「キャロル」ときめきアクティブ上映会レポ

ゆうひさんが、映画「キャロル」の“ときめきアクティブ上映会”というイベントに参加、短い時間だったが、いろいろお話ししてくれた。
今回の“ときめきアクティブ上映会”は、キャパシティ100名程度の空間で、あくまでも映画や原作本についてのトークで、大空ゆうひさん的に、なぜこの仕事を受けたんだろう…と、実は不思議だった。
もちろん、主催者側の北條さんは、大空さんの尊敬するアーティストであり、ライブMojiCAを作ってくれた同志でもあるので、「頼まれたから…」というのもひとつの立派な動機ではある。でも、それだけで…?そんなに義理堅いタイプなのかなぁ~[exclamation&question](失礼[あせあせ(飛び散る汗)])と思いながら会場へ。


ゆうひさんは、白のシンプルなチュニックに黒っぽい長めのネックレス、髪は下ろしていて、若干明るい色だった。足元は、ちょっと柄の入ったレギンスにサンダル。


ゆうひさん、いつも通り、控え目に、質問に対して的確に(盛ることもなく、引くこともなく)回答をしていた。映画「キャロル」についても、原作についてもよく知っていて、翻訳の先生が登場人物の名前をど忘れした時も、助け船を出していたり…あぁ、ちゃんと観てるんだな、読んでるんだな…しかも、今回のトークの前にもう一度、予習とかしてるよな…[ひらめき]とわかった。どんな仕事に対しても誠実なんだな、と。
すごくふんわりと存在していて、元トップスター!的重圧を感じさせないのも見事[ぴかぴか(新しい)]
ちなみに、ゆうひさんが「キャロル」を見た理由は、「ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラが好きだから」ということなんだけど、ケイトに関しては、それだけでなく、彼女がエグゼクティブ・プロデューサーとしてこの映画に関わっていることに言及し、進行役の北條さんと共に、ハリウッドにおける女優の地位みたいな話を少しされていたのが印象に残った。
ハリウッドでは、俳優が映画製作に関わるケースが多い。映画監督としてもヒットを飛ばし続けるクリント・イーストウッドは有名だが、プロデューサーとして、自分が主演する映画にコミットする人も多い。トム・クルーズは、その代表格だろう。やりたい映画に出るためには、自分が製作するしかない…というハリウッド事情が透けて見える。
女優だって、同じ思いを抱えているだろう。特に年齢が上がるにつれ、主演映画に呼ばれる可能性は、ガクンと下がる。
ケイト・ブランシェットは、自身が主演する映画を自分で作りたいと願い、そして、「キャロル」の製作にコミットした。でも、構想から15年かかったという。ケイトほどの大女優でもそうなのか…というところにハリウッドの闇が見える。
(構想から15年かかったと思うと、今なおお美しいとはいえ、とても4歳児の母親に見えないケイト様がこの役を演じた執念を感じる。)
日本の演劇界で頑張っているゆうひさんが、ケイトのそんな部分に惹かれたというのは、すごくわかる気がした。
女優が主演の舞台は、待っていては、向こうからやってこない。自分がやりたい芝居は自分で探すしかない。その茨の道を行くケイト様の凛々しい姿をお手本にしようとしているのなら、こんなに素敵なことはないと思った。

一方、この映画は、1950年代の超保守的なアメリカで、同性愛はなんかの病気という価値観の中で揺れ動くキャロルという女性を中心にストーリーが展開していく。
(彼女の回りの女性といえば、「うちの嫁が変な病気になって可哀想」と信じて疑わない義母、吹っ切れて同性愛者としての人生を極める気満々の元恋人、そして、一途に自分を愛し、疑いなどみじんも持ちえない現恋人。そんな中、キャロル一人が揺れている。恋愛を貫けば、一人娘の親権を失う。女性としての愛と母親としての愛が両立できない。そんな心弱き女性でもあるキャロルを、心の中まで体幹が通っていそうなケイト様が演じているところが、すごーくミソだと思います。)
そんな作品を、かつて日本中の女性を本気で落としにかかっていただろう、大空祐飛さん⇒現在は大空ゆうひさんが、どう肯定するのか、あるいは特殊化するのか…というところにも、私は注目していた。
これについては、特殊な設定ではなく「普遍的な愛の物語」とそれに付随する障害というような視点で、この映画を考えている、というような、常識的な回答。ま、そうですよね。ゆうひさんのジェンダー論、すごく興味あるけど、こんな短い時間で語りつくせるとも思えないし、これがベスト回答でしょう。


ケイトの体幹とか筋肉とか背中とかハイヒールを履いた時の身のこなしとか、タバコの持ち方がエレガントとか…女優ならではの視点がとても面白かった
で、ケイトが、手を使わずに立ち上がるシーンの美しさについて、北條さんが言及された時、前にこの映画を見ている全員が肯いたと思うが、ゆうひさん、「どのシーンか、すぐにわかるなんて、みなさんすごいですね[ひらめき]とコメントしていて、あー、この人はそれができるんだな[exclamation×2]と逆に思った。
出来ない人は、というか、出来ないだろうなと自分を見ている人は、絶対、一度目で「ケイト立ったよ、すげー[目]」と、記憶に残っているから。


あと、若さゆえの一途さを見せるテレーズの魅力も熱く語っていて、二人の主人公のそれぞれに感情移入しながら見ていたんだな…と思うと、ゆうひさん、ほんとに女優さんなんだなーと、あらためて感慨深く感じたりして[わーい(嬉しい顔)]
5年前までは、映画を見ても男性役の方ばかり見てるって言ってましたもんね[るんるん]


で、映画の一番の見どころについて、「最後のキャロルの表情[黒ハート]」と、私の感想と同じだったことが、めっちゃ嬉しかったです。あ、私の感想はこちらです。


北條さんから、ぜひ、キャロル役をやってほしい…みたいな言葉があって、私もゆうひさんなら、キャロル、似合うんじゃないかな…[ひらめき]と、全面的に賛成[グッド(上向き矢印)]
ま、ゆうひさんがキャロルだと、私の中でテレーズは、すみかちゃん一択になっちゃうけど[るんるん]


 と、いつまでもゆひすみForeverな、私なのでした[わーい(嬉しい顔)](すみかちゃんも、ブログで、以前「キャロル」の素晴らしさを語っていましたよね[るんるん]


もう一人のゲストの柿沼先生(小説版「キャロル」の翻訳者)のノリの良さが素晴らしくて、先生のトークもツボがいっぱいでした[黒ハート]

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