「アナスタシア」感想 その2

宝塚歌劇宙組公演「アナスタシア」の作品・演出感想は、こちらで語っております。よかったら、どうぞ。 というわけで、ここから、出演者感想です。 真風涼帆(ディミトリ)…ブロードウェイ・ミュージカル作品をしっかり歌い切っていたし、背負っていて、すっかり立派なトップさんだな~と、感動。ディミトリは、アーニャをアナスタシア皇女に仕立てて、皇太后から報奨金をせしめる詐欺師という設定だが、そこに至るまでのディミトリという人間が、違和感なく存在していた。あと、バレエ鑑賞の場面からの「芝居での燕尾服」姿の美しさに脱帽ショーの黒燕尾がカッコいいのは男役として当然なわけだが、男役然としていてはおかしい芝居のシーンで、これほどまでに美しいとは…素晴らしかったです 星風まどか(アーニャ)…バイタリティ溢れるヒロインを、強い意志の力で演じ切った。記憶を失い、自分が何者なのかを探し続け、ものすごい距離を歩いてサンクトペテルブルク(レニングラード)にやってきた娘。「パリに行けば、何かがわかるかもしれない」かすかな記憶だけを頼りに。ディミトリと運命的に出会い、君がアナスタシアかもしれない、と言われ、断片的に蘇る記憶にも助けられて。ディミトリの目的は明確に提示されているが、そこに乗ろうとするアーニャの本当の気持ちは、場面的に省略されているので、推察するしかない。そこが星風の迷いのない演技で助けられた気がする。歌声も素晴らしかったし、バレエ鑑賞場面のドレスが本当によく似合っていて、美しかった。花組トップ娘役として、さらなる充実を…

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