「RENT」中止に思う

出演者、関係者から複数の感染者が発生したとして、ミュージカル「RENT」の公演は、千秋楽まで中止となってしまった。ひとつの役に複数の俳優をキャスティングしていること、公式にスイングキャストを待機させていることから、もしかしたら、再開できるかも…と思ってみたが、無理だった。本当なら、11月25日は観劇日だったのだが…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
「RENT」が好きだと、ずっと言っていたが、10年ほど前に汐美真帆さんが出演した時、一生分の「RENT」を観てしまったようで、その後の「RENT」公演は、1回観ただけ…かも[exclamation&question]
でも、そろそろ観たい気分だったので、それが叶わなかったのは、すごく残念[もうやだ~(悲しい顔)]


このような時期に、演劇は、どんなふうに「新しい様式」を生み出して、危機を回避できるか、色々な考え方があるはずだ。
PCR検査を定期的に実施し、感染者が出た段階で保健所の指示に従う…というのは、どの演劇でもやっていることだと思う。稽古から公演の長い期間を乗り切るためには、クラスター(集団感染)が発生していないことを証明し続ける必要がある。(日本のコロナ対策が、クラスター潰しを第一義的にやっているため)
逆に言えば、クラスターが発生さえしなければ、全公演中止という最悪の決断をしなくて済むということでもある。


そう考えると、昨今増加している、「配信のみの公演」「舞台上でのディスタンス+マウスシールド公演」「朗読劇」には、それなりに意味があると言うことができる。
出演者やスタッフが感染してしまうのは、ロシアンルーレットに当たってしまうようなもので、ある程度、仕方がない。とすれば、感染者が周囲にうつさないことが重要という考え方だ。
そのためには、稽古時間は短く、分散して、そもそも出演者の人数を減らして…ということが不可欠になる。
そして、リスク管理的な面だけを言えば、接触過多な演劇は、コロナの時代には向かない。特に「RENT」は、“La Vie Boheme”や“Contact”の場面など、出演者全員が濃厚接触するシーンがある。
クラスターになってしまった、と聞いて、あの作品は、そうなるだろうな…と冷静に考える自分もいた。


今の日本のコロナ対策が変わらない限り、上演中止のリスクを回避するには、作品選びから考える必要があるのかもしれない。興行主にとってもリスクが大きいし、なにより、公演前や公演途中で、突然シャッターを下ろされてしまう出演者の心の傷を考えたら、それは重要なことなのではないだろうか。

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