シーラッハ原作「TABU」観劇

「TABU タブー―シーラッハ「禁忌」よりー」原作:フェルディナンド・フォン・シーラッハ原作翻訳:酒寄進一上演台本:木内宏昌演出:深作健太美術:土岐研一照明:倉本泰史音響:長野朋美映像:石田肇衣裳:西原梨恵ヘアメイク:中原雅子演出助手:須藤黄英舞台監督:林和宏美術助手:小野まりの3月に『死と乙女』を観劇し、心身ともに疲弊した状態だったので、その時点で次回作は主演ではないということに、単純にホッとした。毎回アレをやられたら、堪らん…という気分からだったが、初めての脇役で選んだ作品が、『禁忌』の初舞台化作品。で、事前に原作を読んで、げんなりした。そうだった!祐飛さんと私は趣味が合わない…お茶会とかでおススメされたものは、だいたいチェックしていたけど、コントレックス飲めなかった事件に始まり、好きな小説とかも、私には理解できず…祐飛さんの演じる舞台は文句なく大好きなのに、不思議なものだ…と思っていたのだった…!そういうわけで、原作のストーリー好きじゃないし、ソフィアさんも好きじゃないしなーという、わりと低めのテンションで劇場に向かったのでした。初日最大の不安は、「まさか、勢いよくヌードはないよね…?」原作では、ゼバスチャン・フォン・エッシュブルク(原作本では、ゼバスティアン表記になっているが、舞台では、ゼバスチャンと呼ばれていたので、この表記に統一させていただく)の半生が長々と描かれた上で、後半、突然事件が起き、検事のモニカ・ランダウが登場、そこで被告に対する拷問があったかのような描写があったところで、シ…

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TABU大千秋楽

本日19時から仙台の電力ホールにて「TABU」大千秋楽。 真田くんの涙に心洗われるような、そんな夜でした。 ゆうひさんは今日も大人可愛かったです。 次は、トーク&ライブですね。

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夏至祭

使徒が襲来する日が現実に訪れるとは…鉄腕アトムが生まれてしまって以来のショックだわ2015年6月22日は、使徒が第3新東京市に襲来する日だけど、現実は、夏至で、そして、梅雨なのに、とてもお天気な一日だったので、夜7時を過ぎても外はとても明るかった。そして、毎年、6月22日は、祐飛さんのお誕生日もう卒業してしまったから、漢字で書いてもいいと思うが、祐飛さんの本名は陽子。石田先生が「ファンキー・サンシャイン」というタイトルを付けてくれたのは、まさに、祐飛さんの本名に由来する。“陽気な陽光”なんとなく、私の中では、昔から「6月22日が夏至」というのが刷り込まれているのだが、実は、夏至も春分の日と同じく、移動している。ここ最近は、なんと4年に1回しか「6月22日が夏至」ではないのだ圧倒的に夏至は6月21日が多い。刷り込みって怖いわもう卒業してしまったから、こちらも書いていいと思うが、1974年6月22日は、ちゃんと夏至でした

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「TABU」東京千秋楽

祐飛さんにとって、ターニングポイントになるかもしれない、そんな予感をさせる「TABU」の東京公演が終わりました。まだ、これから兵庫をはじめ全国へ行く公演なので、ネタバレは厳禁ですが、祐飛さん演じるソフィアのビジュアルは、ポスター写真とは全然違います。で、そのポスター写真のビジュアル、衣裳の雰囲気は、モニカ・ランダウ検事に似ていて、アシンメトリー風な髪形はセーニャ・フィンクスに似ているのです。当初のポスターには3人しか載っていなかったので、祐飛さんは、重要なキャラクターの女性すべてを一人で表現して見せたのでしょうか?なかなか、興味深いです。全国で公演をお待ちの皆様、この不思議な世界、一緒に迷い込みましょう衣装のネタバレを少し…読んでもいいかなという方だけ、下の「ソフィアのインナー」よりお入りください。

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「TABU」トークショー

「TABU」東京公演トークショー、土曜と日曜、両方とも見たので、備忘録として、軽くメモを残しておきたい。まず、土曜日は、原作者のシーラッハ氏をお迎えしてのトークショー。原作本の翻訳者でもあるドイツ文学者の酒寄先生とビーグラーを演じた橋爪さんも参加。シーラッハ氏は、これまでに日本でたくさんの著書が発売されているにもかかわらず、今回が初来日なんだとか。というのも、ヘビースモーカーのシーラッハ氏、ドイツから日本に来る間、タバコが吸えないなんて…というのが、これまで、出版元がいくらお願いしても来日してくれなかった理由。今回の舞台は、なんとかシーラッハ氏を来日させたいという関係者の“仕込み”の面もあった…かもというわけで、今回、初対面の橋爪さんとは、喫煙所で仲良くなられたようです。酒寄先生は、シーラッハ氏に日本を楽しんでもらおうと、お寿司屋さんに連れて行ったとか。そこは、おいしいけれど、カウンターに5人しか座れないお店。しかし、ほかの2組のお客さんがどちらもドイツにゆかりのある方で、見ず知らずのお客さんとドイツネタで盛り上がったんだとか。ドイツ文学というのは、壮大で、堅くて、修飾語が多くて、ひとつの文が長い。しかし、シーラッハ文学は、短文で、説明過多なところがなく、とても珍しいのだそうだ。そんなシーラッハさん、実は、ゼバスチャンのように、文字に色が見える「共感覚者」とのこと。小説のアイデアは、実在の事件が多いが(シーラッハ氏自身が現役の弁護士)、「あの事件を参考にした」と関係者に思われないように、職場のスタ…

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22歳ですかっ!

7日は、演出の深作健太さん、主演の真田佑馬さん、そして、祐飛さんの三人によるトークショーが開催された。初対面の時、自分から話しかけて緊張を和らげてあげようとしたにもかかわらず、「大空さん、怖い…」と真田くんに思われていた、という爆笑エピソードも聞かせてもらった。(第一印象が悪いのは、今に始まったことではないものの、今回は、かなり優しく接したにもかかわらず…)まだまだ脱・怖い!への道は遠いようです。いいんです、第一印象悪い方が、その後は、印象ですから…さて、そんな真田くん、まだ22歳なんだそうです恋人役なのに、なんと実年齢は、ダブルスコア近いのか…いやいや、それでこそ、女優、それでこそ、年齢不詳の大空祐飛ですでもね…22歳ということは…真田くんが生まれた時、祐飛さんは、既にプロだったのね

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舞台上のソフィア

ソフィアとは、どんな女性か原作を読んだ感じでは、あまり共感できない人だった。ヨーロッパを股にかける、バリバリのキャリアウーマン。フリーランスで仕事をしているのかな大手電力会社が最大のクライアントらしい。(一度読んでポイッと放り投げたので、確認できない)ゼバスチャン(原作では、ゼバスティアンと書かれているが、舞台ではゼバスチャンと呼んでいるので、以後、この呼称に統一する)とは、その電力会社の新しい宣伝写真の撮影をお願いしにやって来て出会った。彼の写真が気に入ったらしい。初対面で、ゼバスチャンはソフィアに何かを感じ、モデルを依頼する。今、そのままの服装で、という依頼だったのに、彼女は突然、席を外し、ヌードになって登場するで、次に会った時、車で移動中に激しい雨に遭い、しばらく車を停めている間に、言葉もなくゼバスチャンのジーンズのジッパーに手を掛け、そのまま車の中でコトにおよぶ周囲に人が居ることに気づきながら…。ゼバスチャンは社会性ゼロの青年なので、電力会社の仕事を撮影当日、モデルが来ている状態でドタキャン。にもかかわらず、ご立腹になることもなく、ゼバスチャンとの関係は続く(電力会社とのその後の関係が心配になる)ちなみに、さすがにこのエピソードは舞台では変えられ、最初からゼバスチャンはCM撮影はもうやらないと言っていた。ヨーロッパ各地をデートして回り、「子供、ほしくない?」と、突然拘束モードに入り、「早すぎたわね」と訂正してみたり。これもまた肉食の変化形かしらまた、「マハと男たち」という作品のプロデュース…

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「TABU」初日

禁忌作者: フェルディナント・フォン・シーラッハ出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2015/01/10メディア: 単行本本日、初日。かなり劇化するのが難しそうな小説を、上手に芝居にしていたなーという印象。祐飛さんのソフィアはお化粧の感じがすごく違っている。小説を読んだイメージのキャリアウーマンではなく、女性らしい人という雰囲気。今後、検証していきたいが、超共感力のあるニュータイプの女性なのかもしれない。ゼバスチャンと出会う場面の小説ではヌードになるところは、ベージュの下着姿になるだけだった25%OFF(ワコール)Wacoal Simply シンプリー カップ付ベアトップ ランジェリー スリップショップ: 京都発インナーショップ白鳩価格: 4,617 円たぶんこんな感じ終演後、「肩が…」と震えるファンの皆さんでした

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「死と乙女」感想 その8

その7はこちらです。 平和な週末のコテージを騒がせた珍客が、実は、15年前、この家の主婦、ポーリナ(大空祐飛)を拷問した秘密警察の医者だった!ポーリナは、その事実を、弁護士である夫のジェラルドー(豊原功補)にも認めさせ、その男、ミランダ(風間杜夫)を断罪する。銃を構えたポーリナの絶叫で幕は下りるが、銃が発射されたかどうかはわからない、という構成。さて、幕が下りる直前までは、上手にポーリナ、下手にミランダという構図だったのが、二人はじりじりと動き、最終的にポーリナが舞台中央の奥側でこちらを向いて、ミランダは客席に背を向けてその少し下手側でポーリナに正対していた。波の音が大きくなり、銃声ともとれるような大きな波音が聞こえた時、ミランダはスローモーションでのけぞるような姿勢になり、そのまま幕が下りた。ただ、ポーリナは、銃を構えたままで、その銃に反動が伝わるような動作はなかった。波音が高まり、一瞬の静寂。初日はここで芝居が終わったと思った。が、あまりに衝撃的な内容に、拍手をする余裕がなかった。と、どこからともなく、ジェラルドーの声がした。客席を見渡すと、すぐそこにタキシード姿の豊原さんが立っていた。彼は一人で話している。誰かに話しかけられ、応じているという体らしい。その内容から、これは、前の場から数カ月後、ジェラルドーが無事査問委員会の仕事を終えた後の場面ということがだんだんわかってくる。彼はひとつのエピソードを語る。それは、査問委員会の初日のこと。14年間夫を捜し続けている老婦人が、「おかけください」と…

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「死と乙女」感想 その7

その6はこちらです。夫、ジェラルドー(豊原功補)の客人、ミランダ氏(風間杜夫)が、かつて自分を拷問した男であると確信したポーリナ(大空祐飛)は、彼を拘束し、真実を告白させようとしている。ミランダに告白を迫ったジェラルドーは、何を告白すればいいかわからないと嘯く彼の為に、告白の内容をポーリナ自身から聞き出そうと、彼女をテラスに連れ出した。ジェラルドーの捨身の努力によって、ポーリナは過去の体験を語り始めることになった。レコーダーのスイッチが押された後、促されてポーリナは、自分の名前から話をスタートする。それは、まるで、査問委員会の場に出廷したかのように…。「私の名前はポーリナ・サラスです。今は、ジェラルドー・エスコバルの妻ですが、当時は独身でした。あの日…1975年4月2日…」ジェラルドーは、ポーリナの証言に、「もっと詳しく」とか、助言をしながら話を続けさせる。午後2時15分に通りの角を曲がったところで、ポーリナは、車から降りてきた3人の男にいきなり銃を突きつけられた。その時、彼女を脅した男から、昼食に食べたらしいニンニクの匂いがした。大学でちょうど解剖実習に入っていたポーリナ(彼女は医学生だった)は、ニンニクの匂いを嗅いだ時、ふと、彼の体内で昼食が消化されていく様を想像した。そして、本当なら、「私の名はポーリナ・サラスです。誘拐されかかっています」と大きな声で叫ぶべきだったのに、いとも簡単に誘拐されてしまったのだった。「これまでの人生で、私はずっと従順すぎたのです」ここでライトが落ち、彼女のモノロー…

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