「リバー、流れないでよ」
鳥ちゃん(鳥越裕貴)ファンとして、そろそろ見に行っておかねば…くらいの気持ちで、見に行ったら、完全にハマってしまった。めちゃくちゃ面白いです。
「リバー、流れないでよ」は、京都を中心に活躍する、ヨーロッパ企画という劇団が制作した2本目の映画。1本目の「ドロステのはてで僕ら」は、コロナ禍にあってヒットはしなかったものの、海外の映画祭で絶賛されたらしい。今回の「リバー、流れないでよ」は、下北沢トリウッドと東宝という映画界かつてないタッグによって、めっちゃマイナーな内容ながら、東宝系シネコンでの拡大全国上映が可能になり、これこそ、デジタルとシネコンがよき方向に流れた例だなと思った。フィルム時代なら、いくら最高の配給網を持っていても、プリントしたフィルムの数だけしか同時上映ができないし、プリント自体が大きなリスクになる。(高額で、場所も取る)が、デジタルプリントは、フィルムより簡単かつ安価で配給ができるし、シネコンという、ひとつの作品を一日一回かけるだけでもいいシステムであれば、大博打の映画を配給網の片隅に放り込むことができる。
俳優陣は、基本的にヨーロッパ企画専属の俳優が中心となり、客演もネームバリュー先行の大スターを投入するわけではない。撮影場所は、京都・貴船にある割烹旅館と貴船神社周辺のみ。そんな映画が、死ぬほど面白い。ある瞬間から、2分間のループ地獄に陥ってしまった貴船周辺の人々。13時56分~58分の間をものすごい回数周回する。それを「ほんとに2分間の一発撮り」で撮影するという、たぶん誰も得…