東京の新人公演は観られないので、ムラまで行ってきました。
(新人公演は2時間、往復が6時間強…なんか、わけわかんないことをしている自覚はあります)
まず、公演の感想です。
本公演未見のため、まず、ニューバージョンのファントムはこれかーと思った。
映像多用なのは、スタジオライフ版(「PHANTOM」スーザン・ケイ原作)を彷彿とさせるが、あそこまでの効果的な使い方はしていないので、逆に、そんなに映像いると思ってしまった。 そのわりに肖像画の女の顔、新公用に、上から紙貼ってるし。お金のかけ方、というか、手の入れ方の感覚が微妙。
そして、たしかに音楽はとても美しいのだけど、あらためて思うのは、ほんとに酷い話で、誰にも感情移入できない。
一番まともなシャンドン伯爵が、一番蚊帳の外だし、気の毒すぎる。
本公演は、こんな思いも、歌の力で納得させられてしまうのかしら
では、出演者ミニ感想です。
綾凰華(ファントム)…思わず同情してしまうルックスと歌声で、作品の酷い部分を中和している。声はいいだろうと言われて高速肯きマンになってしまった。新公だけで、ひとつのドラマを見せられたような、丁寧な心理描写も満足度が高い。東京に向けて、もっともっとステキな歌声になるよう、精進してほしいと思う。
野々花ひまり(クリスティーヌ・ダーエ)…ちょっと舌足らずなセリフ回しが最初気になったが、ビストロ辺りから徐々に調子を上げて、立派にヒロインを務めていた。ま、そもそも、このクリスティーヌって女が、私はめっちゃ苦手なので、心が動いたりはしないんだけど。ごめんね。
縣千(ジェラルド・キャリエール)…すごく良かった。そもそも儲け役ではあるが、過去語りも心に響いたし、エリックとの銀橋のやり取りも素晴らしかった。作品がアレなので、役者の心を乗せて初めて、芝居に惹かれる気がする。だから、縣自身の心がキャリエールに乗っているということなのだろう。えらい
彩みちる(ガブリエル)…上手かった。とにかく、出てくるだけで安心できるのがすごい。
羽織夕夏(カルロッタ)…地声で歌う部分は見事だったが、弱い裏声との声量差がありすぎた。これも経験値かな。芝居は、悪役一辺倒にするのではなく、ひとりの女性として、丁寧に作っていて、好感。
鳳華はるな(ジャン・クロード)…本当に優しい楽屋番で、この人の存在に、クリスティーヌは安心できただろうな…としみじみ思った。
彩海せら(フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵)…顔がいい。声がいい。ソロも深みのある歌声が魅力的。ただ、芝居は、クリスティーヌへの愛情部分はとても良かったが、モテ男シャンドン伯爵な部分が、あまり落とし込まれてなかったように思う。これは、経験値かもしれない。 実力派申し分ないから、つい書いてしまったけど、まだ研3そこまでは、求める方が悪いね…
陽向春輝(アラン・ショレ)…なんとも愛らしいコメディリリーフ。それでいて、拵えは、鬘など実に色気があって、目が離せなかった。てか、一言言ってもいいかな。なんでやめちゃうのよーーー
有栖妃華(ベラドーヴァ/レミー)…ベラドーヴァ、素晴らしかった。最高です「天使の歌声」は彼女のためにある言葉、だと思った。
あと、ルドゥ警部を演じた諏訪さきの安定感にホッとしたのと、若き日のキャリエールを演じた真友月れあが、金髪がよく似合って、ボンボンな雰囲気がよく出ているな、と思ったのと、幼いエリックを演じた聖海由侑が、大熱演だったのと、従者の星南のぞみが、キレッキレのダンスで同期の綾ファントムを、全身で守り抜いていた姿に、うるっとなってしまった。
よき新公に乾杯
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