「最後の医者は桜を見上げて君を想う」観劇

舞台「最後の医者は桜を見上げて君を想う」 原作:二宮敦人『最後の医者は桜を見上げて君を想う』(TO文庫刊)演出:岡村俊一脚本:久保田創 美術:OSK 音響:山本能久 照明:熊岡右恭 衣裳:佐藤憲也(東宝舞台) 映像:ムーチョ村松 舞台監督:中島武 宣伝美術:二宮大、高橋みづほ 宣伝写真:天野莉絵 音響協力:SEシステム 映像協力:トーキョースタイル 運営協力:K&N 協力:アール・ユー・ピー 主催:TOブックス  武蔵野七十字病院を舞台にした、生と死をめぐる医者と患者の物語。「人間はいつか死ぬ。しかし、それはずっと先のこと」と問題を棚上げにして生きている、まだ若い人々に突然襲いかかる死に至る病。その時、人は何を選択し、医者は何と戦うのか。この病院に、一風変わった医者がいる。名は、桐子修司(山本涼介)。皮膚科の医師ということになっているが、とても診察室とはいえないような場所に、看護師一人だけを付けられて、勤務している。その看護師、神宮寺千佳(本西彩希帆)も、実は、桐子の監視役らしい。そんな桐子の裏の顔は、患者に本当の病状と今後の可能性を余さず伝え、「最後まで戦わない選択肢を提示する」、別名“死神”。院長の息子で、現在副院長の外科、福原雅和(細貝圭)は、生存の可能性が1%でもあるなら、それに賭けるべきだという信念を持っているし、病院の名誉のためにも、勝手に退院して死んでしまう患者を増やすわけにもいかない。桐子の行動を監視し、副院長として指導を続けている。正反対の考えを持つ二人だが、実は、同じ医大…

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「桜文」観劇

パルコ・プロデュース2022「桜文」作:秋之桜子 演出:寺十吾 久々のPARCO劇場公演観劇。 まずは、公演ドリンクをいただいて、作品世界にGO! 明治末期の吉原(新吉原)を舞台にした、一人の遊女(花魁)をめぐる物語。桜雅(おうが)という名の花魁(久保史緒里)は、かつて、雅沙子(まさこ)という名で、一時的に遊郭に預けられていたお嬢様だった。しかし、彼女を迎えに来るはずの父親は破産、雅沙子は、花魁として客の前に出る身となる。雅沙子が、まだ、身を売る前、桜の季節に木を植えに来る職人がいた。大門から連なるメインストリートに、期間限定で植えられる桜の木々。その植木職人の中に、仙太(ゆうたろう)という少年がいた。彼は、ひとりぼっちの雅沙子に桜の綺麗な場所を教え、雅沙子と心を通わせていた。しかし、雅沙子が突然、客を取ることになり、驚いて、彼女に一目会おうとしたところを、殺気立った店の男衆に殺されてしまう。その日から、桜雅となった雅沙子は、二度と笑うことはなかった。桜雅に入れあげている紙問屋の西条(榎木孝明)は、桜雅のために花魁道中を企画するが、そこへ走り出てきた、東新聞の臨時雇い記者(実は小説家)、霧野一郎(ゆうたろう)を見て、桜雅は気を失う。仙太に瓜二つの霧野は、桜雅に気に入られ、霧野もまた、花魁なのに、明治の世ではまだあまり知られていない海外の文学にも造詣の深い桜雅にぞっこんになっていた。ある日、桜雅は、誰にも話していなかった仙太との淡い恋の物語を巻紙にしたため、霧野に贈る。その悲しい物語を読ん…

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8月の状況

もはや、緊急事態宣言もまん防もない世界。でも… 8月は厳しかった。過去最大の感染者数が更新され続ける中、舞台も大きな打撃を受けた。特に、東京宝塚劇場で上演された宝塚花組公演「巡礼の年/Fashionable Empire」は、7月30日(土)~9月4日(日)という公演期間だったはずが、実際に上演できたのは、8月14日15:30~8月19日と、9月4日の大千秋楽のたった8公演…これは、本当にキツかった… 観劇できなかった作品…「ゲゲゲの鬼太郎」(明治座)、「巡礼の年/Fashionable Empire」(東京宝塚劇場)、「漆黒天」(サンシャイン劇場)、「ワールドトリガー」(品川プリンスホテルステラボール)、「クアンタム」(紀伊國屋ホール)このうち、本当に、まったく観ることが叶わなかったのは、「漆黒天」だけではあるが、それが何度か観るうちの一回だったとしても、楽しみにしていた公演が中止になるショックは、その一回一回が、かなりの重みを持っている。本当に8月はキツかった… 視聴した作品…「ワールドトリガー」(千秋楽ライブ配信)千秋楽の京都公演をライブ配信で観た。一度は東京公演を観てはいたのだけど、休演を経て、より結束が強くなったボーダーの戦いをしっかりと目に焼きつけることができた。 普通に観劇できた作品…「TMNetworkコンサート」(東京国際フォーラムホールA)、「クアンタム」(紀伊國屋ホール)、「ワールドトリガー」(品川プリンスホテルステラボール)、「白が染まる」(駅前劇場)、「ミス・サイ…

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「ガマ」観劇

「ガマ」 脚本:古川健演出:日澤雄介舞台美術:長田佳代子美術助手:小島沙月照明:松本大介照明オペレーター:長谷川楓音響:佐藤こうじ音響オペレーター:泉田雄太音楽:佐藤こうじ衣装:藤田友沖縄ことば:今科子小道具製作:佐藤区役所舞台監督:本郷剛史、藤本貴行演出助手:石塚貴恵演出部:椎木美月、安原あいか、浦田大地、いまい彩乃スタンドイン:古瀬大樹、小川哲也(平泳ぎ本店)、須藤瑞己宣伝美術:R-design写真:池村隆司撮影:神之門隆広、与那覇政之、松澤延拓、大竹正悟、遠藤正典タブレット字幕:G-marc(株式会社イヤホンガイド)web:ナガヤマドネルケバブ制作協力:塩田友克、瀬上摩衣制作:菅野佐知子 <配役>東秀達…岡本篤(劇団チョコレートケーキ)安里文…清水緑山城松介…西尾友樹(劇団チョコレートケーキ)岸本昭吉…青木柳葉魚(タテヨコ企画)井上市太…浅井伸治(劇団チョコレートケーキ)知念孝元…大和田獏声…アリソン・オパオン、東谷英人、粟野史浩、今里真、緒方晋、照井健仁、村上誠基、黒沢あすか、椎木美月、蓑輪みき、本宮真緒、谷川清夏、中野亜美、中神真智子、柳原実和、永田理那、宇田奈々絵、麗乃 劇団チョコレートケーキが、東京芸術劇場のシアターイースト、シアターウエストを同時に使って「戦争」関連作品六作を一挙上演する企画「生き残った子孫たちへ」をこの夏観劇することにした。とはいえ、このうち、5篇は再演作品で、今回観劇した「ガマ」だけが新作とのこと。(私は全部初見でした!)そして、この「ガマ」だけが、現在進…

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2023年ラインアップ発表 その4

2023年 公演ラインアップ【宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演】 2022/09/06 2023年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。    雪組公演 主演・・・彩風 咲奈、夢白 あや 宝塚大劇場:2023年4月~5月(予定)東京宝塚劇場:2023年6月~7月(予定) ミュージカル浪漫 『ライラックの夢路』 -ドロイゼン家の誇り- 作・演出・振付/謝 珠栄 19世紀初頭のヨーロッパを舞台にした謝先生のオリジナル作品ということでいいのかな新トップコンビのお披露目作品なので、悲劇調の作品ではなく、あったかい作品だといいな。 ファッシネイト・レビュー 『ジュエル・ド・パリ!!』 -パリの宝石たち- 作・演出/藤井 大介 彩風咲奈と夢白あやの新トップコンビのお披露目、かつ、第109期初舞台生のお披露目公演。華やかなショーになりますように

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「ミュージカル刀剣乱舞・鶴丸国永&大俱利伽羅双騎出陣」ライビュ観劇

ミュージカル刀剣乱舞「鶴丸国永 大俱利伽羅 双騎出陣 春風桃李巵」 千秋楽のライブビューイングを鑑賞した。今回は、チケット完敗でした… タイトル「春風桃李巵(しゅんぷうとうりのさかずき)」は、伊達政宗の漢詩から採られている。もとの詩は以下の通り。四十年前少壮時功名聊復時私期老來不識干戈事只把春風桃李巵四十年前の若い頃は、自分でもけっこうイケてるし、いいとこまで行くんじゃないかと思っていたが、年を取った今では、とんと戦もなく、盾や矛を持っていた手に、ただ春風桃李を愛でる盃を持っていることよ。遅れてきた戦国武将と言われた伊達政宗らしい漢詩だ。 今回の出陣は、伊達政宗をめぐる出陣なのだが、「いつ」なのかが分かっていなかった。そんなわけで、出陣する鶴丸国永(岡宮来夢)と大俱利伽羅(牧島輝)は、伊達政宗の生涯を見守ることになる。ミュージカル刀剣乱舞の出陣は、時として、長い年月行きっぱなしの遠征になる。刀剣男士たちは、過去に飛ぶことができるわけだが、行先の「時」は選べても、戻り先の「時」は選べないのだろうか。たとえば、2205年9月1日に出発して1567年9月5日に到着、1636年6月27日まで滞在(69年弱)して2205年9月2日に戻ることはできないのだろうかなんとなく、長期の遠征になると、本丸でもそれなりに月日が経っているように描かれているが。とはいえ、人間である審神者を相手にしている以上、69年後に戻ってくるわけでもないだろう。前回の本公演もけっこう長尺の旅だったし、今回も伊達政宗の生涯を追う物語…

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宝塚花組東京公演「巡礼の年/Fashionable Empire」観劇

ミュージカル「巡礼の年~リスト・フェレンツ、魂の彷徨~」 作・演出:生田大和作曲・編曲:太田健、斉藤恒芳音楽指揮:西野淳振付:御織ゆみ乃、上口耕平装置:國包洋子衣装:有村淳照明:笠原俊幸音響:大坪正仁小道具:太田遼歌唱指導:堂ノ脇恭子 週に一度は観劇するつもりが、一度しか観劇できなかったおそらくそれすらも、幸運なのだろう。一ヶ月強公演が予定されていたのに、実際に公演できたのは、8月14日15:30公演から8月19日まで、そして9月4日の大千秋楽の8公演だけだったのだから。 「巡礼の年」は、作曲家・ピアニストとして活躍したフランツ・リストの物語。サブタイトルに「魂の彷徨」とあるように、魂の物語でもある。リストの活躍した時代のパリは、王政復古の時代だった。とても危ういインターバルのような時代。フランスは、100年ほどの間に、王政⇒共和制⇒帝政⇒王政復古⇒共和制⇒帝政⇒共和制という形で政治が動いており、革命騒ぎもしょっちゅう起きていた。一度革命を起こされ、奇跡的に復活した王制なのだから、過去の反省の上に立って、少しは質素な生活を送ればいいのに、相変わらず連夜の舞踏会三昧な貴族たち。社交界の中心にいるのは、ラプリュナレド伯爵夫人(音くり寿)。パリ高等音楽院に入学できなかったフランツ・リスト(柚香光)は、共に入国した父を失い、以後、貴族のパトロンたちの庇護を受けながら、日々を過ごしていたが、夫人のツバメになることで、一躍、社交界の寵児となった。パーティーや舞踏会に招かれると、アクロバティックな演奏と美…

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ミッキーとドナルド

1年ぶり…までは行かないけど、去年のクリスマスぶりくらいで、東京ディズニーランドに行ってきた。今回は、15年ぶりくらいの、お子様連れ(笑)宝塚関係の友人の披露宴で、たまたま同じテーブルになったご縁が続き、お子様のディズニーデビューを一緒に体験してきました。 朝7時半に待ち合わせして、オープン前から開園を待つ…とか、え、何年振りなことをして、オープンと同時に向かったのは… こちらです。 前回行ったのは、やはり、お子様連れだった20年近く前。あの頃は、プラザの方までファストパスのキューラインがつながっていたような記憶が…。そんなわけで、全然内容も覚えていなくて、新鮮に楽しかったです。(もしかしたら、その間にも経験してるかもしれないけど、今は成人している友人の息子が、あまりに長い待ち時間で、並んでいるあいだにべそかいたりして、すごくその時の記憶が鮮明で、ほかの記憶は全部飛んでます。)ちなみに、今回は、20分くらいの待ち時間でした。 次は、ミッキーに会いに行った。私は、初めて行きました。ミッキーの家。こういうの、子供の付き添いがないと、大人(というかおばさん)はなかなか行きづらかったりしませんか なんか、わくわくしてきた。 あ、ホンモノだ。 かわいい 今は、帽子を挟んで、ソーシャルディスタンスでの撮影になっています。(右側に少女のように目がキラキラした私もいますが、それはカットさせていただきました。) ドナルドにも会いに行きました。 こういうのもお子…

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「誰かが彼女を知っている」

演劇ユニット100点un・チョイス!第18回公演「誰かが彼女を知っている」 作・演出:相馬あこ 舞台監督:今泉馨、長沢涼音(P.P.P.)照明:青木大輔、大島由香恵音響:(有)ALLEX演出部:掛橋七海、渡部真也(100点un・チョイス!)ビジュアルデザイン:ngsmプログラムデザイン:太田明日香スチール撮影:溝口拓記録撮影:TWO-FACE宣伝メイク:堀江裕美票券:高岩明良 制作:松本匡平(100点un・チョイス!)企画・制作:演劇ユニット100点un・チョイス! 昨年、三上俊と夫婦役で私のハートを射抜いた花奈澪が、今度は、多田直人と共演してくれた。どうやら、私の推しを総なめしてくれるらしい。早く、大空さんとも共演してください ある朝、同棲中の彼女、新田花乃(相馬あこ)がいなくなった。古賀大和(多田直人)は、警察に捜索願を提出し、刑事の野村(近江谷太朗)と江藤(阿瀬川健太)が調査している。心配して、花乃の同僚で大和とも面識がある高木啓太(松村優)と花乃のアシスタント・葉月杏奈(花奈澪)が大和のマンションを訪れた。マンションの住人で、やたらと花乃に近づいていたらしい流川(我善導)や、花乃をお水のアルバイトに誘った玲奈(神屋敷樹麗)や、地下アイドルらしい光莉(熊手萌)が入れ替わり立ち替わりやってきて、捜査の邪魔をするし、生命保険会社の加藤という男(清水弘樹)は、花乃が1億円の保険に入ろうとしていたと言う。花乃が捨てる予定だったゴミは花乃の妹の千夏(大坪あきほ)が持ってきたパンはとなくなった…

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「8人の女たち」観劇

「8人の女たち」 原作:「HUIT FEMMES」by Robert THOMAS上演台本・演出:板垣恭一翻訳:山口景子美術:乘峯雅寛照明:三澤裕史音響:友部秋一音楽:かみむら周平衣裳:十川ヒロコヘアメイク:佐藤裕子アクションコーディネーター:渥美博振付:当銀大輔美術助手:酒井佳奈演出助手:高野玲舞台監督:藤崎遊 著作権代理:(株)フランス著作権事務所企画・制作・主催:梅田芸術劇場 ロベール・トマのミステリを元宝塚のトップスター、トップ娘役だけで上演するという企画作品。出演は、上級生順に久世星佳(月)・真琴つばさ(月)・湖月わたる(星)・水夏希(雪)・夢咲ねね(星)・蘭乃はな(花)・珠城りょう(月)・花乃まりあ(花)。トップになった組は、宙組以外わりとバラけているが、月組ファンとしては、月組っぽい布陣だな~と感じる。各人が月組に出演した年を黄色で塗ってみた。わたるさんは特出経験あり、花乃まりあちゃんは、初舞台が月組なんですよね。 勝手にゆうひさんを入れてみると、らんちゃんまでは、ゆうひさんと一緒に月組の舞台に立ってますね。(クリックしたら、表の全部が見えると思います。)わたるさんは、専科時代に「長い春の果てに/With a song in my Heart」で。(ちなみに、かのまりちゃんは、宙組時代に同じ舞台に立っているので、まったくすれ違ったのは、珠城さんだけですね。一応、ナイスリー時代のゆうひさんのファンでいてくれたと聞いているので、まったく無関係ではないと信じたいですが。) 1…

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