ミュージカル刀剣乱舞「陸奥一蓮」

ミュージカル刀剣乱舞
「陸奥一蓮(みちのおくひとつはちす)


原案:「刀剣乱舞ONLINE」より(DMM GAMES/NITRO PLUS)
演出:茅野イサム
脚本・作詞:浅井さやか
音楽監督:YOSHIZUMI
振付・ステージング:TETSUHARU、桜木涼介


音楽:YOSHIZUMI、和田俊輔
美術:二村周作
殺陣:清水大輔(和太刀)
照明:林順之、喜多甲陽(ASG)
音響:中島聡
音響効果:青木タクヘイ(ステージオフィス)
衣裳:小原敏博
ヘアメイク:糸川智文(STRINGS)
ライブ衣裳:農本美希(エレメンツ.アッシュ)


<CAST>
三日月宗近…黒羽麻璃央
加州清光…佐藤流司
蜂須賀虎徹…高橋健介
鶴丸国永…岡宮来夢
水心子正秀…小西成弥
大包平…松島勇之介
山姥切国広…加藤大悟


阿弖流為…山本亨
母禮…細見大輔
坂上田村麻呂…三上市朗


ミュージカル「刀剣乱舞」本編の最新作。これまでの作品では、過去作から登場している刀剣男士は一振りか二振りで、残りのメンバーが新たな刀剣男士ということが多かったが、今回は、全男士が再登板。本丸を離れた三日月宗近も久々に再登場する。
「刀剣乱舞」というコンテンツのアイコン的存在の三日月宗近だが、ミュージカル版もステージ版も現在は「本丸にいない」設定になっている。2021年に上演されたステージ版の「无伝 夕紅の士」では、時系列を入れ替え、過去のエピソードとして三日月を登場させたが、本作では、本丸と袂を分かった三日月(黒羽)が任務に向かった本丸メンバーに再会するエピソードとなっている。
本丸の出陣先は、坂上田村麻呂(三上)が征伐に向かう東北の地。阿弖流為率いる蝦夷との戦い、そして投降した阿弖流為と母禮の処刑までが描かれる。長期間の遠征が多いミュ本丸にしては、短い旅だったかも。しかし、その旅先で三日月には再会するは、加州清光(佐藤)たちわりと古めの男士が、今までなんとなく聞けずにいた、この本丸の過去の事件に向き合ったり…と、全員再登板ならでは…の濃い物語が展開された。


「過去の事件」とは、この本丸のかなり初期に、山姥切国広(加藤)が隊長で出陣した際、全員で帰還することができなかったこと。そこで折れたであろう男士こそが、この本丸の初期刀(初めの一振り)であり、だから、この本丸には初めの一振り(ゲームでは、最初に核となる刀を5振りの打刀(加州清光/山姥切国広/蜂須賀虎徹/歌仙兼定/陸奥守吉行)の中から決めることになっている。選ばれなかった他の4振りも、その他の刀に比べて出やすいので、ゲーム上は、初期段階で5振り揃う)が全部揃っていない。(舞台版(刀ステ)では、全振り揃っていることが7周年イベントで明らかにされた。)
山姥切は、この時のトラウマを「江水散華雪」の出陣時に克服したので、今回、加州の求めに応じて過去の話をすることができたのだろう。鶴丸国永(岡宮)は、弱い刀は折られる&歴史は何が何でも守られなければならないというトラウマを抱えたまま、顕現したばかりの大倶利伽羅をスパルタで叩きのめしたり、歴史を守るために37,000人の農民を集めて死に追いやったり…という苛烈なキャラは、健在。三日月に対しても、かなり厳しいスタンスで臨んでいるし、水心子正秀(小西)に至っては、とばっちりで折られそうになる。
そんな本作は、この“刀ミュ”のキーになる刀が、三日月ー鶴丸ー水心子というラインで繋がっていることを確信させる部分もあって(年に一度上演される男士たちの祭でも、それはなんとなく感じていたが…)興味深かった。


それにしても、加州ったら命知らずなんだから…[あせあせ(飛び散る汗)]
「この遠征から帰ったら、昔のことを話す」という山姥切との約束が、死亡フラグになるかと思ったよ…[もうやだ~(悲しい顔)]
一度、何かを乗り越えた男士の姿を見せてくれたのが、蜂須賀虎徹(高橋)。(彼は「幕末天狼傳」の出陣で、虎徹の真作でありながら、実戦経験がないというトラウマを克服している)こんな風にいい先輩になるんだな、そしたら、この本丸にはいい先輩がいっぱいいて、顕現した新しい男士も安心だな…などと思ったり。


ライブパートはスーツっぽい衣裳で、スタイリッシュ。
肌の露出がなく、これもまた新しい挑戦かもしれない。私は支持します[exclamation×2]

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