「歌劇」誌には、毎年、劇団スタッフや出演者の新春の言葉が掲載されている。今年も、気になる発言をピックアップしてみたいと思う。
『新年明けましておめでとうございます。(中略)コロナがまだ収まりそうにありません。その影響でみなさま方にご迷惑をおかけして申し訳ございません。生徒達も涙ぐましいほど懸命に自制と努力を重ねております。どうかご理解のうえ昨年以上のご後援をよろしくお願い致します。』by植田紳爾
植田先生の短い言葉の中に、何度も中止になってしまう現状への忸怩たる思いと、生徒には何の罪もないというお気持ちが伝わるようです。
『昭和38年に歌劇団に入団し、昭和、平成、令和と過ごしてまいりました。』by岡田敬二
岡田先生、今年は舞台生活60周年なのですねどうか、よき年でありますように。
『輝き!新しい世界への階段を、又一歩、踏み出しました。皆で、輝く世界へ登りましょう!若き日の、夢は枝から、はなれ地に落ちるとも、なおも 我がもの…!』by酒井澄夫
最後、今年もお決まりのフレーズで、安心しました。
『宝塚 愛と夢に彩られ。』by羽山紀代美
羽山先生、今年もお願いします
『(生徒・スタッフやお客様)双方の落ち込みを考えると、やり場のない怒りと事態を収拾できない自分の無力さに、思わず心が座り込んでしまう思いを重ねました。今年こそ、今年こそと祈り続けて3年経ち、4年目の春を迎えます。早く「(コロナが)明けましておめでとうございます」と言い合える日を迎えたいものです。』by小池修一郎
私も小池先生に「(コロナが)明けましておめでとうございます」声掛けできる日を待ち続けます。 そういえば、初日とか、演出の先生が劇場ロビーにいらっしゃって、わりと普通に声掛けできていたんですが、すっかり過去の話になってしまいましたね。
『昨年は、スタッフの仕事を始めてから40周年という事で、記念のCDをリリースしていただきました。』by吉田優子
優子先生、40周年、本当におめでとうございました。ゆうひさん達の30周年と一緒にお祝いさせていただけて、私も嬉しかったです。
『新年は、芹香斗亜のDS「KISSーkiki sing&swingー」で開けます。焦る!さらに、瀬奈じゅんの舞台生活30周年コンサート「Alive ReturnsーHandsome Womanー」が続く。焦る!2月には音楽学校の文化祭が控えています。焦る!30周年の大先輩、キラッキラの現役、そして明日の宝塚を支える卵たち!』by三木章雄
30周年の大先輩か…あらためて、そうなんだな~。初舞台から(知っているかどうかは別にして)78期を観ている私は、ファン歴30年超えてるんですよね。ははっ
『今年こそ、様々な制限の中でも公演を続けるために必死に歌い踊る生徒たちが、一日も早くマスクを外してのびのびと稽古が出来ますよう、そして皆様とより近くより深く触れ合える日が参りますよう、切に願っております。』by谷正純
本当に。祈ります
『初心に戻り、
一、美しくあれ!
一、独創的であれ!
一、斬新であれ!
一、上品であれ! を目標に、宝塚歌劇を愛して下さるお客様には、「ほんの少しの心の拠り処にして頂ける様に」を一年の計と致します。』by大橋泰弘
大橋先生のセットの素晴らしさは、毎年初心に帰って、座右の銘を胸に刻んでいるからなのですね。
『日々、探求心を忘れず、少しでも心に残る音楽を提供できますよう精進してまいりたいと思っております。』by太田健
忘れられない音楽がたくさんあります
『(小林一三の経営戦略について)その一つが「組替え」だ。退団による組長不在や各組の人員調整、またスター候補生の新しい育成環境、そして五組を「一強四弱」にも、「二強三弱」にも、況や「ゼロ強五弱」にしない為に行われるが「ファンの感情」は複雑。あの実力・人気のある生徒が、贔屓組に来てしまったら(又は来てくれたら)。「座付作者」は「どの組」を担当するか判らないから、五組の平等化(ドングリの背比べになる平均化とは違う)に賛成している。』by石田昌也
年末に発表された組替えを念頭に置いた発言だったのでしょうか演出家の先生的には、そうなんでしょうね…
『さて、読者に何と御挨拶しようかと悩んでいるところに、国からの表彰の知らせが届きました。受賞の内容は「地域文化功労者文部科学大臣賞」です。これも一重にファンの皆様ならびに出演者、スタッフの方々のおかげだと深く感謝申し上げます。』by草野旦
草野先生、本当におめでとうございますこれからもお元気で~
『ここ数年、過去の作品の再演が続き有り難い限りでありますが、本年も20数年前の演し物が再演される運びとなりました。自らの感覚を研ぎ澄まし、新たに創り上げるつもりで挑もうと思っております』by正塚晴彦
正塚先生の新作は、もう拝見できないのでしょうか。
『私事で恐縮ですが、歌劇団の指揮者としてデビューしてから今年で30年になります。昨年の宙組公演『Capricciosa!!』の題五場、第二十場で使用されていた楽曲は、私が初めて担当した平成五年花組公演『ラ・ノーバ!』でも使用されており(真矢みきさんが歌っておられました)、とても懐かしく、また感慨深く、この場面を楽しく指揮しておりました。』by佐々田愛一郎
「ラ・ノーバ!」30年なんですかおかしいな…理解できない…
『100周年を迎えた日がまるで昨日のことのように思い出されますが、今は当時想像もしなかったコロナ禍や不安な世界情勢の世の中、穏やかな日常に戻る日を願いながら公演を創り上げる有難さや困難を乗り越えようとする生徒たちの頑張り、そして何よりも宝塚歌劇を愛し、共に歩んでくださるお客様への感謝の気持ちを忘れることなく、もう一度原点に立ち返り、歌劇団の一員として作品創りに携わって参りたいと思います。』by中村一徳
めっちゃ、まじめ。今年も一徳ショーらしい、全員銀橋ステージを楽しみにしています。
『いま、世界が様々な混乱を極めている中で、人々が手を取りあい、一緒に力を合わせることの大切さを全世界にに突きつけられています。そんな中で、宝塚歌劇というものが、世の中にとってどれだけ特別で、重要であるのか、また、宝塚に関われることがいかに幸せであるのかということを、感じました。(略)宝塚の舞台を本年も楽しみたいと思います。』by中村暁
「楽しみたい」それが一番大事かもしれないですね。
『私事ではございますが、大変光栄なことに6月1日付で歌劇団理事に就任させて頂き、身の引き締まる一年とおなりました。これからは自分のことばかりではなく、少しでも歌劇団のお役に立てますよう努めて参りたいと思います。』by藤井大介
そっかー、大介先生が理事になったかー。しみじみ…
『ポストコロナ時代の出口に光が見えますように。そして、新しい年の始まりに心から願うのは、ただただ・・・“世界が平和でありますように”個人的には、長い間温めていた夢の種を去年辺りから蒔き始め、いつか花咲かせることが出来れば良いなと願いつつ・・。』by植田景子
景子先生の夢が花開きますよう、お祈りしております。
『ぴょんぴょん!(略)僕は兎が大好きです。愛くるしく、優しそうで、時に快活で・・。(略)愛してしまったら程々では済みませんよね!?読者のファンの方々も歌劇への、ご贔屓の生徒への愛は程々どころではないですよね!愛が深ければ深いほど喜びもひとしおに、愛に裏切られればその傷も深くなります。愛する事、愛される事は時に怖くなりますが愛の熱量が程々では歌劇の世界ではやってられません!だから幕を開けたばかりのこの新たな年もいっぱいの愛をもって前進あるのみです!』by齋藤吉正
やばいテンションだけは伝わる…。齋藤先生が作られた「JAGUAR BEAT」の公演中止が発表された今日この頃、先生の愛が行き場を失って咆哮しているのでは…と心配です。
『宝塚市は思いのほか南北に長い自治体で、大劇場から北方に望む長尾連山の向こう側には、広大な里山地域が広がっています。そこは野兎の生息地であり、私も散策等で訪れる旅に目を凝らしているのですが、足跡や糞はあれど、野兎そのものには未だ出会っておりません。けれど、今年は兎年です。今年こそ巡り会えそうな予感がしています。皆様も宝塚の里山で、観劇のついでに如何でしょうか。』by大野拓史
むしろ、大野先生に巡り合えそうで、ドキドキします。
『(昨年は)LDHさんとのコラボに、まさかのトシちゃん(田原俊彦さん)楽曲のアレンジ、さらにまさかのジャガー横田さん楽曲のアレンジなどなど、作品を通して数々の貴重な経験をさせていただきました。』by青木朝子
トシちゃんはわかるけど、ジャガー横田さんって、入場局ですかね。てか、藤井&齋藤…やりたい放題だな。
『未だ落ち着きのない世情ではありますが、だからこそ本質に目を向け、宝塚歌劇の発展に寄与できるよう切磋琢磨していきたいと思っております・・』by小柳菜穂子
ノリに乗ってる小柳先生、今年も応援しております。
『人の笑顔さえ見えにくい、いつまでたっても開けない夜のような世界の中で、それでも輝こうと作品を作り続ける太陽のようなエネルギーを日々目の当たりにします。私も微力ながら、その光のかけらとして燃える事ができるよう本年も精進いたします。』by國包洋子
「光のかけらとして燃える」なんか、素敵な言葉ですね。
『昨年私は自作としては初めて公演中止を経験致しました。中止期間中、劇場の前で祈るように立ってくださっているお客様の姿を拝見した時、そのお気持ちに心が震えました。またSNS等で公演の再開を祈ってくださる、私たちにエールを送ってくださる投稿に大変励まされ大きな力を頂きました本当にありがとうございます。』by稲葉太地
私たちの祈りは、叶わなくても、届いているんですね。
『昨年中、身内のスタッフ周りから矢鱈と訊かれる機会の多かった事。「生田、結婚したんだって?」と。まさに青天の霹靂の如きその問いに、誰より驚いたのは張本人である私自身。聞けば「ネットにそう書いてあったから」とのこと!!』by生田大和
生田先生、ネット上で勝手に結婚させられていたんですね。今年はどんなガセネタが流れるか、ちょっと楽しみにしております(笑)
『今年は個人的には宝塚の本公演デビューから20周年にあたる年。『王家に捧ぐ歌』東京公演(湖月わたるさんの東京お披露目公演)で初めて本公演を指揮させていただいてから今年の夏で丸20年。』by西野淳
ちょうど佐々田先生の10年後輩なんですね。時に、「王家に捧ぐ歌」東京公演は、9-11月でしたよ。夏じゃないですね。(準備期間を含めると夏…って思っちゃうのかも、ですが。昔のことは、都合よく改変されちゃうものです。でも、ケロさんのウバルドは、今も忘れられない…あれから20年…
『これからも革新的な事に挑戦して行きたい気持ちもありつつ、古き良き文化もまた捨てがたいと思う今日この頃。時代の流れに取り残されず、自らをアップデートし続けながら、身も心も常に若く。お客様の幸せのために人生を賭けて精進致します。』by野口幸作
演出家の先生の脳内アップデートは、今、一番の関心事になっているので、本当によろしくお願いしますね。こういうことは、若い先生方発信が良いと思います。
『「エンタメは命を救う」これが大袈裟な綺麗事でなく事実であるという実感はもちろん、事実にしているのは受容する全ての皆さんの強さとトライによるものだと、改めて。』by谷貴矢
お父様の病気からの快復を目の当たりにされ、宝塚のパワーを実感されたという谷貴矢先生。今年の貴矢先生にも期待ですね。
『昨年は生まれたばかりの息子と格闘の日々、貪欲に学び、成長する彼の姿に驚かされてばかりでした。(略)息子よ!難しい時代逞しく生きてね!とそんなことを思う母でした。』by町田菜花
町田先生、ご子息、順調に成長されているようで、何よりです。そして、ちゃんと育休できているんだな…と、宝塚歌劇団の人事制度(少なくともスタッフに関して)がまともであることにホッとしています。 と同時に、今年の新春ご挨拶メンバーに女性スタッフが急に増えたな~と感じました。まだプログラムに名前の載っていない「補」の女性達のご挨拶を積極的に載せることは、宝塚歌劇団の何らかの変化であると思いたいです。
『2023年・・・今年は宝塚歌劇団に入団して10年目に突入します。男役10年とは言いますが、私はまだまだ及ばぬところばかり・・・』by竹田悠一郎
竹田先生は10年目なんですね令和ならではの作品創り、がんばってくださいね。
『飲んだら消えてしまうワインのように、形には残らないというところが舞台の魅力ではありますが、その時だから集えた座組の雄姿を上演期間が終わっても繰り返し見られるのは映像ならではの強みです。歌劇団の更なる発展のためにも、映像コンテンツ化への重要性を再認識した一年でした。』by栗田優香
栗田先生は「夢千鳥」も千秋楽が無観客配信になったり…とコロナ下デビュー組の悲哀を一身に受けてしまっていますが…。本当に、映像コンテンツにどう取り組むかは、これからの時代、もう無視できない状態になりましたね。
昨年は3人の演出家が退団した、という情報を聞きましたが、ご挨拶による生存確認から察するに、3人目は木村先生のようですね。年齢的に、定年ですっぱり、ということなのでしょうか。
来年のメッセージは、皆さん晴れやかなものでありますように。
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