崩壊シリーズ
「リメンバー・ミー」
作・演出:オークラ
美術:小林奈月
照明:松田かおる
音響:長野朋美
衣裳:四方修平
ヘアメイク:平野仁美
振付:Cha
アクション指導:富田昌則
演出助手:宮森かわら、道場禎一
舞台監督:兼安凌平
この舞台、「崩壊」シリーズの第2弾で、前回は、イギリス演劇の翻案だった。前回の感想はこちら。
なのに、同じ設定でオリジナル第2弾が普通に作れる…って、二次創作なのか(笑)それとも、前回作品がそもそも原作からだいぶ逸脱していたってことなのかな。あるいは、原作の上演権がかなり緩いとか…。
「THE PLAY THAT GOES WRONG」(原題)というイギリス演劇は、けっこう世界中で上演されているようなので、自由に上演させるスタイルなのかもしれない。舞台写真を見る限りでは、設定は、一応前作「九条丸家の殺人事件」に似ているようだったけど…。
荻窪遊々演劇社という、なんとなくどこかで聞いたような名前の劇団。前回公演で結婚を決めた座長の栗須(山崎樹範)と、舞台監督の杏里(上地春奈)。しかし、杏里の父は演劇やっている栗須になんか娘はやれないと言う。でももし次の芝居で自分を泣かせたら、考え直してもいいらしい。
その、重要な“次の芝居”である「リメンバーミー」の初日。客席には、杏里の父(が居る体)。しかし、舞台上には、相変わらずのメンバー。栗須と杏里の結婚を祝って開演前の舞台上でサプライズのフラッシュモブをやったりしている。(緊張感ゼロ)音響・照明担当の鳥場(伊藤裕一)は、風邪で絶不調。そんな中、女優の愛(彩吹真央)がいまだに栗須を好きなのではないか、という疑惑が浮上して、嫉妬深い杏里はブチ切れる。杏里がキレると、大変なことが起るというのに…はたして舞台は無事に終幕するのか、そして、杏里の父は栗須を認めてくれるのか。
2回目ともなると、様々なことが既に「お約束」になっている。
杏里の嫉妬によって舞台が崩壊するとか。その対象はいつだって、元キャバ嬢の愛(彩吹)とか。
よくよく考えるとダメな話だと思うのね。
舞台人が舞台を破壊させちゃダメ。
なんだけど、逆にすごいと思ってしまう。
毎日これだけ崩壊させて、復旧して、を繰り返せるセットの素晴らしさ、そして、出ハケのタイミングの絶妙さ
だって、歩いてきたとこにドアが開いて脳震盪とか、タイミングを外したら、大惨事。でも、すべてカンペキ
完璧に崩壊するからこそスッキリするし、スッキリするからこそ、プログラムで上地春奈さんが言っているように、きっと杏里ちゃんは、プロの舞台監督じゃなくて、普段は別のお仕事をしていて、でも栗須さんのことが好きだから、彼のためにセットまで作ってあげちゃうんだろうなぁ~だから、プロ意識がなくてもしょうがないんだよなぁ~と思えるのだ。(観る側が勝手に補完してしまう)
ただ…今回は、残念ながら、ゆみこさん(彩吹)の素晴らしい脚が見られなかった。これも、お約束にしていただけるとありがたいのだが。あと、ヤマシゲさん、ちょっと太ったかなぁ
出演:山崎樹範、松下洸平、味方良介、上地春奈、大水洋介(ラバーガール)、伊藤裕一、彩吹真央、梶原善
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