人は自分の見たいものを見る
新型コロナウィルスの感染拡大により、あらゆる場所でクラスターが起きている。そして、現状の事実だけに目を向けると…
パチンコ屋では、クラスターは起きてない。満員電車でクラスターが起きたという話はない。感染拡大に最大限配慮しても、劇場でクラスターは起きてしまう。そして、配慮すればするほど、クラスター発生の危険は、舞台関係者側に限定される。
感染リスクを語る時、つい思い入れも込みで語ってしまう。仕事以外に趣味のない人は、「2.5次元の舞台に何度も遠征したりするから感染するのだ」とか言ってみたり。満員電車が嫌いな人は、「土日の渋谷の人出を言うなら、平日の山手線の混雑はどうなの」と言ってみたり。同じ業界なのに、「こっちが一生懸命感染対策して準備してるのに、ハンパな公演しやがって…」と、クラスターが出た公演を罵倒した伝統芸能の関係者もいた。でも、実際のところ、伝統芸能関係者からも感染者が出て、もちろん対策は大事だけど、対策しても絶対大丈夫ではないということがわかった。宝塚など、対策に対策を重ねていたのに、10人を超える感染者を出し、クラスター認定される事態となった。
私の愛する宝塚が、第一報で、「私の嫌いなタイプの演劇」と評した舞台と同じ、“クラスターを出した演劇”枠になってしまったのだ。
個人の思い入れや、対策の実施状況、ファン対策状況…クラスターは、そんなのお構いなしに、襲ってくるんだなーと、実感したこの数か月だった。コロナ対策論とか言って、自分の気に入らないタイプの演劇批判していただけなんじゃな…