以前、開演アナウンスへの拍手についての記事を書き、反響をいただいた。
そして、今回、雪組公演で新たな問題を見たと、思ったので、再び書かせていただくことにした。
※前回書いたことについては、重要な部分は繰り返しますが、詳細については、こちらをご覧ください。
開演アナウンスは、ただの案内放送である。他の劇場では、劇場スタッフによる生放送(数分前の注意事項と同様)、録音されたものを使っているところもある。わが宝塚では、このアナウンスを「トップスター」が務める、という慣例があるが、長らくトップさんが氏名を名乗ったくらいでは拍手しないことになっていた。
ところが、100周年を過ぎた頃から、開演アナウンスに拍手が入ることが多くなった。
その理由について、前回記事では推測してみたが、今回は割愛する。
そんな中、前回の月組公演「カンパニー」において、先にバレエ「白鳥の湖」の幕が上がり、ダンサーたちが踊り始めたところへ静かに開演アナウンスがかぶる…という新スタイルにより、どうにもこうにも拍手できない状況になっていた。
これを見て、どうしても拍手が入るのを防ぎたければ、こういうやり方があるんだな…と思った。
そして、今回の雪組公演「凱旋門」。
このプロローグは、まさしく「拍手しないでほしい」パターンの始まり方だ、と思った。
開演5分前に緞帳が上がり、指揮者の塩田さんは、開演前に登場して拍手をもらう。
いよいよ大戦に飲み込まれる寸前のパリ。静かに登場した通行人の動きがダンスになっていく、まさにそこに開演アナウンスが入ったから。
しかし、「専科の轟悠です」とアナウンスが入った途端、客席から大きな拍手が起こった。
なんか、これって、どうなんだろう…
そう思った時、舞台センターでライトを浴びる望海風斗にも大きな拍手が入る。
あ、そうか、ここで今作で2番手役を務める雪組トップスターに拍手が入るから、主演で、理事の轟には、それより前に拍手をする場所を設けなければならない…のか
てか、どんな作品も主演の人から舞台が始まるとは限らない。そのためにも、開演アナウンスで拍手しておく、という保険なのだろうか。
実は、望海には、役として登場する前にこうして歌い踊る場面がある。
しかし、轟は、最初からラヴィック(役名)として登場する。
役として登場する場合でも、スターが登場するたびに拍手が起こる芝居もないことはない。「ベルサイユのばら」なんかは、登場音楽に乗って現れる歌舞伎仕様なので、遠慮なく拍手していい。
しかし、「凱旋門」は、シリアスなミュージカルプレイなので、主役といえども、拍手がそぐわない。
そんなこんなで、開演アナウンスで拍手しなければ、拍手の場所がない…ということか
今回は、ショーにも出ないし。
でも…あのオープニングのアナウンスに拍手は、そぐわない
私が観た回だけなのかもしれないが、これは、けっこう深刻な問題になりそうな予感がする。
だって、「カンパニー」が再演されたら、今度は絶対拍手起きるってことだもんね…。(再演されるのか、は置いておいて)
※開演アナウンスへの拍手は日によって大きさが違う。もしかしたら、拍手しない…というのが、FC的には正解なのかも。そして、轟への拍手は、芝居の最後にハケる時の大拍手一回というのが正解かもしれない…と思ってしまった。
この記事へのコメント
ナナ
「神々の土地」公演時は、指揮先生がお辞儀で拍手→音楽が流れる→朝夏さんの挨拶
という展開でしたが、初日から(楽はさすがに拍手あり)拍手は起こりませんでした。
これ、トップスターFCから「演出の都合上、拍手ばご遠慮ください」っていう指示が出ていたんです。
つまり上田先生がおっしゃったということなんでしょう。そこまでしないと拍手を留められないところまで来ているんだろうな…と感じました。お芝居の世界に入る肝心なところで、拍手でかき消されては台無しですもの。
メサイアは最初から最後まで大拍手。正直言って、言葉は悪いですが耳障りでした…。
夜野愉美
コメントありがとうございます。
違和感を持っているの、私だけではないのですね。
「神々の土地」については、たしかにFCからの指示があったそうですが、上田先生の意向ではなかったようです。そのようなコメントを前回記事の時にいただきました。そちらも、よかったらご覧ください。文中「こちら」のところをクリックしていただくとリンクが飛ぶようになっています。
メサイアについては、これから確認したいと思います。