橋爪さんの朗読劇を観た後、原作本を購入し、読破。その感想を書いていなかったので、ミニ感想を。
今回の作品は、シーラッハ作品初の戯曲形式になっている。
法廷劇。舞台は、法廷のみ。
そして、休憩時間に観客に採決の投票をしてもらい、その結果を上演する。つまり、結末は2通りある。舞台では片方しか観られないが、本には両方の結末が記載されている。で、終演後、ロビーで、「反対側の結末も読めます」と言って売る。うまい手だ。
橋爪さんが演じた舞台は、この脚本のままではなく、少し刈り込まれていたらしい。
(演出の深作さんの意図がちょっとあったのかな…みたいな気がしている。まんまと乗せられたかも…)
私が観た時は、「有罪」版だったが、「無罪」版も読めて良かった。
なるほど、どちらも納得できる判決になっている。というか、「無罪」の判決理由が、なるほどそういうことか…と思った。この考え方がドイツ人なんだろうな、と思った。
そもそも矛盾を孕んだ法律。軍人とはいえ、ひとりの国民がその矛盾の全責任を負うことは、道義的に許される問題ではない。それは、国家が背負うべき矛盾である、ということか。
ただ、私は、この事件で夫を失った証人の言葉が、頭を離れなかった。
みんな、そう言うんですよね。「申し訳ない」って。口ばっかり。
おススメです。
ぶっちゃけ、「禁忌(TABU)」より気に入ってます。
“今日は何の日”
【10月26日】
茨城県東海村で、日本最初の原子力発電がおこなわれた(1963=昭和38年)。
原子力発電の歴史ってここまで遡れるんですね。
まさか、あんな事故を予見してはいなかったのでしょうね。
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