「ネバーランド」リーディング配信

コロナ禍で、多くの演劇が厳しい状況に追い込まれる中、少年社中の過去作品が朗読劇として再構築、劇場からの生配信(アーカイブあり)で公開された。「贋作 好色一代男」のほか、もうひとつ、選んだ作品が、今回の「ネバーランド」。こちらは、劇場では観劇していない。有名な「ピーター・パン」の物語のその後を描いた作品。ウェンディーの子どもたちのところに、中年ピーター・パン(矢崎広)がやってくる。一緒に、ネバーランドに行ってほしい、と。ネバーランドには徒歩で行くとか(中年太りで空が飛べない)、フック船長やティンカーベルも年を重ねていたり、皮肉な設定になっている。年を取ったピーター・パンは、フック船長を屠って、新たなフック船長になるみたいな、輪廻的世代交代が盛り込まれていたのは、設定として面白い。矢崎は、情けないピーターパンから、新たなフック船長として覚悟を持って生きるまでの、一人の男の物語をくっきりと浮かび上がらせていて、楽しく鑑賞した。矢崎狙いだったが、元宝塚の彩輝なおも出演していて、嬉しかった。

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