「オイディプス王」初日

パルテノン多摩「オイディプス王」初日を観劇してきました。 日本で最も多く上演されているだろうギリシャ悲劇の傑作。神ではない人間は、どんなに賢くとも、運命に翻弄される。ギリシャ悲劇では、運命というよりは、オリンポスの神々の気まぐれ…か。 翻弄され続ける人々の心の痛み、諦念、そして、高貴な人々の、それゆえの苦しみなどがストレートに伝わる舞台だった。大昔の、何度も観た、ストーリーも知っている物語なのに、出演者の魂から噴き出すような膨大なセリフに圧倒され、2時間の上演があっという間だった。コロスの重厚さ。集団でなく、一人一人の積み重なりという感じ。すごい役者がワンポイントで次々登場する贅沢さ。そして、メインキャストが、今、まさに起きている芝居のように、言葉を紡いでいく。血を吐くように。 今夜は眠れそうにない。 オリンポスの神殿に参ったような気分ー

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