「Amethyste」とは、主演(ジョセフィーヌ)だけが違うキャスト。
全体感想は、「Amethyste」の方をご覧ください。主演の青木隆敏の感想もあります。こちらです。
ということで、いきなり出演者感想。
関戸博一(ジョゼフィーヌ・バルサモ)…とても演劇的なジョジーだった。今回の作品、構成として、年老いて亡くなったジョゼフィーヌが、この世とあの世の狭間で、「M」と出会い、これまでの人生を振り返るという物語になっている。その中で、後にアルセーヌ・ルパンとなる、若き日のラウール・ダンドレジーと愛し合い、戦った日々が、ピックアップされてくるのだが、冒頭は、観客に、そんな物語の構成を理解させるために…ということもあるのか、あるいは、長年寝たきりだった老人の身体から解放されたばかりだからなのか、ゆっくりと明瞭に言葉を紡いでいる印象がある。そこから、ラウールの話に入っていくと、だんだん、芝居が動いて熱くなっていく。とにかく、丁寧に、感情と動きを重ねて行っている印象。ラウールにしてやられる場面は、ジョジーが可哀想で、胸が痛かった。でも、ここで、自らの人生を総括することで、胸を張って地獄への道を行くジョジーは、本当にかっこよかったです
松本慎也(ラウール・ダンドレジー)…天才的泥棒で、とにかくクレバーなのはわかるんだけど、女性に対する態度が本当にひどい。そんな部分が、青木が相手だと、年上の女性を手玉に取って、最後は手ひどい言葉を投げつけるサイテー男に思えるのだが、同期の関戸相手だと、なんとなく、その辺が少し和らぐというか…なぜなのかしらサイテーなのは、わかってても、ステキでした
神澤直也(クラリス)…初恋のラウールに身も心も捧げ、劇中で第一子を妊娠、ジョセフィーヌが語る後日談では、産んだ娘はほどなくして亡くなり、その後、第二子を出産した時に産褥で死んでしまう…という人生。気の毒すぎて言葉もない。演じた神澤は、イッツフォーリーズの俳優さんで、「WHITE」に客演している。たしかこの時期、イッツフォーリーズの本公演があったはずなんだけど、本当にこっちで後悔してませんか「WHITE」の時、同世代のライフメンバーと切磋琢磨したのがとても楽しくて出演を決めてくれたそうなんだけど、稽古になったら、「知らないおじさん」しかいない現場…クラリスじゃないけど、騙されたって思ったでしょうね…
純粋でまっすぐでラウールへの愛だけに生きている姿が健気で、素晴らしかったです。これに懲りず、また出てください
石飛幸治(M)…人ならざるもの、ということで、男でも女でもないスタイルのビジュアル(片方を刈上げ、片方を長めの金髪にした髪形など)と、圧倒的な声量で世界観を作り上げていた。スタッフとしても、白(ジョゼフィーヌ)と黒(それ以外の三人)のコントラストにこだわった衣装選びなど、さすが。(ラウールの青ジャケットとクラリスの胸元を隠すリボンがお揃いという、超こだわりまで…)ラストのメインテーマの歌唱も素晴らしかったです
企画ものとして、すごく面白い作品でした。来年のライフも、期待しています。
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