「表現者ノマド」-11(リモート版)

5月に朝日カルチャーセンターのリモート講義「朝カルオンライン」(ヤマカズトークセッション)にゲストで登壇したゆうひさんですが、いよいよ「表現者ノマド」も朝カルオンラインに登場しました(本来だったら4月に新宿で開催されていた回を延期して、オンラインとして再スケジュール)今回も、日本中から参加が可能なZOOM配信だったので、ファンの皆さんはご覧になれたハズ。なので、リポートではなく、私の感想中心にお届けしたい。 オンラインとはいえ、出席者のお二人(ゆうひさんとゲストの岸本佐知子さん)は、同じ会場でお隣同士で並んでいて、お二人の間での時差みたいなものはない。無粋なアクリル板はあったみたいだけど…まず、お二人の朗読から、講座は始まった。ゆうひさんは、岸本さんが翻訳した、短編集「掃除婦のための手引き書」(ルシア・ベルリン)から、「わたしの騎手(ジョッキー)」を。岸本さんは、ご自身の随筆を読まれた。作家の平野啓一郎さんがゲストだった時は、二人で平野さんが新聞連載中だった「マチネの終わりに」を読んでくれたが、執筆系のお仕事をされている方の場合は、「朗読」がセットなのかな。岸本さんも、書店イベントなどで朗読することもあるそうで、海外の作家は、わりとそうしたことが好きだ…という話も出てきた。「わたしの騎手」は、2ページ(見開き1枚)の小品で、救命救急室の看護師の一人称で書かれている。落馬して、鎖骨と肋骨を折ったメキシコ人騎手を診察してレントゲンを待つというだけの話なのだが、その筆致がめちゃくちゃセクシーで、これか…

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