「GOOD 善き人」観劇

「GOOD 善き人」


作:C.P.テイラー
翻訳:浦辺千鶴
演出:長塚圭史


音楽進行:荻野清子、秦コータロー、片岡正二郎
編曲:秦コータロー
美術:石原敬
照明:横原由祐
音響:佐藤日出夫
衣裳:前田文子
ヘアメイク:河村陽子
振付:広崎うらん
歌唱指導:河合篤子
演出助手:神野真理亜、溝端理恵子
舞台監督:福澤論志


<キャスト>
ハルダー…佐藤隆太
モーリス…萩原聖人
ヘレン…野波麻帆
アン…藤野涼子
ボック、事務官 他…北川拓実
エリザベス、看護師 他…佐々木春香
フレディ 他…金子岳憲
ヒトラー 他…片岡正二郎
ボウラー、医師 他…大堀こういち
母親、アイヒマン 他…那須佐代子


<ミュージシャン>
ピアノ、アコーディオン…秦コータロー
マルチリード…大石俊太郎
コントラバス…吉岡満則
ドラム…渡辺庸介


とても深い物語だった。
まあ、普通に善人と思われるハルダーが、認知症っぽい母親(那須)のいる家を捨て、大学の教え子、アン(藤野)にのめりこんでいくのと並行して、ナチスに取り込まれ、優性思想推進に乗せられていく。そして、唯一の親友だったユダヤ人のモーリス(萩原)を救おうとしない。
(そもそもモーリスが実在かどうかは、微妙(もしかしたら、ハルターの心の中の住人かもしれない)だけれど、まあ実在してても、見捨てるだろうなとは思う。)
登場人物が、バンドに合わせて歌いだしたり、台に乗って浮かれたり、ちょっと面白い演出を入れつつ、中身は、人間自分が一番大事だよね…みたいな、本音があぶりだされる物語。善人って、なんにもしない人、ってことなのかもしれない。
「アンナ・カレーニナ」の時、ゆうひさんドリーの独白を淡々と聞いてくれていた片岡正二郎さんが、ヒトラー役などでいい味を出していた。“ハリラバ”で歌われていたナンバーが出てきたり…ゆうひさんを思い出すことの多い公演だったのは、蛇足ですね。

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