「お勢、断行」

「お勢、断行」 原案:江戸川乱歩作・演出:倉持裕 松成千代吉(声)…寺十吾 音楽:斎藤ネコ美術:二村周作照明:杉本公亮音響:高塩顕映像:O-beron inc.衣裳:太田雅公ヘアメイク:宮内宏明演出助手:相田剛志舞台監督:橋本加奈子、鈴木章友プロダクションマネージャー:勝康隆技術監督:熊谷明人 ※プログラムに記載されているスタッフがとても多いので、代表者のみの記載といたします。 2年前にゲネプロを行ったところで、中断となった作品が、最小限の出演者変更でなんとか上演にこぎつけた。関係者の皆様の尽力に感謝したい。 江戸川乱歩の短編に「お勢、登場」という作品がある。病がちな夫を家に残して浮気三昧の若妻(後妻)、お勢。ある日、浮気から帰宅すると、長持ちの中から夫の声が聞こえる。子供とかくれんぼをしていて、長持ちの中に隠れたら錠が下りて、死にそうになっていたのだ。すぐに助けようとしたお勢だったが、途中で気持ちを変え、長持ちの蓋を閉じて、夫が死ぬのを待つ。こんなとんでもない女がいたく魅力的に描かれている。これを倉持裕が他の乱歩の小説からエピソードを足しながら1本の舞台作品に仕上げたのが、2017年の舞台「お勢、登場」。お勢は、黒木華が演じた。今回は、こうして野に放たれたお勢のその後の物語を倉持が「創作」した舞台となっている。この作品には、「夫を精神病院に送り込んで、その財産を自分のものにしようとする後妻」が登場する。彼女に対して、お勢が時に厳しく批判的になるのは、こんなお勢の過去が関係している。悪…

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2年越しの「お勢、断行」

2020年2月に幕が開くはずだった「お勢、断行」の初日がようやく来ました ゆうひさんの演じる奥様「おそのさん」は、じわじわと悪事に加担してしまう、心に闇を抱えた女性で、でも、本当は心優しい人だったんだろうな…。 倉持ワールド、休憩なし2時間、息もつかせぬ贅沢な舞台でした。

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DS「SEIZE THE DAY」(2)

30th Aniversary Specoal Dinner Show「SEIZE THE DAY」 その1はこちらです。  4月3日のディナーもご覧ください。 オリジナルカクテル「With Your Memories...」です。こちらはノンアル。ちょっと薬膳っぽい味わいでした。 手前側、マリネサーモンと帆立貝柱、菜の花のカネロニ仕立て オレンジのソース奥の透明なカップに入っているのが、根セロリとフロマージュのピュレ オマール海老のルウェル添え おいしかったですお腹がすいていたせいか、夢中で食べてしまいました。 銀の器に入っているのが、舌平目のクーサンと春キャベツのエチュベ 小海老入りヴェルモットソース手前側が、牛フィレ肉の南仏風クルート焼きとアスペルジュ・ブランシュ添え 舌平目はあっさり、牛フィレはパン粉で包んで焼いた感じなのかな、ソースがこってりしていて、味わい深かったです。アスペルジュ・ブランシュって、白アスパラのことか…大好物なので嬉しかったです。 お肉の焼き加減も、絶妙だと思いません 2種類のチョコレートのケーキと赤い果実のパルフェグラッセ パルフェグラッセ、アイスのように冷たいけど、氷菓じゃない…その絶妙で、もっちりした味わいがクセになりそう。2種類のチョコレートケーキは、ホワイトチョコの柔らかい甘さが絶妙。ボリューム高いデザートでした。 さて、音楽学校ではレアキャラ(登校が遅く、下校が早い)だった、ゆうひさんとあさこさんは、スロースターター。真…

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DS「SEIZE THE DAY」(1)

30th Aniversary Specoal Dinner Show「SEIZE THE DAY」 平成4(1992)年、旧大劇場雪組公演「この恋は雲の涯まで」で初舞台を踏んだ78期生、そのまま芸能界に進んだメンバーは、今年、芸能生活30周年を迎える。30周年だから集まろうと声を掛けたのはゆうひさん。何が起こったんだろうそんな3人のDSに行ってきました。 ディナーショーということは、ディナーがあるということで。今回も、1卓6名のうち、2名は別会場でディナーを食べて、ショーだけ宝寿にやってくるという、徹底した感染対策。それでもディナーを出してくれる心意気が嬉しい。 こちらは、4月2日のディナー。 オリジナルカクテル「You Just Know.」です。カルピスっぽい感じ。でもアルコール入りです。 手前側、子兎の背肉のルーレ シャルトリューズの香り ミモザ風サラダとともに奥の透明なカップに入っているのが、白アスパラガスのスープと魚介のレタス包み 感染対策で1皿に2品を相盛りするスタイルです。オードブル、変わった食感だな…と思ったら、兎肉だったんですね 銀の器に入っているのが、カサゴとオマール海老のブーリッド トマト風味のトースト添え手前側が、牛フィレ肉のグリルとマスタードソース じゃがいものグラタンと春野菜添え 銀の器に先っぽが乗ってるのが、トマト風味のトーストで、その下にあるのが、ジャガイモのグラタンに春野菜が乗ったものです。 オマール海老が味がしっかりしていて、歯ご…

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「マーキュリー・ファー」大千秋楽!

いつ以来だろうやってまいりました、福岡市民会館(ゆうひさんの公演だと、「TABU」以来なのですが、全ツのメッカなので、それ以外でも来ているかも…) 無事、この地で、「マーキュリー・ファー」全公演が終了いたしました福岡市民会館って、ゆるい傾斜で1列目から38列目まで、ずーっと繋がっている構造なんですけど、公演の後、スタオベをしながら、後ろを振り返ると、38列までびっしりとお客さんがいて、お客さんが降ってくるようだな…と思いました舞台のゆうひさんは、姫としてのサングラスを外さない状態だったけど、しっかり見えていたかな嬉しい光景だったと思います。 ゆうひさんが差し入れたのと同じラーメンをお土産に買いました。 夜は、コロナ前に一人で「めんたいぴりり」の初日を祝ったお店で。今夜も一人。 たぶん、頼んだものの8割は同じだった自身がある(笑)    

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「マーキュリー・ファー」開幕

本日、世田谷パブリックシアターにて、ゆうひさんが出演する舞台「マーキュリー・ファー」が開幕した。 思えば、この劇場に来るのは、2年ぶりになる。2020年2月1日に「メアリ・スチュアート」を観た時、「月末には、ここに、ゆうひさんを観に来るんだな~」と思った。月末1年11ヶ月後だった。「メアリ・スチュアート」の頃も、既に新型コロナウィルスは上陸していた。ダイヤモンド・プリンセス号の感染が、対岸の火事のように、話題になっていた時期だ。未知のウィルスに不安を感じながらも、劇場に通っていた。でも、まだ、飲み会もあったし、マスクをして…ではあったが、御園座に宝塚を観に行った。それから一週間もしないうちに、すべてが、中止になった。その中に、ゆうひさんの出演する「お勢、断行」、この世田谷パブリックシアターの公演も含まれていた。劇場も、映画館も、すべてが閉まった。忘れていた悪夢を思い出して、怖くなっていた。また、毎日のように、公演中止が報じられ始めていたし。 でも、奇跡的に「マーキュリー・ファー」は、幕が開いた。そこには、別の意味で地獄が展開されていたけど、舞台の上の地獄なら、いくらでも許容できる、と思った。(もっとも、ゆうひさんのファンなら、この地獄には耐えられるハズ。だてにあれもこれもそれも観てないもんね…) どうか、最後まで、無事に走り抜けられますよう…そして、再び、「お勢、断行」で戻ってこれますように。

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2021年の大空ゆうひ

2020年は、公演中止という悲劇に見舞われた一年だったが、2021年は、コロナ禍を縫うように、ゆうひさんは、全国の劇場を駆け抜けた。 1月、舞台『キオスク』に出演。この公演は、兵庫から始まり、東京、そして全国各地を回り、広島で千秋楽。ゆうひさんは、全部で8役以上を演じ、どれもが印象的だった。石丸さち子さんのパワフルな演出を受けて、単役だったら決して回ってこないような色々なキャラクターを演じてくれて、とても楽しかった。 4月、宝塚の「エリザベート」25周年を記念して、ガラコンサートが開催され、ゆうひさんも、アニバーサリーVer.と、月組Ver.に出演。月組Ver.は、瀬奈じゅん様主演だったので、本来ならゆうひさんは呼ばれないパターンなのだが、なぜかルドルフ役で出演。“パリ空”ネタで、あさこさん、きりやんと盛り上がったらしい。仲良きことは…ですね。 7月、「羽世保スウィングボーイズ」で2年ぶりに博多座出演。8月には、新歌舞伎座でも上演。前回(めんたいぴりり)同様、博多華丸さん主演の舞台。ゆうひさんは、華丸さんの別れた奥さんで、現在の羽世保市長。しかし、実は、ナイトクラブの歌手もやっている…というぶっ飛んだ役。楽しそうに演じていて、なによりでした。 また、7月末に「巴里の音楽」というシャンソンなどを歌う舞台に参加。ゆうひさん以外の出演者も多彩で、楽しい時間を過ごした。久々に壮一帆さんと共演できたのも嬉しかった。 9月、日本舞踊と朗読劇のコラボ…という面白い企画舞台「お七」に、八百屋お七の役で出…

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東京會舘DS「C'est Fantastique!」その2

東京會舘100周年記念イベントの始まりとなる、宝塚OGによるディナーショー「C'est Fantastique!~素晴らしき時をあなたと共に~」レポート後半です。前半は、こちらをご覧ください。 「未来へ」を全員で歌い上げた後、司会の竹下典子さんが登場し、トークタイムへ。東京會舘の思い出というテーマだったが、この6人の中では、フェアウェル会場が東京會舘だったのは、ゆうひさんだけだったみたい。私の中では、贔屓が二人とも東京會舘だったので、思い出は果てしなく…それはともかく、出演者の皆様、「思い出」がいつの間にか、食べ物トークになっているのは、さすが、元タカラジェンヌ特に、熱くカレーを語る遠野あすかさんには、3年前にも聞いたよね、それ…と、思ったが、出演者の皆様も同じことを思っていたらしい。(3年前のDSと今回は、きりやんとふうちゃん以外の4人、出演者がかぶっている。)とはいえ、ゆうひさんも、カレーパンへの愛を語っていたので、結局、みんな大差ないですね。 後半は、ショーのナンバーやミュージカルの楽曲。  霧矢大夢「運命よ、今夜は女神らしく」(ガイズ&ドールズ)きりやんの安定した歌声に安心して盛り上がった。最後の、「はーっ」という掛け声もカッコよく、ファンモードまる出しで、熱い拍手を送った。ありがとうございます 妃海風「はじめての恋」(ガイズ&ドールズ)この曲は、会場後ろに設えられたステージで披露された。きりやんの歌に呼応するような、愛らしい歌声。途中から、一度引っ込んだきりやんが前方ステージに再…

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東京會舘DS「C'est Fantastique!」

東京會舘100周年記念イベントの始まりとなる、宝塚OGによるディナーショー「C'est Fantastique!~素晴らしき時をあなたと共に~」を観てきました ディナーショーなので、まずは、お食事の紹介から。 創業100周年カクテルコンテストに出品された「100(One Hundred)」というカクテル。パルフェ・タムールというニオイスミレを使ったリキュールをライムとトニックウォーターで割ったものです。柔らかい甘みでした。 東京會舘伝統のオマール海老のテリーヌまさに、これぞテリーヌというお味でした。 森の茸入りコンソメスープどこまでも澄み切ったコンソメに東京會舘の心意気を感じました。 国産牛リブロースのローストビーフ、ヨークシャープディング添えいやー、さすがにでかいでしょ、これ。東京會舘さんの気合いに負けました。 ガトーショコラとカシスクリームのアクセントガトーショコラの深い甘みと、フルーツの酸味が絶妙な一品でした。 こちらは、ノンアルコールのカクテル、「Anniversary」。金粉が浮いています。スッキリとした味わいでした。 ゆっくりと食事を楽しんだ後、いよいよショーが始まります。 まずは、出演者6人全員で「おゝ宝塚」を高らかに歌い上げます。ここで、司会の竹下典子さんが登場し、出演者を紹介。湖月わたるさん、朝海ひかるさん、大空ゆうひさん、霧矢大夢さん、遠野あすかさん、妃海風さんという、元トップスター&トップ娘役の面々。元男役さんはパンツスーツ、元娘役さ…

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「La Musique De Paris 1930-1970」(2)

「La Musique De Paris 1930‐1970」 ゆうひさんが出演するイイノホールのシャンソンのショーを観てきました。7月30日から8月1日の3日間行われ、出演者は日替わり。ゆうひさんは、30日と31日の2日間出演なので、この両日のレポートをしたいと思います。30日のレポートはこちらです。 (2)7月31日公演主な構成は、30日と一緒。出演者が変わっても曲を変えなかったり、出演者に合わせて曲を入れ替えたり、そういう構成の妙は、両方参加したからわかる部分…かな。最初に登場したのは、壮一帆。「さくらんぼの実るころ」を、温かい声で熱唱。ブルーの目が覚めるようなドレスで、メイクはあっさり。続いて、嵯峨美子が登場、「聞かせてよ愛の言葉を」をしっとりと。フランス語で歌うパートがあって、それが、すごく色っぽい続いて、萬あきらが登場、「バラ色の人生」を、アレンジたっぷりに聴かせてくれた。ふたたび、壮が登場して、「ラストダンスは私に」。可愛い~ 大空ゆうひは、昨日と同じ、白いブラウスと黒のパンツで、「愛の幕切れ」。ダンサーは、美翔かずき&千葉さなえ(涼瀬みうと)の同期コンビ。わざわざ、昨日とメンバーを入れ替えてくれたんだ途中で、千葉が引っ込んで、美翔のソロダンスで終わるところもかっこよかった続く「あきれたあんた」は、ゆうひさん一人で、幸薄く微笑みながら。似合う~ 続いて、真琴つばさで、「もしもあなたに逢えずにいたら」と、「ブルースを唄う女」。ここで、バンドメンバーのご紹介もあった。マミさんが出…

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