映画「カタオモイ」

「アキはハルとごはんを食べたい」の映画を観に行った時、予告編を見て、細田善彦が重要な役で出ているのを知り、鑑賞することにした。 主婦の杉下可南子(丸純子)は、夫の浮気を知り、家を飛び出し、早朝のバス停で一人の青年(細田善彦)に出会う。青年は、同棲していた恋人に出ていかれてから、浴びるように酒を飲んでは、戸外で夜を明かすような生活をしていた。見ず知らずだからこそ、身の上話をしたりした二人。その後、可南子は、人のよさそうな店主(片岡鶴太郎)のいる食堂に身を寄せ、アルバイト店員として働き始めた。ある日、ひどく泥酔した青年に再会した可南子は、彼を家まで送り届けたが、泥酔した青年は、恋人の名を呼びながら可南子にキスをしてきた。ポケットに青年のマンションのカギを入れたまま戻ってきてしまった可南子は、その日から、青年の家に行っては、掃除をし、料理を残してくるようになる。青年は、恋人が来てくれていると信じているが、当の恋人は、青年との生活に未練はないようだった。(一度、荷物を取りに来たところに出くわし、青年の母親と思われてしまう。←そこまで年は離れてないのに…)ある日、食堂を訪ねてきた青年を見て、店主の娘が彼の正体に気づく。青年は、人気絶頂で突然引退してしまった漫画家だった。その日から、生きがいをなくし、女優志望の自意識過剰の娘に恋をすることで自分を保ってきたのだった。一方、可南子の息子は、夫婦の仲を取り持とうと奮闘するが、可南子にその気はなく、夫も謝る気はない。(浮気ではなく、スナックのママに一方的に岡惚れし…

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「リバー、流れないでよ」

鳥ちゃん(鳥越裕貴)ファンとして、そろそろ見に行っておかねば…くらいの気持ちで、見に行ったら、完全にハマってしまった。めちゃくちゃ面白いです。 「リバー、流れないでよ」は、京都を中心に活躍する、ヨーロッパ企画という劇団が制作した2本目の映画。1本目の「ドロステのはてで僕ら」は、コロナ禍にあってヒットはしなかったものの、海外の映画祭で絶賛されたらしい。今回の「リバー、流れないでよ」は、下北沢トリウッドと東宝という映画界かつてないタッグによって、めっちゃマイナーな内容ながら、東宝系シネコンでの拡大全国上映が可能になり、これこそ、デジタルとシネコンがよき方向に流れた例だなと思った。フィルム時代なら、いくら最高の配給網を持っていても、プリントしたフィルムの数だけしか同時上映ができないし、プリント自体が大きなリスクになる。(高額で、場所も取る)が、デジタルプリントは、フィルムより簡単かつ安価で配給ができるし、シネコンという、ひとつの作品を一日一回かけるだけでもいいシステムであれば、大博打の映画を配給網の片隅に放り込むことができる。 俳優陣は、基本的にヨーロッパ企画専属の俳優が中心となり、客演もネームバリュー先行の大スターを投入するわけではない。撮影場所は、京都・貴船にある割烹旅館と貴船神社周辺のみ。そんな映画が、死ぬほど面白い。ある瞬間から、2分間のループ地獄に陥ってしまった貴船周辺の人々。13時56分~58分の間をものすごい回数周回する。それを「ほんとに2分間の一発撮り」で撮影するという、たぶん誰も得…

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映画「アキはハルとごはんを食べたい」

2週間限定公開の「アキはハルとごはんを食べたい」、観てきました。 原作はマンガなんですよね。 アキはハルとごはんを食べたい 【電子限定特典付き】(1) (バンブーコミックス) 作者: たじまこと 出版社/メーカー: 竹書房 発売日: 2020/09/19 メディア: Kindle版 大学生になった、アキ(赤澤遼太郎)とハル(高橋健介)は、一軒家をルームシェアして暮らし始める。料理好きのアキは、ハルのなんでも美味しく食べる姿が好きで、ハルのために様々なレシピを開発していく。ハルは片付けの苦手なアキの分もテキパキと片付けまくり、二人の大学生活は楽しく過ぎていく。ハルは、芸術系の大学に通っていたが、アキのスナップ写真を教授に褒められたことで、写真の楽しさを知り、将来の方向性が決まっていく。一方、アキは、自分のやりたいことが見つからず、卒業してハルと離れることもつらくて、毎日が憂鬱になっていく。彼氏と喧嘩したハルの姉が数日、泊まって帰ったり、大家さんが梅酒を持ってきたり、友人たちとハロウィンパーティーをしたりする中で、ゼロ距離の二人の関係は少しずつ変化してー みたいな話かな。配信番組「ぼくたちのあそびば」の中で、BLみたいな話をしていたけど、全然BLという感じはなくて、むしろアセクの男子2名のプラトニックラブっぽい映画だと感じた。そもそも、大学に入学して最初の日々を少し描いた後、いきなり、2年後に話は飛んで、その間、二人の間に何もなく、しかも、けっこうモ…

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映画「銀河鉄道の父」

ゆうひさんが舞台作品で賢治の母を演じた「銀河鉄道の父」、映画化されたということで、こちらも観ておくか…と、時間のある時に、行ってみた。えーと、えーと…「銀河鉄道の父」だったのだろうか、これは… 菅田将暉、すごいな。ほぼ主演だった。タイトルからして、役所広司(宮沢賢治の父)が主役であるべきだと思ったが、菅田の熱演が凄すぎて、あの役所広司が吞まれていると感じた。いろいろ、凄かった。そして、ほぼ、いちさん(宮沢賢治の母)の影はなかった。 宮沢賢治の物語だった。コメディ色の強い舞台とは、だいぶ違った印象。でも、見られてよかった。

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石田正宗実装!

2.5次元舞台だけでなく、ゲームも楽しんでいる「刀剣乱舞」、なんと、石田三成が持っていたことから「石田正宗」と呼ばれる刀が実装されることになりました 三日月宗近を見るためにトーハクに行った時、ちゃんと撮影してました 無事お迎えできますように…

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「舞台刀剣乱舞 悲伝」劇場版鑑賞

「舞台刀剣乱舞」の劇場版上映も、いよいよ「悲伝」に到着。ここで三日月宗近が姿を消し、物語は第二部へと展開していく大事な節目の公演だ。(シリーズは時系列に上演されていないため、三日月宗近の登場する公演は、その後も上演されている。この作り方はうまいな~と思う。)「刀剣乱舞」のアイコン的存在である三日月宗近が登場しないというのは、戦略的にマイナス。しかし、原案の設定上、三日月宗近にはどこかで「消えて」もらう必要がある。この設定については、2022年、ようやくゲーム上で明らかになったが、舞台化されたのは、2018年。4年たってようやく「そういうことだったのか」って遅すぎるやろ~ 今回上映されたのは、物議をかもした千秋楽公演。つまり、この千秋楽のストーリーが、今後の「舞台刀剣乱舞」の「正しい歴史」として刻まれていくのだろう。それまでの2ヶ月間の公演を観てきた観客は、今、何を思うのだろうか。え、今じゃないのかな。舞台は、何日も、長いものでは何ヶ月も、同じことを繰り返し演じ続ける。演じることによって、演者の中でも、いろいろなものが深まっていくし、その日の観客の雰囲気によっても違ってくるから、まったく同じ公演はない。細部の違う、大枠が同じものを繰り返す。それが舞台だ。それは、三日月宗近が繰り返す歴史と同じようなものかもしれない。いや、千秋楽があらかじめ決まっているところが違う。三日月宗近がその歴史の繰り返しから逃れる方法は、山姥切国広に敗れること。それが三日月宗近の千秋楽だ。それを公演の千秋楽に仕掛けることは、…

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「特・刀剣乱舞花丸ー華の巻」

アニメ「刀剣乱舞花丸」シリーズの第三弾「華の巻」を見てきた。 「花丸」は、“とある本丸”の花丸な日々を描いた、ほわっとした絵柄が特徴の作品。シリーズを通じてのメインのキャラクターは、沖田組(加州清光&大和守安定)。前回「月の巻」の最後、なにやら不穏な雰囲気になっていたのだが…。いつものように各時代に遠征していた部隊が、突然、帰ってこれなくなる。そして、主が倒れたとこんのすけが飛び出してくる。主は、夢の世界に囚われていて、助け出すには、刀剣男士が夢の中に行って、主の夢の中の敵を倒さなければならないという。 主を助けるために夢の世界に旅立つのは、加州清光。相方には、当然のように大和守安定を指名。当然よね。そうじゃなかったら、途中で帰ってるわよ、私は。一方、帰れなくなった各部隊は、それぞれの時代で、長逗留のためにあれこれ自給自足を始める。一番古い時代に遠征していた鶴丸国永や篭手切江は、広場で芸を披露して食料を手に入れていた。篭手切江、すていじに立てたねはらはらさせられながらも、無事、主の悪夢を打ち砕き、沖田組が帰ってくる。同時に、遠征部隊も無事に本丸に戻る。主の悪夢は、この本丸を守りたいという主の願いの裏返しだったのだろう。 まあ、こんな可愛い本丸なら、そうなっちゃいますよね。花丸三部作、たいへん楽しく拝見しましたさて、弊本丸は、次はだれを修行に出そうかな…なんて思う秋の夕暮れ。

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ミュージカル刀剣乱舞「静かの海のパライソ」4DX映画鑑賞

昨年上演されたミュージカル刀剣乱舞「静かの海のパライソ」が4DX映画として公開されたので、さっそく、パライソのペンライトを手に観に行ってきた。 本作では、島原の乱首謀者である「天草四郎」が早々に時間遡行軍に殺害されてしまう。鶴丸国永(岡宮来夢)は、今回の遠征に際し、自分がメンバーを選びたいと主(審神者)に頼んだ。彼が選んだメンバーは、大俱利伽羅(牧島輝)、浦島虎徹(糸川耀士郎)、豊前江(立花裕大)、日向正宗(石橋弘毅)、豊前江(立花裕大)、松井江(笹森裕貴)。松井江は、この時代のこの地にいたことがあり、ある程度の事情を知っているが、浦島虎徹や日向正宗は、島原の乱に関する知識がまったくなかった。とはいえ、松井江も、天草四郎の顔まで知っているわけではなかったので、初動が遅れ、四郎は死んでしまった。この事態に、隊長の鶴丸国永は、ニセモノの天草四郎を仕立て、3万7千人の人を集めて籠城して戦うことを選ぶ。そして、天草四郎役には、自身と浦島と日向の三人を選び、籠城メンバーを集めていく。というのは、浦島と日向は、「天草の乱」をまったく知らないからだ。最初から殺す目的で3万7千人を原城に籠城させるというのは、もはや鬼畜、確信犯の鶴丸国永がやばいこうやって、改めて「…パライソ」を観ると、「…心覚」で、スパーンと太田道灌を斬った豊前江には、この時の鶴丸の覚悟が、しっかりと伝承されてしまったんだな…と感じた。こんな悲しい伝承が続いたらどうなるんだよ、刀ミュ男士… さて、ミュージカル『刀剣乱舞』は2部構成で、ミュージ…

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「特・刀剣乱舞花丸ー月の巻」

アニメ「刀剣乱舞花丸」シリーズの第二弾「月の巻」を見てきた。 「花丸」は、“とある本丸”の花丸な日々を描いた、ほわっとした絵柄が特徴の作品。シリーズを通じてのメインのキャラクターは、沖田組(加州清光&大和守安定)。前回「雪の巻」の最後に加州清光が修行に出たので、現在、加州が不在の本丸。ある日、近侍のへし切長谷部が、刀剣男士のみんなを集め、これから3日間の夏休みになることを伝える。 男士たちは、山や海でさまざまな遊びに興じる。アスレチックス的な遊びに夢中になる短剣たちの可愛さ海で「ヌギマショウ」を連発する千子村正逆に脱ぎたくない水心子正秀。個性が面白い。 休みをくれた主にも楽しかったことが伝わるように…とアルバム作りが提唱される。大和守安定は、ここにいない加州清光にも、この夏休みの思い出が伝わるように、もう一冊アルバムを作ることにする。そして、最後に、水鉄砲を使った陣取りゲームが行われ…いつも可愛い安定が、めちゃくちゃ強さを発揮するのが、にわか沖田組としては、とても楽しかったです。こいつ、マジだぜ…(これは「真剣乱舞債」で鳥越裕貴演じる安定が、「さわげー」と、急に男気むき出しで叫ぶとこが好きだな~ってのに繋がる気がする。単に私の性癖でしょう みんなで作ったスペースで、(作り方も豪快だった!)夏の戸外で食べる晩御飯は格別でしょうね。そして、たっぷり思い出を作った男士たちのもとに、加州清光が帰ってくる再会した安定と清光の姿を見ると、こっちもマスクの下で、顔が緩んで仕方がなかった。ほんと、沖田組尊…

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「特・刀剣乱舞花丸ー雪の巻」

メディアミックスがハンパない「刀剣乱舞」。アニメは、「活劇」と「花丸」の2種類が存在する。「花丸」は、“とある本丸”の花丸な日々を描いた、ほわっとした絵柄が特徴の作品。シリーズを通じてのメインのキャラクターは、沖田組(加州清光&大和守安定)のようだ。近侍は、へし切長谷部が務めているが、加州清光は、新たに顕現した刀剣男士のお世話係のようなポジションについている。大和守安定は、既に修行に行っているが、「花丸」は、内番衣装で過ごすことが多いので、ポニテの安定はちゃんと堪能できた。(←ポニテ安定が好きすぎて、修行になかなか出さなかったヒト)映画なので、ほわほわの花丸を見せるだけでは尺が持たないため、今回は、2つのストーリーが描かれている。一つ目は、山姥切長義の登場と、山姥切国広とのバチバチからのあれこれ。もう一つは、匿名調査土佐のストーリーをもとにした物語。そして、作品の終わりに、加州清光が修行に出ることになる。 「刀剣乱舞」は、“本丸”の数だけ、物語があるので、“とある本丸”は、こんな感じなんだな~と、楽しく鑑賞した。そして、刀ミュでも気になっていた「沖田組」に本格的にはまっていくのだった… 沼はどこにも転がっている…

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