ミュージカル「ダブル・トラブル」観劇

初日感想を書いたままだった「ダブル・トラブル」、あらためて、ちゃんとした感想を書いておきます。スタッフ一覧は、こちらの記事の方に記載しております。 このミュージカルは、たった二人の出演者が、たくさんの登場人物を次々に演じて一つの物語を紡いでいく、という作品。短い時間に着替えて、別人物になって出るというのを繰り返して、同じ人物がたくさんの人物に扮することで生じるドタバタを含めて楽しむミュージカル・コメディと言える。 二人の本役は、ブロードウェイからハリウッドに乞われてやってきた、作曲家の兄・ジミー(原田優一)と、作詞家の弟・ボビー(太田基裕)のマーティン兄弟。時代は、1940年代とのことだが、ハリウッドが全国から才能を集めていた時期…と考えると、40年代に入ってすぐの頃だろう。最初の頃に出てくる飛行機での愛を描いた歌がボスに気に入られなかったのは、飛行機=軍用機になりつつあった世情を想像させる。二人を招聘したのは、ハリウッドのドンとも言うべきプロデューサーのマーウィン・M・ガーナー(太田)。忙しいプロデューサーで、実に短気だ。ボビーが、仕事前のルーティーンとして歯を磨いている間にやって来て、早く曲を仕上げろ、と言って帰っていった。秘書のミリー・ファーバー(太田)は、二人に同情的で、よく聞いてみると、実は、ブロードウェイで二人のヒット作を観劇していた。ミリーが呼んだ電気・音響技師のビックス・ミンキー(原田)は、けっこうな高齢で耳が遠い。そして、ナルコレプシーにかかっているので、いつも寝ている。扇風…

続きを読む