10月16日(火)、花組トップ娘役・仙名彩世が、祝祭喜歌劇『CASANOVA』(宝塚大劇場:2019年2月8日~3月11日、東京宝塚劇場:2019年3月29日~4月28日)をもって退団することを発表し、記者会見を行いました。
ということで、無事に退団記者会見も終了したみたいですね。
白いレースのワンピース姿で会見するゆきちゃんは、清楚で可憐。最後まで、自身の信じるトップ娘役の道をストイックに歩いていってほしいなと思います。
唯一無二・仙名彩世の足跡
2008年 3月、月組大劇場公演『ME AND MY GIRL』で初舞台5月、花組に配属。7月、『愛と死のアラビア/Red Hot Sea』東京公演から花組生として出演。ゆうひさんが居た時の花組、ですね
2009年 1月、大劇場公演『太王四神記』出演。2月、同東京公演出演。9月、大劇場公演『外伝ベルサイユのばら-アンドレ編-/EXCITER!!』出演。新人公演では、酒場の女役…というから、ヒロインのマリーズちゃんが働いていた酒場の同僚役ということかな。10月、同東京公演出演。
2010年 1月、バウホール公演『BUND/NEON 上海』で、バウホール初出演。参木競子役。3月、大劇場公演『虞美人』出演。新人公演で、若華役(本役=天咲千華)。4月、同東京公演。7月、大劇場公演『麗しのサブリナ/EXCITER!!』出演。新人公演でマリー役(本役=瞳ゆゆ)。この新人公演で、一期下の実咲凜音がヒロインを演じているので、やはり、仙名は遅咲きだったと言えるのかもしれない。9月、同東京公演。11月、全国ツアー公演『メランコリック・ジゴロ/ラブ・シンフォニー』出演。イレーネ役。ヒロイン・フェリシアの上司で、客席を笑わせる役どころ。前回、この役を演じたのが芸達者な初姫さあやで、そんな初姫のもとに、ツアーの各地から相談と報告のメールがあったという。初姫のアドバイスの結果、客席が大ウケだった時は、ものすごく嬉しそうなメールが届いた…なんてことを、さあや茶で聞いた。(ふと、思い出しました。)
2011年 2月、大劇場公演『愛のプレリュード/Le Paradis!!』出演。新人公演では、ケイト・キッシーナ役(本役=芽吹幸奈)。その大劇場公演と東京公演の間に東日本大震災が発生。仙名は、大きな被害を受けた名取市の出身。どれだけの思いで東京公演に臨んだのか…それを考えると胸が痛い。
3月25日から東京公演が行われるが、東京電力による計画停電が実施される中、多大な電力を使う宝塚歌劇は、この花組公演を全ステージチャリティ公演として行うことを発表した。トップスター・真飛聖のサヨナラ公演だったこともあり、公演の中止や短縮は難しかったというのもあるだろう。ただ、入り出は中止、全公演終演直後から生徒たちがロビーで募金箱を抱えてファンサービスを行った。そして、トップスターの真飛は、そのすべての公演でロビーに立った。
想像でしかないが、研4になったばかりの仙名は、故郷の惨状に胸を痛めながらも、トップスターというものの責務の大きさもまた、大きく心に刻んだのではないだろうか。(そういえば、私は、天真さんに募金したな…なんて思い出した。)
6月、大劇場公演『ファントム』出演。メグ役。「ファントム」のメグは、「オペラ座の怪人」ほど目立つ役ではないが、ようやく、役が付いた。新人公演では、歌唱力を生かせるカルロッタ役(本役=桜一花)。ようやく、仙名彩世の本領発揮できるチャンスに恵まれたようだ。8月、同東京公演。10月、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演『カナリア』出演。ヴィノッシュ/サリー役。初演時に遠野あすかが演じた素っ頓狂な役。あれあれ…なんだかコメディエンヌ路線…11月、同東上公演(日本青年館大ホール)。
実は、この公演の裏で、花組は北回りの全国ツアー公演を実施していた。宮城県での上演はかなわなかったが、慰問に訪れている。同じく宮城県出身の美花梨乃はこの慰問に参加しているのだが、仙名はどんな思いで「カナリア」に出ていたのかな…と、ふと考える。そんな巡り合わせも、今の彼女を作っているのかもしれないな。
2012年 1月、大劇場公演『復活/カノン』出演。新人公演でアニエス役(本役=月野姫花)。2月、同東京公演。4月、全国ツアー公演『長い春の果てに/カノン』出演。女優のシモーヌ役。そういえば、この役は、初演(2002年月組)では、紫城るいが演じている。紆余曲折の末、トップ娘役になる人の役なのかもしれない。短い出番だが、鮮烈な美しさで印象を残す。7月、大劇場公演『サン=テグジュペリ/CONGA!!』出演。デージィー役。新人公演ではノエル役(本役=華耀きらり)。9月、同東京公演。11月、バウホール公演『Victorian Jazz』出演。アリス・ケッペル役。実在のエドワード7世の愛妾役。またまたコメディエンヌ気質が生きた作品。
2013年 2月、大劇場公演『オーシャンズ11』出演。3ジュエルズの一人、エメラルド役。芽吹幸奈、菜那くららとトリオで歌い、作品を盛り上げる。新人公演では、クイーン・ダイアナ役(本役=桜一花)。3月、同東京公演。6月、バウホール公演『フォーエバー・ガーシュイン』出演。ケイ・スウィフト役で、バウホール初ヒロイン8月、大劇場公演『愛と革命の詩/Mr.Swing!』出演。ルル役。新人公演では、ベルシ役(本役=桜一花)。これで三度目の桜ポジション。10月、同東京公演。12月、バウホール公演『New Wave!-花ー』出演。
2014年 2月、大劇場公演『ラスト・タイクーン/TAKARAZUKA∞夢眩』出演。エドナ・スミス役。物語の展開に大きな影響のある役というのは、初めてだったのではないだろうか。新人公演では、ヴィヴィアン・コルベール役(本役=華耀きらり)。4月、同東京公演。6月、中日劇場公演『ベルサイユのばらーフェルゼンとマリー・アントワネット編ー』出演。モーロウ夫人/シルビア役。8月、大劇場公演『エリザベート』出演。ヴィンディッシュ嬢役。新人公演は、当然のようにゾフィー役(本役=桜一花)。10月、同東京公演。この公演で新人公演を卒業。新人公演では、ヒロイン役を演じることはなかった。
2015年 1月、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演『風の次郎吉』出演。手妻の幸役で、Wヒロインの一人同月、東上公演。3月、大劇場公演『カリスタの海に抱かれて/宝塚幻想曲』出演。イザベル・ブリエンヌ役。5月、同東京公演。7月、梅田芸術劇場メインホール公演『ベルサイユのばら/宝塚幻想曲』出演。オルタンス役。8月、同演目で、台湾公演に参加。10月、大劇場公演『新源氏物語/Melodia』出演。朧月夜役。
2016年 1月、同公演梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演『For the people』出演。メアリー・トッド役で、ドラマシティ公演単独ヒロインそっか、轟さんの相手役…という、トップ娘役の登竜門はくぐっていたのね
3月、KAAT神奈川芸術劇場での同公演にも出演。4月、大劇場公演『ME AND MY GIRL』出演。役替りで、ディーン・マリア公爵夫人とディス夫人を演じる。6月、同東京公演。8月1日、トップ娘役・花乃まりあ退団発表
9月、全国ツアー公演『仮面のロマネスク/Melodia』出演。トゥールベル夫人役。9月30日、次期トップ娘役就任発表
11月、大劇場公演『雪華抄/金色の砂漠』出演。王妃アムダリヤ役。
2017年 1月、『雪華抄/金色の砂漠』東京公演出演。3月、全国ツアー公演『仮面のロマネスク/Exciter!!2017』出演。新トップ娘役としてのプレお披露目公演。6月、大劇場公演『邪馬台国の風/Sante!!』出演。ヒミコ(マナ)役で、大劇場公演お披露目。10月、赤坂ACTシアター公演『ハンナのお花屋さん』出演。ミア・ペルコヴィッチ役。
2018年 1月、大劇場公演『ポーの一族』出演。シーラ・ポーツネル男爵夫人役。臈長けた美しさが際立っていた。2月、同東京公演。5月、博多座公演『あかねさす紫の花/Sante!!』出演。額田女王役。7月、大劇場公演『MESSIAH/BEAUTIFUL GARDEN』出演。流雨役。その歌声は、天から流れ落ちる雨のような美しさだった。9月、同東京公演。
10月15日、退団発表
今後の予定は、以下の通り。
(1)2018年11月30日(金)~12月9日(日)<舞浜アンフィシアター> スペシャルステージ『Delight Holiday』作・演出/稲葉太地
(2)2018年12月21日(金)~12月22日(土)<梅田芸術劇場メインホール> 『タカラヅカスペシャル2018 Say! Hey! Show Up!!』
(3)2019年2月8日(金)~3月11日(月)<宝塚大劇場> 祝祭喜歌劇『CASANOVA』作・演出/生田大和
(4)2019年3月17日(日)~3月18日(月)<宝塚ホテル> 仙名彩世ミュージック・サロン『Sen‐se』構成・演出/中村一徳
(5)2019年3月29日(金)~4月28日(日)<東京宝塚劇場> 演目は(3)と同じ
異色の経歴とメディア等に書かれていたが、こうして辿ってみると、あらためて、すごい娘役人生だったんだな~と感じる。
歌姫トップ娘役として、最後まで、華やかに美しく仙名彩世という生き方を貫いてください
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