月組全国ツアー初日観劇!

月組新トップコンビプレお披露目の全国ツアー公演初日、観劇することができました 作品は、柴田侑宏先生の名作「琥珀色の雨にぬれて」と、リメイクされた「Grande TAKARAZUKA110!」。大好きなちなつちゃんのプレお披露目ということで、かなりヤバ目のテンションで着席。でも、さすがベテランさんなので、お芝居、ショーともに危なげなく、安定の滑り出しでしたご挨拶もWカーテンコール分までは用意されていたようで、こちらも安定のご挨拶。3回目で、わらわら立ち上がったお客さんが、一度着席しようとしているのを見つけ、「せっかく立ってくださったのに…」と気遣いを見せるあたり、本当に落ち着いて全体が見えているんだな~と感心と思ったら、“考えていなかった”トリプルカーテンコールのご挨拶が、かなり面白かった。(琥珀色の雨…だから、関東で豪雨になってしまって…みたいな)終演後、長年応援してきたお友達にも会え、おめでとうを伝えることができました 終演後は、一人でスパークリングワインで乾杯 ずいぶん長いこと、「琥珀色の雨にぬれて」という作品を観てきたが、大好きな人が演じると、急に解像度が上がるんだな~クロードの生き方は、とても不器用で、人間くさくて愛しい。シャロンのような生き方、あの時代の女性は覚悟を持たなければできなかっただろうし、その心意気はかっこいい。ルイってクロードの真逆のところにいる人だと思っていたけど、実は同じような身の処し方をしている。そして、フランソワーズ、あなたは何も悪くない…丁寧に丁寧にそ…

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宝塚星組「RRR/VIOLETORIA」観劇

「RRR×TAKARAZUKA~ルートビーム~」Based on SS Rajamouli's 'RRR'. 脚本・演出:谷貴矢作曲・編曲:太田健、高橋恵音楽指揮:笹田愛一郎オリジナル振付:Prem Rakshith振付:御織ゆみ乃、若央りさ、KAORIalive殺陣:清家三彦装置:國包洋子衣装:加藤真美照明:笠原俊幸音響:秀島正一映像:溝上水緒小道具:福井良安歌唱指導:堂ノ脇恭子演出助手:竹田悠一郎衣装補:薄井香菜舞台進行:陳京雅 有名なインド映画「RRR」を1時間半に凝縮して宝塚歌劇の舞台に上げる…なかなかハードな宿題を谷先生が見事に成し遂げてしまった。 大英帝国傘下のインド。この時代の英国貴族の傍若無人ぶりは、「憂国のモリアーティ」を想起させる。本作のインド総督、スコットも相当ひどいヤツで、今回もオレキザキこと輝咲玲央がいい味を出している。その妻、キャサリン(小桜ほのか)も慈愛に満ちた笑顔の奥で、かなり鬼畜。今日も気まぐれに気に入った現地の娘、マッリ(瑠璃花夏)を少々の小銭で村から連れ出そうとする。驚いた母親が抗議して、殺されようと(弾がもったいないので撃つことだけは止められたが)顔色一つ変えない。こんな風に、英国貴族以外人間と思っていない貴族が各媒体で続出しているのだが、これはマジでマジなのだろうか。(産業革命以降、貴族だけでなくブルジョア層も相当酷い人間が描写されているし、ロンドンの貧民の生活の酷さは資料も残っているが、人間としてあまりに酷くて、信じたくない…)こうして不当にも拉致…

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ショー「FROZEN HOLIDAY」感想

Winter Spectacular 「FROZEN HOLIDAY」ーSnow Troupe 100th Anniversaryー 作・演出:野口幸作作曲・編曲:青木朝子、手島恭子、甲斐正人、斉藤恒芳、小澤時史作曲:フランク・ワイルドホーン音楽指揮:御崎惠振付:若央りさ、麻咲梨乃、鈴懸三由岐、三井聡、森優貴装置監修:大橋泰弘装置:木戸真梨乃衣装:加藤真美照明:勝柴次朗音響:大坪正仁映像:九頭竜ちあき小道具:山中悠生歌唱指導:ちあきしん演出助手:力石明衣装補:大津美希舞台進行:片桐喜芳 2024年、雪組が100周年というこっとで、記念のショーという位置づけらしい。冒頭、雪の秘境に我々が連れていかれるような映像から、99⇒100周年のお祝いのクリスマス前のフローズンホテルが現れ、そこからショーが始まる。作品はショー作品なのだが、主な登場人物は、通し役になっている。ホテルの支配人FESTIVE=彩風咲奈、AYA=夢白あや、サンタクロース=朝美絢、神父=和希そら、DJ=縣千、日本の伝統文化の人々=諏訪さき、野々花ひまり、眞ノ宮るい、咲城けい。プログラムに記載はないが、AYAは同じく100周年を迎える宝塚からやって来たという紹介をされる。伝統文化っぽい人々は、連獅子と曽我五郎・十郎という設定なので、歌舞伎なのかもしれない。世界中から…というわりに範囲が狭いし、日本に偏りすぎで、このプロローグの終盤辺りで、既にFESTIVEはAYAにモーションをかけている。100周年のお祝いの大切な時に、ホテルの支配人…

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宝塚雪組東京公演「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル」観劇

Happy "New" Musical「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル」 作・演出:生田大和作曲・編曲:斉藤恒芳編曲:伊賀美樹子音楽指揮:小津準策振付:御織ゆみ乃、平澤智擬闘:清家三彦装置:國包洋子衣装:加藤真美照明:高見和義音響:秀島正一映像:西田淳小道具:太田透歌唱指導:高津敦子演出助手:菅谷元衣装補:薄井香菜舞台進行:片桐喜芳 名探偵シャーロック・ホームズ生みの親、コナン・ドイルの人生を描いたハッピーミュージカル。先日、月組のバウホール公演の配信を観た時、そういえば、実在の人物の人生を描いた物語の宝庫だな、宝塚…と思った。ファン的に考えれば、原作付作品同様、観劇前に下調べもできるし、出演者も台本に書かれていること以外にも調べるものがあるので、演技のプランが作りやすいし…と、よいことがいっぱいあるんだろうな、と思う。人一人の人生だから、切り取り方によって、過去に取り上げられたもの以外のアプローチもできるので、過去作で取り上げられたのと同じ人物を取り上げることもできる。そして、かなり史実とかけ離れていても、誠実に作り上げられた舞台でありさえすれば、そのまま受け取って楽しんでくれる固定の観客がいる。たぶん、これは、外部の商業演劇では通用しない公演なんだと思うし、そういうオリジナル作品が宝塚歌劇の重要なレパートリーなんだな~などと改めて感じる観劇だった。 そんなハッピーミュージカルの本作、同時代の英国を扱った「Victorian Jazz」をついつい思い出してしまうが、私は、「Vi…

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宝塚月組梅田芸術劇場特別公演「G.O.A.T」

Grand concert「G.O.A.T」~Greatest Of All Time~ 監修・演出:石田昌也構成・演出・振付:三井聡作曲・編曲:手島恭子、太田健、高橋恵、麻吉文振付:御織ゆみ乃、原田薫、Seishiro装置:木戸真梨乃衣装:有村淳照明:柏倉淳一音響:大坪正仁映像:栗山聡之小道具:加藤侑子歌唱指導:堂ノ脇恭子イリュージョン:北見伸演出助手:雑賀ヒカル舞台進行:阪田健嗣舞台美術製作:株式会社宝塚舞台演奏コーディネート:新音楽協会制作:真加部隼制作補:野田良昭制作・著作:宝塚歌劇団主催:株式会社梅田芸術劇場 ちけぴがお友達になってくれたので、今年初めての宝塚観劇は、大阪になった。退団を控えた月城かなとを中心とする月組のコンサートは2時間ノンストップ、充実した時間だった。 冒頭、映像からスタートしたのは、令和の時代のお約束…かもしれない。もう誰も驚かないが、舞台上の月城とその日の観客達が一緒に入った写真をスクリーンに見せるところから始まるのは、素敵なアイデアだな~と思った。よくファンミなどで一体感を高める演出に使われるが、最初から一体感がハンパなかった。 S1では、月城かなとの代表作を一挙紹介。「ダル・レークの恋」「ブラック・ジャック」「今夜、ロマンス劇場で」など、月組でのヒット作だけでなく、「銀二貫」「るろうに剣心」など雪組時代の作品も登場。過去作品の登場人物のパレードになって、超豪華もう少し長くやってもいいのに、その辺が月城の謙虚さということだろうか。 鳳月のハンサムガイを海…

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今後の大劇場公演とタカラヅカスペシャル

今後の宝塚大劇場公演ならびに『タカラヅカスペシャル2023』について 2023.10.20 宝塚大劇場公演につきましては、10月22日(日)までの公演を中止し、外部の弁護士の方々による調査チームにおいて関係者へのヒアリング等を行っておりますが、調査にはまだ相応の時間を要する状況です。 宝塚歌劇団といたしましては、調査チームからの報告を踏まえて、生徒が安心して宝塚大劇場の舞台に立ち、お客様にご観劇いただける環境が整うまでは、公演の再開は難しい状況と考えております。 そのため、宙組宝塚大劇場公演につきましては、残りの全日程を中止とさせていただきます。 また、雪組宝塚大劇場公演につきましては、生徒の心身のコンディションを最優先に対応させていただいており、11月23日(木・祝)までの公演を中止とさせていただきます。 公演中止期間が長期間となり、ご心配、ご迷惑をおかけいたしますこと、改めてお詫び申し上げます。 なお、11月24日(金)以降の公演実施につきましては、11月17日(金)中にご案内させていただきます。 また、『タカラヅカスペシャル2023』につきましては、宝塚大劇場での公演を安全に再開する体制を整え、各組で予定されている公演を着実に実施していくことに注力するため、今回の開催を見送ることといたしました。2019年以来4年ぶりの開催を心待ちにされていたお客様には大変申し訳なく、心よりお詫び申し上げますとともにご理解賜りますようお願い申し上げます。    【中止対象公演】 ・宙組 宝塚大劇場…

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月組大劇場公演

6月以来のムラですが、大劇場は、3月以来ですね。 今回観劇したのは、月公演「フリューゲルー君がくれた翼」と「万華鏡百景色」の2公演。友の会が珍しくSS席を当ててくれたので、ありがたく観劇させていただきました。 ということで、いつものように、箇条書き形式で感想を記載していきたいと思います。まずは「フリューゲル」。・これは…これは…「国境のない地図」なのでは・母と息子が西と東に引き離される展開からの…東西を超えた男女の出会いが描かれ、最後に壁が壊される…と・銃を突きつけられた神父(夢奈瑠音)が「第九」を歌い始める設定は、まさにあの日の美々杏里さん…・なのに、あの日の千珠晄さんのように「壁を崩そう」が出てこないで、ちなつちゃんはご自害…・あれ、でも、なんか既視感あるな、これ…と思ったら、ここだけ「紫禁城の落日」だったかもしれない。(麻路さきさんの役)・そして、やはり母ものとして終わる…と・ちょっと気になったのは、大劇場もの2作連続で、トップコンビのどっぷり恋愛ものではなかった点。宝塚も恋愛至上主義じゃなくなってきているのかもしれないが、それが続くと、それはそれで気になるものだ ショーは、栗田先生の大劇場デビュー作。・上田久美子氏がショー作品を手掛けた時も、ストーリーショーだったが、女性演出家の方が、理屈っぽいのかな・芥川龍之介の「地獄変」を舞台化したシーンは、ラストで縊れ死んだ良秀が呟く「地獄だ」から、次景冒頭の「りんごの歌」へ繋ぐことにより、「地獄変」の炎が、東京大空襲に重なる。東京が歩んできた…

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宝塚星組東京新人公演「1789」ライブ配信

宝塚歌劇星組公演「1789」の新人公演をライブ配信で観劇した。お気に入りの娘役さん、詩ちづるちゃんのヒロイン、オランプを楽しみにしていたが、期待通りで、よき新公。大作で、しかも、東京のみの開催ということで、星組若手のみなさんも大変だったと思うが、力演が心地よかった。久々に本公演を知らずに新人公演を観たため、しかも、妙に作品自体は知っているため、変な先入観があったりするかも…だが、一応、備忘としての感想を残しておく。 初演と違って、時系列に進んでいくのね…あっちの方がインパクトがあったけど、まあ、いろいろあるのでしょう。 主人公・ロナン役は、稀惺かずと。美しい。カンパニーを引っ張る強い力。初主演で、大劇場新公が中止になってしまった一本勝負の主役というプレッシャーの中、熱い男・ロナンを体当たりで演じていて清々しかった。ヒロイン・オランプ役、詩ちづる。可愛い。芯の強いヒロインが似合う。このまま、いい感じに育って行ってほしい。歌も安定していた二人は同期なのね。しっかり支えあっていて、よい同期コンビでした。マリー・アントワネット役は、瑠璃花夏。しょっぱなの見せ場がカットになってしまったので、逢引の場面からの登場。なので、「なんだこのバカ女は…」という感覚が抜けなかった。残念すぎる。フェルゼンを詰る言葉の声質に注意するだけで、ずいぶん違ってくるのだが…。ラストの歌は、しっかり見せ場になっていた。あとの役は、集団劇の要素が強くて、個々の若手のファンだったらその良さに気がついたと思うが、「全体のエネルギーに調…

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鳳月杏DS「Gemini」

宝塚月組・鳳月杏DS「Gemini」に参加してきました 宝塚ホテルでのDSということで、久々に関西へ。曇り空の宝塚駅前では、ベルサイユのばらが咲いていました。 ベルサイユのばら。 王妃アントワネット。 フェルゼン伯爵。(たぶん、色的にそうだと思います。)宝塚の街はひっそりとしていました。大劇場公演が行われていないって、こういうことなんですね。  ドキドキしてきました。てか、前日から興奮してあまり寝てないです、正直。 どきどきした上に、頭がクラクラしてきました。 こちらは、今回のDSに因んだスペシャルカクテル。ノンアルコールカクテルの「Pollux(ポルックス)」です。DSタイトルにかけて、スペシャルカクテルは、カストルとポルックスでした(よーく考えてみれば、宝塚ファン、双子座といえば、カストルとポルックスだと、ほぼ全員知っているのって、すごいですよね。) オードブルは、「オマール海老と鮪のプレッセ 彩のサラダとブロッコリーのピューレ添え」。宝塚ホテルでも、久々に、お料理も一品ごとの盛り付けになったようで、お皿に気合が感じられます。もちろん、出席者間のアクリル板設置や、お土産のアルコールスプレーもなく、今回は一人参加でしたが、同じテーブルの方と和気藹々お話ししながら、お食事できました。プレッセは視覚に訴えるためか、中身が大きめで、違う食感の食材が寄せられているので、味わいを確かめながら食べるのが楽しかったです。ちょっとカットが難しいのですが。最近、サラダは…

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宙組大劇場公演

わりと桜の季節に宝塚に行くことが多い気がします。昨年も行きましたね 花の道の桜は、こんな感じでした さて、今回観劇したのは、宙組公演「カジノ・ロワイヤル~我が名はボンド~」、宙組トップコンビ、真風涼帆&潤花のサヨナラ公演であり、作・演出は、巨匠小池修一郎先生友の会が珍しくお友達になってくれたチケットで、ありがたく観劇させていただきました。というわけで、いつものように、箇条書き形式で感想を記載していきたいと思います。 ・冒頭、007ミリシラの宝塚ファンに向けて、時代背景、SPYの仕事、各国の情報機関の名前…など真風ボンドの丁寧な解説が入る。さすが、親切設計の宝塚・舞台は1968年のヨーロッパ。ってことは、すごく近くで「プラハの春」(2002年星組)が繰り広げられていたんだろうな・「憂国のモリアーティ」好きとしては、「憂国…」のキャラクターの一人であるジェームス・ボンドをついつい思い出してしまう。(「憂国…」では、進退窮まったアイリーン・アドラーが女であることを捨ててジェームス・ボンドとしてモリアーティ陣営に加わる。長男のアルバートは、MI6のトップ“M”でもあるため、MI6の仕事の一部にモリアーティプランが紛れ込まされている。)マネーペニーちゃんも出てくるしね(むしろ、マネーペニーが007のキャラクターだったことを今回初めて知った)・潤花の絶対領域が最強・男性側の登場人物がキャラクターとして誰もかっこよくないんですけど…(もちろん男役としてはかっこいいですよ、みなさん)・そんな中で、唯一、私の…

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