千秋楽前にようやく月組大劇場公演を観劇。
東京も大阪も雨だったが、宝塚に着くと、傘をさすほどではなく、そのまま傘なしで大劇場まで歩いた。花の道は、紫陽花が満開だった。写真は、別記事でたっぷりとお見せしたい。
前回(4月初旬)は、整理券もなくキャトル・レーヴに入れたが、今回は、キャトルの整理券を待つ列が長く伸びていた。
お芝居は、上田久美子先生「桜嵐記」、ショーは、中村暁先生「Dream Chaser」。
恒例により、箇条書きで感想を書いていきたい。・お芝居については、評判も良く、泣けると聞いていたので、泣く気満々で席についたのだが、冒頭の組長による解説場面がざっくりしすぎていて、却っていろいろな場面で混乱し、泣くどころではなかった。泣くためには、東京公演までに色々調べなきゃ…だな、と思った。(気になるところがあると、感情移入できないめんどくさい人
)
・主人公の行動原理もいまいち、よくわからない。楠木正行は、オクタヴィアスと違って「行動する人」「自分で決める人」だから、「受け」の芝居で主人公感を出すわけにはいかない。よく考えると、こっちの方がハードルが高いのね。誰もが納得し、支持する行動原理って難しい(だから、宝塚では、人々に祭り上げられる主人公が多いのか…
)そして、その行動原理が「大きな流れ」っていうのも、ピンとこない。「忠義」じゃダメなのかしら
三島由紀夫「豊饒の海」に出てくる、日本固有の「忠義」というのが、私には理解しやすかった。つまり、相手の(この場合は、後村上天皇)命令に納得がいかなくても、それじゃ戦えないと思っても、それじゃ死ぬわと思っても、それが主命である限り、従う。自ら判断しない。(「忠」や「義」は中国からきた概念だが、中国には、盲従する「忠義」は存在しないそうだ。)ただ、犬死にするのでなく、状況を少しでも好転させるために全力を尽くす…というのが、可哀想だし、カッコいいんじゃないかな。
・「豊饒の海」といえば、組長&副組長の最後の場面で、「豊饒の海」の最後、本多が門跡(かつての聡子)に会いに行く場面を思い出した。生田先生の「春の雪」では、そのラストで、60年後の聡子のセリフが登場してしまったが、今回は、40年後でも門跡が忘れてなくてよかったです
・今回は、登場人物が非常に多く、娘役が男役に扮するなど、隠れた見どころが多い。南朝の公家を娘役に担当させたのは、武家を担当する男役との体格の差がビジュアルでわかるから、なるほどと思った。白雪さち花や、晴音アキが、いけずな公家を水を得た魚のように好演していて、楽しかった。が、同じ公家の中に、重鎮・北畠親房(佳城葵)の息子、北畠顕家(夢奈瑠音)みたいにあっぱれな若武者が出てくるので、混乱しちゃうんだけど。なんだ、公家だって、やればできるじゃん
・白雪、晴音は、高師直(紫門ゆりや)のハーレムでも大活躍。でも、ここでの白雪のキャラクターには疑問もある。キャラとしては面白いんだけど、師直さんの愛人の一人として、新たな愛人が増えるのはイヤなんじゃないかと思ったが、違うのだろうかあと、ヤキモチ焼くキャラっていうのが、どうも腑に落ちない。妬かなくても、その頭脳で師直の寵愛は間違いないと思うのだが…。ま、そもそも師直がモテているとは思えない(公家の一番嫌いなタイプだと思うのね、男くさくて)のに、回りの公家女子、みんなメロメロなのが変だなーと思うが、そこは、ゆりやんマジックでいいのか
・弁内侍(美園さくら)の変なイントネーションが気持ち悪いなーと思ったのだが、あれも、上田先生の指示なのかなぁかなり苦手だった
・ショーは、中村A先生、渾身の一作なのでは
・わりと定番的なストーリーショーの多かったA先生、今回は、ダンサブルなショーで展開も早く、飽きさせない。
・場面ごとの出演者もトップコンビを敢えてバラバラに使うなど、一ひねりされていて、面白かった。
・中詰は、洋物の素敵なブルーの衣装で、和風の祭り的な音楽と振り。娘役も力強く踊っていて、すごくかっこいい。ここで、次期トップコンビの短いデュエットダンスが入るのも、素敵
・退団を意識した飾りのない黒燕尾を着た珠城の場面は、出ずっぱりで、ちょっと可哀想だな…と思った。短い時間でも引っ込んで汗拭きさせてあげてほしいよ~
・まさかのアフロに遭遇してしまったが、中詰のちなつちゃんのヘアスタイルが好きだったので、ちょっとフクザツでした…アフロの導入、久々だったそうですね~
観劇後は、パンを買ってホテルに直行、配信の「BANANA FISH」を堪能しました。
宝塚には関係ないけど、岡宮来夢くん…可愛すぎる
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