「鬼滅の刃」

コロナ禍にもかかわらず、日本最大のヒット映画となった「鬼滅の刃」、完全にブームに乗り遅れてしまったので、かえって後追いはカッコ悪いと思い、ひたすら無視してきた。もちろん、2.5次元で上演されている「舞台鬼滅の刃」も観ていない。が「舞台鬼滅の刃」の第二弾上演が決定し、あろうことか、煉獄杏寿郎役に矢崎広がキャスティングされてしまったので、背に腹は代えられない…と、近所のシネコンの最終上映回に飛び込んだ。「鬼滅の刃」では、鬼殺隊士たちは、鬼の首を刎ねることで、鬼を退治する。鬼といえど、人の形をした者の首が飛ぶ映像を大画面で見るのは…と、ビクビクしていたのは、最初のうちだけで、途中からは、夢中になってストーリーを追っていた。煉獄さん、人気あるのもわかるわ~これから、ぴろしがどんな煉獄さんを演じるか、楽しみになった。 「鬼滅の刃」は、人気アニメをたくさん輩出している「週刊少年ジャンプ」に連載されていた人気作品。これだけ社会現象をおこした連載を、その只中に終了するという勇気ある決断には驚いたが、竃門炭治郎と禰豆子の苦しい旅に、ちゃんと終わりを与えることが、作者のやさしさなのかな…と思った。映画だけでも、かなり苦しい展開だった。特に、煉獄さんの戦いは、「もうやめて~」と目を覆うくらいの内容。敵の強さが無限大で怖い。テレビアニメの劇場版作品としてのクオリティも、なかなか高い。総集編的な内容にせず、放映していた部分の続編を作ったというのが、よかったのかもしれない。最近のテレビアニメが、1クール、2クールでがっつり…

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「推し、燃ゆ」

ずっと気になっていた「推し、燃ゆ」を読みました。 推し、燃ゆ 作者: 宇佐見りん 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2020/09/10 メディア: Kindle版 ファン活動をしている人なら、それが表立ってのものでも、心ひそかなものでも、誰しもが経験するであろう、「別れ」のドラマ。グループなら解散、宝塚なら退団、あとは芸能界引退…という分かりやすい儀式もあるし、逮捕や死去という、まさかの別れもある。相手の結婚を機に立ち位置を変えることもあるし、推し変=こちら側の一方的な心変わりだってある。本作の語り手である「あかり」は、男女混合5人組アイドルグループ、「まざま座」の上野真幸(まさき)を応援している高校生。彼女にとって「推し」は、「作品も人もまるごと解釈し続けること」の対象だった。観て聴いて、記録し、解釈し、ブログで公開する。ネットの世界だけで交流者とやり取りをして、その世界では、はからずも、いっぱしの論客になっている。でも、素の「あかり」は、進級もおぼつかない、落ちこぼれの高校生で、作中、中退に追い込まれ、バイトもクビになり、家族から「どうするの、これから」という言葉を突き付けられ続けている。これらのことは、「観て聴いて、記録し、解釈し、ブログで公開する」推し活(ファン活動)をしている人には、ありがちのことだと思う。推しへの愛が強すぎて、現実の自分の人生の方が希薄に感じてしまう。自分もそういう傾向があるので、よくわかる。しかし、この小説は…

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朝ドラと大河の素敵な関係

最近、朝のルーティーンが変わってしまって、100作目くらいから朝ドラは見ていないが、それまでは、熱心に朝ドラ(連続テレビ小説)を見ていた。さすがに本放送は無理なので、BSの方(朝7:30~)ですね。 一方、大河ドラマについては、見たり見なかったりだったのですが、ここ最近(「真田丸」~)は録画して必ず見るようにしている。 で、6年前(2015年)の朝ドラ「あさが来た」は、けっこう熱心に見ていたが、その中で、新選組の土方歳三がお金を借りに来るという場面があって、そのワンポイント出演の土方役が山本耕史だった。それは、2004年の大河ドラマ「新選組!」で山本さんが土方役を演じていたから、オファーしたんだろうなーと、その時思った。こういう、ちょっとした視聴者へのプレゼント的なものって、時々あるから。 そうしたら、今度は、その「あさが来た」でブレイクした五代友厚役のディーン・フジオカが、大河ドラマ「青天を衝け」で、五代才助(友厚)役で登場。今回は、「あさが来た」の脚本家が「青天を衝け」の脚本家なので、まあ当然のなりゆきなのかもしれない。でも、こんな風に繋がっていくのって、なんか、素敵だな~と思った。 今回の土方歳三役は、町田啓太。あ、チェリマホの黒沢役の…ここで、山本さんにループしないのが、またいいよね、と思う。そこから、また違う作品に繋がるかもしれないから。ちょっとほっこりする出来事でした。 それにしても、今シーズン、朝ドラ、見たかったな~

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「豊饒の海」読破

三島由紀夫の長編四部作「豊饒の海」シリーズの最終巻、「天人五衰」を読み終わった。初めてこのシリーズを読もうと思ったのは、宝塚で「春の雪」を上演することになった頃だから、足掛け9年になるということか。最初は、「春の雪」を読めばいいと思っていた。それが、書店で「奔馬」を見かけて、試しに読んでみたところ、ハマってしまい、生田先生にお手紙まで書いた記憶がある。珠城りょう主演で「奔馬」を上演してほしい、飯塚勲役(「春の雪」の清顕が転生した存在)は、ぜひ朝美絢でという内容だったと思う。だから、まだあーさが月組で頑張ってる頃だったのだろう。実現したら、面白い舞台になっていたと思うが…。続く「暁の寺」を読んだのは、だいぶ後のことになる。ここから転調して、転生した先が、タイの王女ということになったからだと思う。(あらすじは読んでいた。)しかし、実際に、数年を経て読んでみると、これがめちゃくちゃ面白い。それで、勢いがついて、「天人五衰」まで一気に読んだ。四部作が、綺麗に“起承転結”になっているし、転から結の間でまた新たな転調もある。すなわち、本多が80歳になり、どうやら最期が近づいたその時に、つまり、ここで何かが間違ったとしても、もう後戻りのできない状況になったところで、「見つけたと思ったさらなる転生者」がニセモノらしいという疑いが出てくる。でも、本当に、アッと思ったのは、この小説のラストシーンが「昭和49年」である、ということだ。 昭和49年は、実際に存在した。でも、三島は昭和45年に死んでいるから、その時点で、…

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映画「すくってごらん」

映画「すくってごらん」を見た。 エリート銀行員、香芝誠(尾上松也)は、左遷されて、奈良県大和郡山市の田舎の支店勤務となる。タクシーすら通らない田舎なのに、町の一角は、夜の華やぎが…色街かそこで香芝は、一人の美女(百田夏菜子)に出会い、心を奪われる。気がつくと、彼女に誘われるまま、金魚すくいにチャレンジしているのだった…え、金魚すくい金魚鉢が車体と一体化したような車を運転している謎の青年(柿澤勇人)とか、この町には金魚が溢れている。香芝は、先輩銀行員・川西(矢崎広)に連れられて、町のカフェ・バーを訪れる。やたら、ナポリタンの美味しいカフェには、女優の夢破れてUターンしてきた山添明日香(石田ニコル)がオーナーの兄を手伝っていた。香芝は、数分の滞在で、この店の問題点を指摘、改革に向けての提案を行う。落ち込んで、ダメダメになっているが、出来る男だったらしい。香芝が、金魚すくいという不思議なものに出合い、人前でピアノが弾けなくなった美女、生駒吉乃(百田)への淡い想いを昇華させて、東京に戻るまでの短い、夢のような日々を、ファンタジックな、音楽劇仕立てで紹介している。 謎のインターミッション(休憩している川西が一曲歌う)とか、脱力系の仕掛けが面白い。そして、見終わると、ナポリタンが食べたくなる。「すくってごらん」とナポリタン、無限ループである。  映画の帰りに、ナポリタンを出している店を発見できず、ありものを使って家で作ったもの。 ようやくお店で見つけたナポリタン。

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「燃ゆる女の肖像」

映画「燃ゆる女の肖像」を見た。そもそもこの映画を見ようと思ったキッカケは、ポスターだった。「Portrait of a Lady on Fire」というタイトルが、女性の肖像にかぶって書かれている。実は、大学時代に、ヘンリー・ジェイムズの「ある婦人の肖像」(英題:The Portrait of a Lady)という小説を勉強していたことがあり、一瞬、その話なのかな、と思ったのだ。私が大学時代に勉強してた作品って、その後映画化される例が多くて、わりと簡単に信じてしまったのだが、まあ、一応、見に行く前にHPを確認し、ヘンリー・ジェイムズは全然関係ないということは、理解 このところ、女性の芸術家が自分の名前で作品を残すことが、昔はとても難しかった…という物語をあちこちで見るが、本作も、そういう女性がヒロインだった。18世紀末、30歳で独身のマリアンヌは、肖像画家だった。が、出来上がった作品は、父の名で納品または発表される。「本当は私が描いたんです」それは自己顕示欲とかではなく、もっと根源的な人間の魂の叫びのように思える。「ここに存在する私を、居ないもののように扱わないで」それって、現代でも、まだいろんなところに残っているなーと思う。 マリアンヌ(ノエミ・メルラン)は、離島の城に暮らす、伯爵夫人(ヴァレリア・ゴリノ)に雇われ、船で島に乗り込む。伯爵夫人の要請は、娘のエロイーズ(アデル・エネル)の見合い用の肖像画を描いてほしいということ。エロイーズは、結婚する気がなく、男の画家に肖像画を描かせることは失…

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星蘭ちゃん、おつかれ~

専科の星蘭ひとみが出演していた「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS系)が終了した。 W主演の一人、三浦春馬さんの急逝を受け、急遽4回に編集し直したとのこと。おそらく本来の第4話はほとんど撮影されていなかったのでしょうね…そんな中、伏線を回収しつつも、悲しい終わり方にならないように、作品を仕上げてくれたスタッフや出演者の皆さんの力に圧倒された最終回。 星蘭ちゃんも、可愛くキュートな姿を見せてくれた。デビュー作とは思えない、よい役で、舞台より映像の方が合うのかなぁ~と感じたが、最終回、三浦さんの不在を出演者みんなで、「ちょっとした気まぐれで、すぐ帰ってくる」ものにして、でも、三浦さん演じる猿渡慶太を、みんながとても大好きだということが伝わってくる作りの中で、その部分はとても伝わってきたものの、演技自体は、舞台でよく見た拙さが出てしまったかな~と思った。3話までの良さは、三浦さんがカバーしてくれたものだったのかもしれない。 (三浦春馬さんについては、これまでタイミングが悪く、ドラマでも舞台でも映画でも、ほとんど彼の出演作に出合っていない。唯一、見ていたのが「おんな城主直虎」かな。なので、私ごときが、彼の訃報について言及できることは何もないと思い、これまで、記事にしていなかった。今回、「カネ恋」を見て、なんてすばらしい俳優さんなんだろう…と改めて感じ、心よりご冥福をお祈りします…) 何はともあれ、映像デビュー、すごく頑張っていたと思う。おつかれさまでした

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「ロミオの青い空」一挙配信

あれは何年前だったろうか。たぶん、2003年頃だったと思う。携帯電話の待受け画像をラスカルにしていて、「世界名作劇場」の携帯サイトに登録していた。配信される待受け画像はラスカルだけじゃなくて、その他の世界名作アニメからランダムに毎日新作がアップされていた。その中に、私の好みドンピシャの美少年がいた。 ロミオの青い空 DVDメモリアルボックス 出版社/メーカー: バンダイビジュアル 発売日: 2009/07/24 メディア: DVD はい、この、右側の彼です。 私は、それが誰だか知らないままに、待受けにしていた。その後、彼が「ロミオの青い空」に登場するアルフレドという少年であること、とても悲しい境遇で、最後には亡くなってしまうということを知ったが、詳細は知らないまま、長い年月が過ぎた。 そして今年、放送から25周年ということで、「ロミオの青い空」がYouTubeで一挙配信された。 見ました9月の4連休は、ほぼこれで終わりました 「ロミオの青い空」というタイトルなので、主人公はロミオです。左側の少年ね。ロミオは、ソノーニョ村という貧しい農村の少年。両親と双子の弟と暮らしていて、毎朝夜明け前に起きて教会に行き、鐘を鳴らすことで、神父様からお小遣いを貰って家計の足しにしている。その年、ロミオの父の畑は災難続きだった。ある日、“死神”というあだ名の人買いがやってくる。彼は、貧しいながらも幸せそうなロミオの一家を見て、その幸せを壊してやろうと思い立ち、山火…

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気持ちが再燃!

「刀剣乱舞」にハマった影響で、数年ぶりに鍋機運が高まる…「戦国炒飯TV」もスタートしたしね… 戦国鍋TV 令和の乱 Blu-ray BOX(戦国鍋TV~なんとなく栄光と伝説への旅立ち~Blu-ray BOX廉価版) 出版社/メーカー: キングレコード 発売日: 2020/08/26 メディア: Blu-ray 買っちゃおうかな本日発売だそうです。

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CanCamデビュー

お目当ての記事がいっぱいあったので、雑誌CanCamを購入した。 CanCam (キャンキャン) 2020年 10月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2020/08/21 メディア: Kindle版 CanCamは、私が学生時代にも存在していたのだが、キャラ違いというか…購入したことはなかった。non-noや、ananは、気になる記事があったりして、購入したことはあるのだが、CanCamは今回がデビューだ。(遅すぎるデビュー) 最近「刀剣乱舞」にハマっている私としては、三人の刀剣男士俳優による“妄想デート”コーナーというのも気になったし、七海ひろきのエッセイスタートというのも気になっていた。 妄想劇場はツッコミどころ満載で、ニマニマしながら見ていたが、イケメン俳優三人のニマニマ劇場が終了した次のページが七海ひろき氏のページで。 かっこいい~ ちょっと待て、ここから本気の妄想劇場かイケメンすぎて、思考が止まる…七海ひろき、恐ろしい子…

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