「ピガール狂騒曲」感想 その3

宝塚歌劇月組東京公演「ピガール狂騒曲」の感想、その1はこちら、その2はこちらですが、ほぼ作品と脚本家への愚痴(別名、悪口)なので、出演者の感想をご覧になりたい方は、こちらの「その3」だけお読みくださいませ。 珠城りょう(ジャンヌ(ジャック)/バーレンベルク)…退団を控えた珠城に、新境地を、ということなのか、大劇場公演でヒロイン役が与えられた。男役トップスターが、大劇場公演でヒロイン役を演じるといえば、「ベルサイユのばら」のオスカル役や「風と共に去りぬ」のスカーレット役などがあるが、いずれも昭和時代の作品なので、トップスターとして、まさに新たな挑戦。「十二夜」のヴァイオラは、オスカルやスカーレットと違って、自分の人生を自分で切り開くタイプではなく、成り行きで男装しているだけの普通の女の子。しかし、珠城が演じることで、自分の人生に責任を持つ芯の強さが感じられた。また、バーレンベルクという、あまり背景を気にしなくてよい「ただのイケメン」を演じる時の、ものすごいオーラを久しぶりに感じられたのもよかった。主役だと、どうしても、色々なしがらみを抱えてしまうので、キラキラハンパない役は、それだけで貴重。男役としての充実は、フィナーレの各所で楽しむことができ、様々な珠城りょうを堪能できたと思う。 美園さくら(ガブリエル)…バタくさい芝居が身上の美園に、ガブリエル役はピッタリの配役だった。表情のひとつひとつまで、綿密な演技プランに基づいて作られているのだが、悉く私とは気が合わないのは、残念。まあ、これは好みの問…

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