そういうことだったのか、SDGs 国連が採択した「持続可能な開発目標(Substainable Development Goals)」ということですね。17の分野別の目標と、169項目のターゲット(達成基準)が設けられているらしく…環境破壊の進んだ現在、発展途上国がかつての先進国のような形の発展をこれから始めると、地球環境SOS待ったなしになってしまう。また、先進国による発展途上国の支援は、もう何十年もやっているけれど、インフラだけ作っても、継続的な支援をしなければ、結局無用の長物になってしまう。そんな反省を踏まえて、先進技術を途上国に合った形で提供したり、地球環境にやさしい技術革新をしたり…それを、「この開発は、この目標の達成に寄与していますね…」と評価する指標があると便利 番組でも、「これは、〇番と〇番に該当しますね」とやっていた。さすがに169のターゲット全部を暗記するのは難しそうだが、17の目標は、気に留めておこうと思う。 貧困をなくす…「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」 飢餓をゼロに…「飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する」人々に保健と福祉を……

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「グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~」

2月に舞台版(生瀬勝久演出)を観劇して、けっこうボロカスに感想を書いたが、映画版はどうなんだろうと思って、見に行った。予定はなかったが、舞台「サンセット大通り」が中止になってしまったので。3月中旬、まだ映画館は普通に営業していて、しかも、公開から日数も経っていたので、それほど混雑していなかった。座席もそれぞれが離れて座れる感じで、危険は感じない。…ということで、安心して物語に没入することができた。舞台版の方にあらすじは書いてあるので、こちらをご覧ください。 映画版もほぼストーリーは、舞台と同じ。映画らしく、追加されているのが、物取りに遭って以降の田島(大泉洋)の人生をしっかりと追っているところ。舞台版では、田島が死んだらしい…というところから、一気に一周忌に飛んでしまったから。この辺で、視点を完全に田島側に移したのが、結果的にうまく作用していると思った。この「グッドバイ」という芝居の、一番の難しさは、ラストのハッピーエンドを観客が受け入れられるか、という部分にある。勧善懲悪ではないが、田島のような男がハッピーエンドでいいのかと、観客は考えてしまう。なにしろ、整理する愛人に対して、誠意の欠片もないわけだから。これに対して、監督の成島出は、グッドバイ行脚の日々については、神の視点で映画を撮っていて、謎の占い師(戸田恵子)が登場する辺りで田島の視点に切り替えている。(映画なので、完全に田島の目から見た景色というわけではない。)その後、物取りに遭って倒れた彼が意識を取り戻すと、そこは、別世界。これまで知…

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「カフカの東京絶望日記」

千葉テレビ等で放送されていたドラマ「カフカの東京絶望日記」が映画館で限定上映されることになったので、ホイホイと見に行ってきた。 テレビドラマは全6話だったが、映画版はそこから厳選したエピソードを上映。ああ、そうそう、こんな感じだった~と、ストーリーを思い出しながら、巨大スクリーンで「絶望」するフランツ・カフカ(鈴木拡樹)の美しさを堪能した。この作品、カフカの親友の文芸評論家、マックス・ブロート(中山求一郎)がカフカについて語ったり、そもそも、普通にフランツ・カフカが現代日本のアパートに住んでいるとか、めちゃめちゃシュールなドラマ。シュールなのは当然…というか、監督で加藤拓也さん(劇団た組)が参加してるんですね。ゆうひさんが主演した「今日もわからないうちに」に出演されていた宮田早苗さんも、カフカのアパートの大家さんという、役柄でものすごくシュールな芝居を展開していた。カフカは、なぜかパン屋さんでバイトしているのだが、バイト仲間のつぐみが、「整形した」と言って、奈緒から奥山かずさになる…とか、もうめちゃくちゃすぎる~婚活と地下アイドルの話は、テレビで見落としていた回だったので、貪るように見た。徳永えりちゃん、ファンなので出演がうれしい。 趣味が「絶望」というカフカさんがかわいくて…フランツ・カフカという、誰もが知る作家を主人公に、カフカファンしか知らないちょっとしたトリビアをアレンジしてドラマを作ってしまう…という展開が、同じ地方局ネットをベースにした「戦国鍋TV」や「戦国男士」を思い出させて、や…

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「風の谷のナウシカ」ディレイ・ビューイング鑑賞

テレビでドキュメンタリー番組を見たこともあり、ディレイ・ビューイングに行ってみようと思った。3時間+3時間半、映画なのに4,300円だけど、ナウシカの世界観を完全歌舞伎で見せるという、菊之助さんの挑戦に興味があったのだ。 ちなみに「ナウシカ」は、ずっと避けていた。そもそも、鈴木敏夫さんが編集長になる前からアニメージュを買っていて、そこに「風の谷のナウシカ」が連載されていたのも覚えている。しかし、そのページは読んでいなかった。絵が細かいし、興味が持てなくて…。まあ、そもそも、当時、宮崎駿には全然惹かれてなかったし。(ルパン三世も、人気が出てからの再放送の方が、絵柄が好きだった…という、希少派です。当然、「カリオストロの城」のスルーしました好きだった宮崎アニメって、「未来少年コナン」くらいかな)当然、アニメもスルーしていたし、ストーリーも知らない。王蟲の存在くらいかな、知ってたのは。歌舞伎も見るけど、「歌舞伎の手法」なんて、あまり知らないし、ほんと、どうして見に行ったのか、不思議。 でも…すごくよかった 時は千年後の地球。文明が「火の7日間」と呼ばれる戦争で滅びてしまい、地球は、有毒な瘴気を発する菌類の森、「腐海」に覆われている。そんな中、生き残ったわずかな人類は…やはり戦争をしていた…大きく対立しているのは、トルメキア王国と土鬼(ドルク)諸侯国連合帝国。主人公のナウシカは、「風の谷」族長の娘。風の谷は辺境にあって、一応、トルメキアと盟約が結ばれている。風の谷の民は「風を操る」らしく、ナウシカも…

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「CATS」

実写(?)映画「CATS」を見てきました そもそも、劇団四季のものを数回しか観ていなくて、特に「CATS」ファンでもない私。事前情報として、「CATS」というミュージカルは、わりと、そのカンパニーごとの裁量の自由のある作品らしく、海外の上演形態が、劇団四季と同じ…というわけではないそうです。ネコの身体の模様とかも、同じというわけではないんですね。 そもそも、T・S・エリオットの詩集を原作とした、スケッチの連続のようなミュージカル。今回は、映画ということで、なんとなく、2時間の「物語」になっているな…という感じ。その辺に違和感を持つ方もいらっしゃるかもしれないし、そもそもヴィクトリアがヒロインというのにも驚かれるかもしれない。美しい白猫だからかなヴィクトリアに付されたストーリー…それは、ノラネコたちが多数たむろしている劇場裏の路地に、袋に入れたヴィクトリアが捨てられるところ。興味津々で近寄る大勢のネコの中で、きょどるヴィクトリア(フランチェスカ・ヘイワード/葵わかな)。私、これからどうしたらいいの…と、ボーッと佇むヴィクトリアに、色々と優しく教えてくれるのは、リーダーシップのある快活なネコ、マンカストラップ(ロビー・フェアチャイルド/山崎育三郎)。臆病だけど好奇心にあふれたヴィクトリアは、個性豊かなネコたちのパフォーマンスを楽しむ。ヴィクトリアという「視点」を作ったことで、繰り広げられるネコたちの自慢のステージが、違和感なく連続していく。「CATS」の舞台を観たことのない人には、とっつきやすいか…

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快挙!

米国のアカデミー賞の表彰式、なんと、韓国映画「パラサイト」が、作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の4冠を獲得 外国映画(英語以外の言語が主に使われている映画)が、主要な賞を総なめにするって、ものすごい快挙 受賞のコメントを発表するジュノ監督、発言がいちいちチャーミングそして映画愛に溢れている 韓国映画界のパワーを感じ、まだまだ知らないエンタメがいっぱいあることに焦る。機会があれば、韓国エンタメにも触れていきたいな…と思える出来事だった。

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「ダウントン・アビー」

NHKのドラマは、ほとんど見ていないのに、映画「ダウントン・アビー」を観てきました。 20世紀前半のイギリスの田舎を舞台に、貴族社会のあれこれが、当の貴族と使用人社会の両面から描かれている。今回の映画は、テレビシリーズの2年後、ダウントン・アビーに国王夫妻が訪れる、という事件を描いている。登場人物たちをよく知っていたら、さらに楽しめるのだろうけど、単独の映画としても楽しむことが出来た。当時の国王は、ジョージ5世。宝塚で上演した「エドワード8世」では、磯野千尋さんが演じていた、あの役ですね。そう思うとなんとなくついて行けるような…国王訪問という一大事を前に、邸を取り仕切る後継者のメアリーは、引退した元執事のカーソンにカムバックを要請する。ひとつの邸に執事は二人必要ないため、現役執事のトーマスは、カーソンがカムバックしている期間は休暇を取ると言って出て行ってしまった。拗ねてます…さらに、国王夫妻が滞在する間は、自分達が取り仕切るのだ、と王室直属の使用人たちが大挙してダウントン・アビーに到着、我が物顔で振る舞い始め、使用人たちは憤慨する。料理どころか、食材まで持ち込むのだから、料理長のパットモアや助手のデイジーは、怒りを通り越して戸惑いを隠せない。村のグローサリーでは、国王陛下のお口に我々の食材が…と感動の極みで、邸は使うあてのない食材の山になってしまう。伯爵家の皆さんは…というと、亡くなった三女の夫で、領地の管理人となったトムは、かつてアイルランド解放の戦士だったため、ジョージ5世暗殺計画に巻き込ま…

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テセウスの船

日曜の夜、「あなたの番です」で眠れない日々を過ごしていたあの頃から、早、数ヶ月。「いだてん」を楽しみ、「グランメゾン東京」でスッキリしていた前クールから一転、再び、眠れぬ夜がやってまいりました。 「テセウスの船」-予告見た時に、「これはやばいやつや」と思って見ていなかったのに…見逃し配信で第1話を見てしまい…嵌まってしまった…終わった…日曜の睡眠が奪われた…原作があるので、ネタバレ情報もありつつ、既に原作と違う部分も出てきているようなので、最後まで楽しみにハラハラしたいと思います。 今シーズンは、見たいドラマが多く、嬉しい悲鳴です。謎解き多いのよね… あ…あと、アニメも。(かいちゃんが出てるやつね)

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