「スマホを落としただけなのに‐囚われの殺人鬼‐」
前作、「スマホを落としただけなのに」で、事件を解決に導いた刑事、加賀谷(千葉雄大)が今回の主人公。ドラマ「おっさんずラブ-in the sky-」を見た後だと、前作のカップル(田中圭・北川景子)の結婚式に、加賀谷が恋人の松田美乃里(白石麻衣)を連れていく場面にムズムズする。とはいえ、田中と北川は特別出演なので、そのムズムズが長続きすることはない。教会での結婚式からのガーデンパーティーという流れだったので、披露宴のように、出席者がガチガチに決まっているわけではなかったようで、加賀谷は、その場で美乃里を紹介する。「じゃあ、次はあなたたちね」みたいに新郎新婦に言われた時、加賀谷の顔が曇る。結婚式に連れていく相手、というのは、公式なイメージ。だから、加賀谷にとって美乃里は、ステディな彼女なわけだ。にもかかわらず、“結婚”に踏み切れない。それは、前作の逮捕前のシーンに出てくる加賀谷自身のトラウマにつながっているー加賀谷は、警察に入る前には、IT企業にいた。社長の笹岡(鈴木拡樹)と二人で会社を立ち上げ、そこへ入社した美乃里と付き合うことになった。もう3年にもなるのに、まだ警察内部では交際相手として登録してもらっていない。
一方、逮捕された浦野(成田凌)が多くの死体を埋めていた丹沢で、偶然、若い女の白骨死体が出た。しかし、長い黒髪に執着する浦野にしては、今回の被害者の生前の写真は、茶髪のショートだった。浦野への余罪追及を行おうとする捜査陣だが、浦野は、加賀谷になら話す、と条件を付ける。浦野は、自分にネット犯罪…