XXX
タイトルの「XXX」、キスという意味があります。英語の手紙のラストに時々、「XXX」で〆ているものがあって、あれは、「キスをおくります」っていう意味なんだそうだ。「花子とアン」でおなじみの村岡花子さんが、交際中の儆三(のちに結婚)に当てた手紙を、展示で見たことがあるが、見事に「XXX」で〆られていた。
しかし、ここで書くのは、手紙の話ではなく、舞台の話だ。舞台で、出演者が本当にキスをするようになったのは、ここ十数年の話だ…というのは、皆様、ご存じだろうか
そもそも、日本には、キスの習慣がない。いや、口吻の習慣があったらしいことは、文献からもうかがえるのだが、どういう間柄の人が、どういう状況で、どんな形の“口吸い”を行っていたか、いまいち、わからない。豊臣秀吉は、息子の秀頼に、しょっちゅう「口吸い」をしていたらしいが、これが、欧米の習慣を取り入れたものなのか、古来、恋人同士で行ってきたものを、わが子&生んでくれた淀君を愛しすぎて、赤ちゃんにも行ってしまったのか、調べれば、なにか手掛かりは得られるのかもしれないが、私としては、誰か調べてくれないかなぁ~と思うレベルの興味だったりする。キスの習慣がない、と書いたのは、性のプロセスとしてのキス(口吸い)はあったものの、友人・知人と交わす(唇以外も含む)キスの習慣がまったくないということだ。
たとえば、こちらのアツアツのキスシーン、日本の無条件降伏により、第二次世界大戦が終結したニュースが流れ、NYのタイムズスクエアで、水兵の青年が、歓喜のあまり、赤の…