宝塚花組東京公演「アウグストゥス」観劇
ドラマ・ヒストリ「アウグストゥスー尊厳ある者ー」
作・演出:田渕大輔作曲・編曲:青木朝子編曲:植田浩徳、多田里紗指揮:塩田明弘振付:御織ゆみ乃、桜木涼介、KAORIalive擬闘:栗原直樹装置:大橋泰弘衣装:有村淳照明:佐渡孝治音響:大坪正仁小道具:太田遼映像:溝上水緒歌唱指導:飯田純子演出助手:竹田悠一郎舞台進行:出合史奈
今回の花組公演、トップ娘役の華優希と、2番手男役の瀬戸かずやが同時退団する公演となっている。トップスターのサヨナラ公演ともなると、サヨナラ仕様のドラマが作られたりするが、トップとともに作品の主軸を担ってきたトップ娘役とか、2番手スターとかのサヨナラは、特に配慮されていると思えない。もちろん、トップスターと違って、退団時期をだいぶ前から調整したりはしないので、「作品が決まってしまっている」のが現実なのだろうとは思う。が、作品は決まっていても、脚本とか演出とかでいくらでも手当はできるんじゃないだろうかそういう意味で、禍根を残しそうな作品だということは、まず言っておきたい。
古代ローマ帝国最初の皇帝となるオクタヴィウスの若き時代から、皇帝(実際には、“尊厳ある者”という意味の“アウグストゥス”と呼ばれる)に即位するまでを描いた物語で、トップ娘役の華は、三頭政治を司った一人、ポンペイウスの娘のポンペイアを演じるが、この役は、オクタヴィウスと恋愛に至る関係ではなく、そういう意味では、新しいトップ娘役としての在り方を示した作品になったかもしれない。だったらもう少し出番はほしかったけ…