これまで「群像」誌に2回ほど、映画と本のおすすめ作品を紹介する記事を書いていたが、その時は、あえて文体を崩すなどして、女優さんが頼まれてささっと書いた風を装った記事だな~と思った。
しかし、今回は、少し違った。
「最後の読書」というー私は週刊朝日の読者ではないので、想像だがー各界著名人が、人生最後の読書をするなら…みたいなテーマで書くコーナーなのだと思う。ゆうひさんは、「夢の図書室」というタイトルで書き始めている。
一文は、ゆうひさん自身の読書体験に始まって、自分だけの図書室を持ちたいという夢までが、肩ひじ張らない…それでいて、無駄のない文章で綴られる。そこから、行間をあけ、「人生最後の日」というシナリオのト書きのようなものの中に、ちょこっとセリフが書かれた一文が書かれ、最後にまたゆうひさん自身の言葉に戻る。「人生最後の日」は、ゆうひさん自身の人生のような、ドラマのラストシーンのような、夢の中の場面のような、味わいのある文章で、エッセイの中に、一篇の掌編小説を挟み込んだ、といった趣き。
今まで、絶対に文章書けると思う、と何人もの人から言われ続け、でも、かたくなに、「私は無理」と言ってきたゆうひさんだが、本を読む人は、基本、文章を書ける人になる。小説家になる…というと、そこには、「テーマ、登場人物、ストーリー」(←覚えてます)を思いつけるか…という問題があるので、誰でもなれるものではないが、しゃれた文章を書けるかどうかは、読書経験とセンスの問題。
今回、ゆうひさんの本気を見た、という気がした。
作家デビューしちゃったりして
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