宝塚月組東京公演「WELCOME TO TAKARAZUKA」観劇
JAPAN TRADITIONAL REVUE「WELCOME TO TAKARAZUKA-月と雪と花とー」
監修:坂東玉三郎作・演出:植田紳爾作曲・編曲・録音音楽指揮:吉田優子振付:花柳壽應、山村友五郎、花柳壽輔装置:関谷敏昭衣装:河底美由紀照明:勝柴次朗音響:加門清邦小道具:北垣綾歌唱指導:ちあきしん演出補:鈴木圭舞台進行:出合史奈
このようなご時世でなかったら、東京オリンピックを前に訪日外国人が多数訪れて、宝塚という文化に触れてくれる…そんな方々に向けて発信されるはずだった公演を、ほぼ鎖国状態の日本で、昔からのファンの面々が観ているーという、非常にシュールな舞台だった。東京オリンピックは1年延期になったのだから、この作品も1年後に作り直す…という風にはできなかったんだろうか。日本人に向けた日本物の作品には、どうしても思えない代物だった。かつて「ベルばら」を縦横無尽にアレンジしまくった植田先生も、そういう臨機応変の対応が無理になってしまったのかしら…
公演は、全6場で、とてもシンプル。1場 プロローグ2場 越天楽3場 雪(ヴィヴァルディ)4場 月(ベートーヴェン)5場 花(チャイコフスキー)6場 フィナーレ1場と6場に使われるテーマ曲は、「WELCOME」の言葉を繰り返す、バタ臭い歌詞が耳に残る。2場は、大劇場では初舞台生口上の場面だったところに、疫病退散の祈りを込めた月城かなとのソロ舞踊を入れている。伝統的な舞楽を取り入れた異色の場面。そして、雪月花の場面は、それぞれクラシックの名曲を…