雪組大劇場公演

お正月ぶりに宝塚に行ってきました。 宝塚は、桜が満開。3月末~4月初めに来ることってけっこうあるのだけど、前回はいつだったかな。あ、去年も来てたみたいです(笑)  今回の来宝は、78期生の30周年DSが目的だったけど、それに合わせて、雪組大劇場公演と、花組の別箱公演を効率よく観て回ろうという、慌ただしい旅でございます。 DS以外は一度しか観劇していないけど、いつものように、箇条書き形式で記載していきたいと思います。 お芝居は、石田先生の日本物作品、「夢介千両みやげ」。痛快娯楽時代劇という分野らしい。小田原の庄屋の息子、夢介(彩風咲奈)が、江戸で“通人”になるように言われ、1年間で千両を使ってどう過ごすか…みたいな物語。・通常、この手の話は、金の使い方もわからない田舎者が都会に出てきて、悪い人にお金を取られそうになるが、良い人に助けられて、どうにかこうにか、人生修行をする…みたいな展開になりそうなのだが、この話、全然違う・夢介は、最初から最後まで大物である。むしろ、小田原から江戸まで、登場人物たちに人生修行をさせるために遣わされたのではないかというくらい、人々の人生を救っている。そういう夢介は、彩風のキャラクターによく似合う・そうなると、夢介は何もみやげにしていないのではとも考えられるが、そこは、最高のお嫁さんをお持ち帰りになった…ということでよいのかなこのお嫁さんも、夢介に救われ、人生修行しちゃってるけどね。・ただただ楽しいだけの作品だったが、これまで、貧乏とか反社とかで暗かった雪組な…

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月組大劇場公演

新年早々、月組大劇場公演に行ってきました。 東京は、風も少なく、気候も暖かい日でしたが、途中、米原付近は、まだ雪景色。一瞬、不安になったものの、宝塚も、冬にしては温暖な気候で、安心しました。 行きの新幹線は、ここ2年ほどで最高の混雑。家族連れが多く、皆さん、大荷物。2年ぶりの帰省だったんだなーと、実感。かく言う私も、8月ぶりの大劇場。世間様に比べると、観劇のために県をまたいでいる方だと自覚している私でも、やはり、遠征回数は控えめになっている。 大劇場は、お正月ムードいっぱい。そういえば、三が日に大劇場に行ったなんて、何年ぶりだろうゆうひさん在団中に遡るんじゃないだろうか 入場時に劇場入口で発券してもらうチケット、去年までの組カラーだけのものと違って、トップコンビの画像付きなんですねこれは、ちょっと嬉しい というわけで、月組公演の感想です。いつものように、箇条書き形式で記載していきます。 お芝居は、「今夜、ロマンス劇場で」。綾瀬はるか主演のロマンチックな恋物語の映画作品を、小柳先生が、ミュージカルプレイにリライトした。 ・病院のシーンから始まる、しかも、ナースなどの病院職員がプロ意識欠如している雰囲気などが、石田先生の作品かと思ってしまった…・コロナ下、病院のスタッフさんは、中には宝塚のファンの方もいらっしゃるけど、観劇さえ控えて、お仕事に邁進されていると聞いているのに、その宝塚で、こんな杜撰な場面から始まるなんて、すごく残念・ここのとこ、ずっと、よき作品を連発している小柳先生だっただ…

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ショー「Dream Chacer」感想

スーパー・ファンタジー「Dream Chacer」 作・演出:中村暁作曲・編曲:手島恭子、青木朝子編曲:多田里紗音楽指揮:佐々田愛一郎振付:羽山紀代美、御織ゆみ乃、若央りさ、平澤智、ANJU、百花沙里装置:新宮有紀衣装監修:任田幾英衣装:薄井香菜照明:勝柴次朗音響:加門清邦小道具:西川昌希歌唱指導:彩華千鶴演出助手:谷貴矢舞台進行:安達祥恵 第1章 プロローグ “Dream Chacer”プロローグから、大階段を使った華やかなショー。下弦の三日月型の大きな吊り物が、印象的。全員、白×ベージュ×金の衣装で、娘役は、ミニスカートにブーツ。みんな、サンダーバード風の帽子をつけている。元気のいいショーになりそうな雰囲気。 第2章 情熱(スパニッシュ)カリエンテ(鳳月杏)が歌いながら銀橋を渡る。本舞台では、アレグリア(美園さくら)が、アミーゴ(暁千星)とスパニッシュを踊っている。美園の衣装は、背中が大きく開いたセクシーなものだが、なぜかあまり似合っていないアミーゴは、熱烈にアレグリアに求愛するが、歌い終わったカリエンテが現れると、アレグリアは、カリエンテと踊ることを選ぶ。アレグリアをめぐっての恋のさや当て。やがて、負けたことを悟ったアミーゴが去り、カリエンテはアレグリアと情熱的に踊る。アミーゴがピストルを持って帰ってくると思っていたけど…そういう話ではなかったらしい 第3章 ミロンガピストルを持ってくるわけはなかった。暁はスパニッシュからスーツに着替えて、カンタンテとして下手花道に登場。しれっと、歌…

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雪組大劇場公演

雪組大劇場公演に行ってきました。 朝7時の新幹線で関西へ。関東はものすごい雨だったけど、宝塚は晴れて暑い。晴雨兼用の傘をわずか3時間で本当に兼用してしまった いつもより10分遅い新幹線だったので、劇場に到着すると、ちょうど開場時間。いつものように、友の会カードをスキャンして入場。何度も確認しているけど、実券がないと、実際入場するまで不安ですね。(日頃、日時や会場を間違えているヒト…)劇場で、お友達にも会えたし、(東京で上演される公演のチケット受け渡し。なんで、わざわざムラでやるんだ、私たち…)短い滞在時間だったけど、満喫できた。 お芝居は、「シティハンター」。齋藤吉正先生脚本なので、いろいろ不安を抱えての観劇。以下、恒例により、箇条書きで感想を記載していきたい。 ・情報量多すぎ・香の100tハンマーは随所に登場したものの、例の単語は、すべて「ハッスル」に置き換えられてた。意味は通じるし、あの単語が示す直接的な雰囲気がなくなったことで、宝塚的に成立する作品になり得たと思う・齋藤先生らしく、映像を使ったシーンが多い。オープニングナンバーのところは、開演アナウンスも含め、ものすごくかっこいい特に「雪組の彩風咲奈です」の後に拍手が入るとかいうダサさがまるでなく、バーンっと映像が出た瞬間に拍手が起きるの、すごく自然でかっこいいあ、でも、今回、お披露目公演だから、本当は、今回こそ、そこで拍手入ってよかったかも…なんだけどあと、指揮者への拍手もバッチリ入っていて、本当によき開演アナウンスタイミングでした…

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宝塚月組東京公演「桜嵐記」観劇

ロマン・トラジック「桜嵐記」 作・演出:上田久美子作曲・編曲:青木朝子、高橋恵音楽指揮:佐々田愛一郎振付:若央りさ、麻咲梨乃殺陣:栗原直樹装置:新宮有紀衣装監修:任田幾英衣装:薄井香菜照明:勝柴次朗音響:実吉英一小道具:下農直幸演技指導:立ともみ所作指導:花柳寿楽歌唱指導:ちあきしん演出助手:熊倉飛鳥舞台進行:安達祥恵 珠城りょう・美園さくらコンビのサヨナラ公演。大劇場で、置いて行かれたまま、東京公演でも、悲劇に没入できずにいる。原因は、おそらく、SNSに流れる「号泣した」感想の数々。それでハードルが自然に上がってしまった。勝手に、ものすごい悲劇を想像して、そのわりに、納得性の低い展開だったので、白けてしまったんだろうと思う。もちろん、納得性の高い悲劇にしなかったところに、上田先生の深いこだわりがあるのだろう…とは思いつつ。人は、(特にサヨナラの時は)うまく騙されて号泣したい贅沢な生き物なのですよ。 幕が上がると、この時点では正体を隠した、壮年の楠木正儀(光月るう)が登場する。そして、客席に向かって、「南北朝をご存じですか?」と呼びかける。そして、ものすごく雑に南北朝時代というものについて解説を始める。武士政権の腐敗、楠木正成(輝月ゆうま)の登場と鎌倉幕府の滅亡、後醍醐天皇による建武の新政の失敗(武士を排除して公家だけで政治を行おうとしたため)…でもさ、倒幕は、足利高氏(のちの尊氏)なくしては成しえなかったはずなのに、そこ外して、正成ですかとは思う。主人公の父親である楠木正成の活躍を強調した…

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宝塚星組舞浜特別公演「VERDAD!!」

REY'S Special Show Time「VERDAD!!ー真実の音ー」 作・演出:藤井大介作曲・編曲:吉田優子、青木朝子、手島恭子編曲:伊賀美樹子振付:羽山紀代美、平澤智、SHUN、ASUKA、百花沙里、珠洲春希装置:新宮由紀衣装:加藤真美照明:佐渡孝治音響:大坪正仁小道具:福澤和宣映像:桜葉銀次郎(O-beron inc.)歌唱指導:KIKO演出助手:栗田優香舞台進行:香取克英舞台美術製作:株式会社宝塚舞台演奏コーディネート:新音楽協会制作:竹内淳制作補:福島功二制作・著作:宝塚歌劇団主催:阪急電鉄株式会社映像協力:パナソニックシステムソリューションズジャパン株式会社、株式会社エイド・ディーシーシーメイク協力:M・A・C この公演のタイトル、「VERDAD!!ー真実の音ー」は、礼真琴の歌声そのものなのでは…と思いながら、席に着いた。舞浜でのコンサートは、明日海りおが主演した「Delight Holiday」以来2年半ぶり。あの時は、イクスピアリ(舞浜駅前のショッピングモール)の中も超歓迎ムードで、あちこちにポスターを貼りまくっていたが、今回は、終演後、駅方向に向かう客は、外周道路に流すようになっていて、イクスピアリはおすすめルートになっていなかった。(それでも、イクスピアリ方向に向かうと、アンバサダーホテルの中庭で、イクスピアリ入場のための列ができていた。イクスピアリ入場前の検温の関係で、一列になって入らなければならないためらしい。)2年半ぶりの千葉での公演なのに、100%歓迎ムード…

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ショー「Cool Beast!!」感想

パッショネイト・ファンタジー「Cool Beast!!」 作・演出:藤井大介作曲・編曲:青木朝子、手島恭子指揮:塩田明弘振付:羽山紀代美、御織ゆみ乃、若央りさ、平澤智、百花沙里装置:新宮有紀衣装:加藤真美照明:佐渡孝治音響:大坪正仁小道具:加藤侑子歌唱指導:彩華千鶴演出助手:樫畑亜依子舞台進行:出合史奈 S序 イニチム・ソムニアー夢の始まりー上手スッポンから凪七瑠海が登場して歌い、下手スッポンから美穂圭子が登場して和す。今回のショーは、この専科の二人が語り部というか、歌手として物語を紡いでいく。 S1 トレス・ソムニアー3つの夢ー野獣ベスティア(柚香光)、艶花フローレス(華優希)、優人エストーム(瀬戸かずや)が舞台上に現れ、歌う。この三人は、通し役扱いになっている。柚香は赤、華は紫、瀬戸は青をテーマカラーにしていて、衣装は変わっても色のテイストは変わらない。 S2~4 フェロクス・ノクテー激しい夜ー大地の獣たちが踊りだす。リーダー格は、フォルティス(水美舞斗)。そこから、プロローグの総踊りになっていく。ここは娘役の衣装が、とてもよかった。かなりハイレグなのだが、ドレスのスカート部分がそれを綺麗に隠して、セクシーなんだけどいやらしくない。また、花娘たちのスカート捌きが最高なのだ加藤真美さん、ありがとう S5 テラ・インコニター愛の目覚めー美穂の語る(歌)、ある愛の物語。野獣ベスティア(柚香)は、美しい川のほとりで、艶花フローレス(華)に恋をした。驚き、恐れながらも、恋に身をゆだねるフローレ…

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月組大劇場公演

千秋楽前にようやく月組大劇場公演を観劇。東京も大阪も雨だったが、宝塚に着くと、傘をさすほどではなく、そのまま傘なしで大劇場まで歩いた。花の道は、紫陽花が満開だった。写真は、別記事でたっぷりとお見せしたい。前回(4月初旬)は、整理券もなくキャトル・レーヴに入れたが、今回は、キャトルの整理券を待つ列が長く伸びていた。 お芝居は、上田久美子先生「桜嵐記」、ショーは、中村暁先生「Dream Chaser」。恒例により、箇条書きで感想を書いていきたい。・お芝居については、評判も良く、泣けると聞いていたので、泣く気満々で席についたのだが、冒頭の組長による解説場面がざっくりしすぎていて、却っていろいろな場面で混乱し、泣くどころではなかった。泣くためには、東京公演までに色々調べなきゃ…だな、と思った。(気になるところがあると、感情移入できないめんどくさい人)・主人公の行動原理もいまいち、よくわからない。楠木正行は、オクタヴィアスと違って「行動する人」「自分で決める人」だから、「受け」の芝居で主人公感を出すわけにはいかない。よく考えると、こっちの方がハードルが高いのね。誰もが納得し、支持する行動原理って難しい(だから、宝塚では、人々に祭り上げられる主人公が多いのか…)そして、その行動原理が「大きな流れ」っていうのも、ピンとこない。「忠義」じゃダメなのかしら三島由紀夫「豊饒の海」に出てくる、日本固有の「忠義」というのが、私には理解しやすかった。つまり、相手の(この場合は、後村上天皇)命令に納得がいかなくても、それじ…

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宝塚花組東京公演「アウグストゥス」観劇

ドラマ・ヒストリ「アウグストゥスー尊厳ある者ー」 作・演出:田渕大輔作曲・編曲:青木朝子編曲:植田浩徳、多田里紗指揮:塩田明弘振付:御織ゆみ乃、桜木涼介、KAORIalive擬闘:栗原直樹装置:大橋泰弘衣装:有村淳照明:佐渡孝治音響:大坪正仁小道具:太田遼映像:溝上水緒歌唱指導:飯田純子演出助手:竹田悠一郎舞台進行:出合史奈 今回の花組公演、トップ娘役の華優希と、2番手男役の瀬戸かずやが同時退団する公演となっている。トップスターのサヨナラ公演ともなると、サヨナラ仕様のドラマが作られたりするが、トップとともに作品の主軸を担ってきたトップ娘役とか、2番手スターとかのサヨナラは、特に配慮されていると思えない。もちろん、トップスターと違って、退団時期をだいぶ前から調整したりはしないので、「作品が決まってしまっている」のが現実なのだろうとは思う。が、作品は決まっていても、脚本とか演出とかでいくらでも手当はできるんじゃないだろうかそういう意味で、禍根を残しそうな作品だということは、まず言っておきたい。 古代ローマ帝国最初の皇帝となるオクタヴィウスの若き時代から、皇帝(実際には、“尊厳ある者”という意味の“アウグストゥス”と呼ばれる)に即位するまでを描いた物語で、トップ娘役の華は、三頭政治を司った一人、ポンペイウスの娘のポンペイアを演じるが、この役は、オクタヴィウスと恋愛に至る関係ではなく、そういう意味では、新しいトップ娘役としての在り方を示した作品になったかもしれない。だったらもう少し出番はほしかったけ…

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宝塚星組東京公演「ロミオとジュリエット」観劇

三井住友VISAカードミュージカル「ロミオとジュリエット」 原作:ウィリアム・シェイクスピア作:ジェラール・プレスギュルヴィック潤色・演出:小池修一郎演出:稲葉太地音楽監督・編曲:太田健編曲:青木朝子録音音楽指揮:橋本和則振付:御織ゆみ乃、KAZUMI-BOY、桜木涼介、KAORIalive、鈴懸三由岐装置:大橋泰弘衣装:有村淳照明:笠原俊幸音響:大坪正仁サウンドプログラマー:上田秀夫小道具:北垣綾歌唱指導:ちあきしん、KIKO演出補:野口幸作演出助手:中村真央装置補:稲生英介舞台進行:中島瑞紀舞台美術製作:株式会社宝塚舞台録音演奏:宝塚歌劇オーケストラ、宝塚ニューサウンズ制作:竹内淳制作補:福島功二制作・著作:宝塚歌劇団主催:阪急電鉄株式会社特別協賛:VJAグループ 4月16日から始まった東京公演、しかし、26日から5月10日まで、緊急事態宣言により、公演が中止、生で観劇できなくなってしまった方も多かったと思う。私は、幸運にも、休演の直前と直後のチケットを持っていたため、B日程もA日程も観劇することができた。両日程とも出演者を減らしての公演、そして、役替わり…出演者の皆様、本当にお疲れ様です もう、何度も再演されている作品であるし、演出も基本的には変更がないので、さっそく出演者感想に行きたい。衣装など、変更になった部分についても、そちらで記載することとする。なお、役名は、Wキャスト分については、(A/B)の順で記載。 礼真琴(ロミオ)…11年前、研2の礼真琴演じる「愛」に恋をした。こんな…

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