宝塚歌劇花組東京公演「エンジェリック・ライ/JuBilee」観劇

卒業.jpgファンタジー・ホラロマン
「エンジェリック・ライ」

作・演出:谷貴矢
作曲・編曲:太田健
音楽指揮:佐々田愛一郎
振付:御織ゆみ乃、若央りさ、港ゆりか
擬闘:清家三彦
装置:國包洋子
衣装:加藤真美
照明:氷谷信雄
音響:秀島正一
小道具:加藤侑子
映像:溝上水緒
歌唱指導:西野誠
メイク監修:CHIHARU
演出助手:西川日向子
振付助手:鶴美舞夕、井上尚子
擬闘助手:清家一斗
装置補:川崎真奈
衣装助手:渡邉佳菜
照明助手:平居優美
音響助手:澁谷博
舞台進行:鴨居千奈
稽古ピアノ:植田浩徳

<キャスト>
アザゼル(天使)…永久輝せあ
エレナ(トレジャーハンター)…星空美咲
フェデリコ(宝石商)…凪七瑠海
ラウロ(秘書)/フラウロス(悪魔)…聖乃あすか

アズラエル(天使)…美風舞良
天帝…紫門ゆりや
ラファエル(天使)…綺城ひか理
マリオ警部(ICPO)…一之瀬航季
ジュリオ(フェデリコの手下)…侑輝大弥
サリエル(天使)…希波らいと
ファビオ(フェデリコの手下)…天城れいん
ルーナ(使い魔)…美羽愛

角書きの“ホラロマン”は、ほら話の“ほら”ということらしい。
「物語全体が、大いなるほら話」ということなのだろう、と推察。

まず、この公演は、永久輝せあ・星空美咲の新トップコンビお披露目公演であり、同時に、専科・凪七瑠海のさよなら公演である。
そうなると、座付作家としては、新トップコンビにも、凪七にもドラマを作らなければならず、それはけっこう大変な作業だったと思う。
結果的に、凪七をヒロイン・星空の父親に設定し、若き日(これも本人が演じる)のロマンスを描くことで凪七に配慮、そして、父と子の物語を描く中でヒロインの存在に厚みを与える…というのは、アイデアとしてはよかった。
でも、まあ、いろんな意味でnot for meでした。

天使学校を卒業すると天使になれるという設定、天使学校の同期という関係性など、天使の世界も“天人五衰”であって永遠ではないのだな…と思わせるが(長生きだけど、永遠を生きるのではなく、生まれ、育ち、働き…みたいな?)、じゃあ、天帝も代替わりとかするのかしら…と、しょっぱなから、余計な情報に満ちていて、考えながら観るので疲れる。そもそも大天使ラファエルと同期なのに、こんないい加減な嘘つきって…2000年もそういうことやってきたってことですよね?
フェデリコ(凪七)がかつて、死ぬ運命だった時に、アズラエル(美風・若き日は朝葉ことの)と出会い、エレナ(星風)を授かる。いや、本当に申し訳ないけど、そのキャスティングは、どうなん⁉凪七は研21だけど、相手役をさらに上級生にしてどうする⁉上級生というだけでなく、キャラ的にも…まあこれは意外性として、じゃあせめて若き日のヴィータを下級生のヒロイン候補にするとか、なかったのかな⁉(失礼なこと書いてますが…)ちなみに、アズラエルの若き日の失敗…と書かれてますが、アズラエルってもしかして、アザゼルより2000年くらい後輩ですか?
お披露目公演らしく、ハッピーミュージカルを目指した…というのは、伝わってくるのだが、アザゼルとひとこちゃん(永久輝)のキャラが私の脳内では完全不一致で、居心地が悪かった。アザゼルの「いい加減なヤツゆえの魅力」というのは、ひとこちゃんの内面から湧き上がるものの中には見当たらなくて、本当に残念。お披露目なのに…

レヴュー グロリア
「Jubilee」

作・演出:稲葉太地
作曲・編曲:太田健
音楽指揮:佐々田愛一郎
振付:御織ゆみ乃、若央りさ、港ゆりか
擬闘:清家三彦
装置:國包洋子
衣装:加藤真美
照明:氷谷信雄
音響:秀島正一
小道具:加藤侑子
映像:溝上水緒
歌唱指導:西野誠
メイク監修:CHIHARU
演出助手:西川日向子
振付助手:鶴美舞夕、井上尚子
擬闘助手:清家一斗
装置補:川崎真奈
衣装助手:渡邉佳菜
照明助手:平居優美
音響助手:澁谷博
舞台進行:鴨居千奈
稽古ピアノ:植田浩徳

ショーも、新トップコンビお披露目と、凪七さよならという二つをメインに構成されている。
どちらも満足させるのは、とても難しい構成だと思うが、稲葉先生は十二分に力を発揮している。(新トップコンビに特別な思い入れがないから、そう思うのかもしれないけど…)
プロローグの衣装は、白・ピンク・花柄…と夢々しく、若いトップコンビらしい可愛さに溢れている。
S2 Girl Hunt では、聖乃あすか、一之瀬航季、侑輝大弥の三人が、ガールハントに出かけた先で、ヴァイオレットの花々(星空美咲ほか)に拘束されて、囚われてしまう…みたいなストーリー。トップ娘役と2番手男役の場面、昔からなんとなく好きなんですよね。わりと、トップ娘役の毒の部分が出る場面になる…というか。
S3は、永久輝せあを中心とした男役のスマートな群舞。花組男役はスーツですよね、やはり❗
S4で、凪七瑠海のソロを挟み、中詰へ。一転して、ここは金と赤のゴージャスな世界。
S5は、稲葉先生お得意の、若手によるダンスシーン。若々しくて素敵なのだけど、娘役ちゃんたちの「キャー」という掛け声が耳障りがよくない。男役は低い声、娘役は高い声、というのは分かるが、さすがに「キャー」という声を張り上げられるのは、つらかったりする。もっとかっこいい掛け声かける娘役がいてもいいんじゃないかな。
S6は、凪七中心の場面。ちょっと重い歌とダンスを少人数で。個人的に、一之瀬くんと美羽愛ちゃんに目を奪われておりました。
S7は、お披露目らしく戴冠式の場面。この日を迎えるまでには、戦いの歴史があり、友を失ったりもしたけれど…みたいな回想が入ってドラマチックな戴冠式でした。儀礼的な軍服の美しさがたまりませんね。
S8は、この公演で退団する綺城ひか理のソロからのロケット。あかちゃんの歌声、ずっとずっと好きだったなー💧
フィナーレは、凪七をセンターにした娘役の群舞、永久輝をセンターにした男役の群舞、それぞれ見応えがあった。特に、男役群舞は、「威風堂々」が使われていたので、「Trafalgar」を観ていた大空ファンは、曲に体が勝手に反応してました。デュエットダンスは、シックな黒×白の衣装。とても美しかったです。

今回、友の会様のおかげで、さよならショーも観ることができました💕
かちゃは、ゆうひさんの最後のDSにも出てくれたり、まあ、そもそも学校の後輩ということもあり、下級生の頃から見てきたので、紆余曲折しながらこの日を迎えた姿に、色々な感慨がありました。
また、あかちゃんの「どうやって伝えよう」をもう一度生で聴くことができて、本当に幸せでした。

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