久しぶりにWOWOWの連続ドラマWを見た。
「イノセント・デイズ」全6話だったが、録画してほぼ一気に見た。
基本、新井さん目当てなのだが、死刑囚が無実だったというテーマなので、「新井さん素敵だった」では終われない。
真実が明らかになってなお、死刑になることより、もう一度世間に戻ることの方が怖いと言うヒロインは、最終回で刑を執行されてしまう。
WOWOWだからこそできる結末というか、こういう作品は、地上波で放送するのは難しいだろう。それくらいに後味が悪い。そのため、真犯人は既にこの世の人ではない、という結末は示されているが、えん罪の問題はそっち側だけではない。
死刑というのは、死をもってあがなう以外に手段がないほど凶悪な犯罪にのみ適用される。とはいえ、執行するのは、刑務官。我々と同じ普通の人間だ。彼らが、執行のボタンを押せるのは、裁判という過程を経て、有罪が確定し、その犯した罪に対して死刑という判決が下された凶悪犯だからだ。
彼女の無実を知ってしまった刑務官は、執行には関わらないが、「連行」を任命され、それだけでひどく取り乱す。
もちろん、日ごろ、死刑囚にかかわっているだけでも、思うところはあるだろう。相手がやがて絞首台にのぼるということは、どうしても脳裏を離れないと思う。どんな凶悪犯でも人間なのだから。
それでも時が来たらボタンを押せるのは、それが「正しい」と信じられるからだ。
無実の人間の死刑を執行したと知ってしまったら、もう、刑務官として生きていけない。自分のことしか考えずに死刑という手段で自殺したヒロインは、周囲の何人もの人々を絶望のどん底に陥れた。
その中には、孫の罪を庇い続けた祖母も含まれる。彼女は真実を告白してやっと救われたと思ったのではないだろうか。
もしかしたら、彼女のせいで後味の悪い人生を送らざるを得なくなった人々の思いゆえに、彼女は死なねばならなかったのだろうか。
慎ちゃん(妻夫木聡)が、ラストシーンで、ちゃんと生きていきそうな雰囲気だったことだけが、救い。
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