ちょっと、これはない…

かしちゃんこと、元宙組トップスター貴城けいの夫で、新派俳優の喜多村緑郎(二代目)の不倫が発覚した。 まあ、私は、宝塚ファンなので、かしちゃんの方を主語にしているが、喜多村さんだって、押しも押されもしない、劇団新派のトップスターである。主演男役という意味ではね。新派といえば、長いこと、水谷八重子(二代目)と、波乃久里子の二枚看板でやってきていたが、4年前に喜多村(当時は市川月乃助)、河合雪之丞(当時は市川春猿)ら、猿之助一門の一部の俳優が移籍したことで、大きく若返った。現在は、喜多村を主演にした、明智小五郎シリーズや金田一耕助シリーズは人気の演目になっている。 かしちゃんとは、月乃助時代に結婚。新派に移籍してからも、自主公演の際は、かしちゃんが共演して、売上に協力、夫唱婦随ぶりをアピールしていた。まあね、段治郎(月乃助の前の芸名)時代から、浮名を流し続けてきたし、今回のことで、それらの噂が事実だったんだことが裏付けられたのかもしれない。 お相手の女優さんの釈明コメントによると、「お相手から独り身になるつもりでいるというお話があり…」とのこと。でも事実は、別居とか離婚前提なんていうことはなく、かしちゃんには、寝耳に水の出来事だった…と。そこで、脳裏に浮かぶのは、かしちゃんが出演していた、「イノサン」のパリ公演中止のこと。パリ公演は、2月9日に行われる予定だった。たった1日だけの公演だが、なんだかんだで、出演者は最低でも一週間は国外に居ることになっていたはず…。こういう、二股野郎は、基本、「別れの…

続きを読む

あたらしい予感

昨年夏くらいから始動しているプロジェクトの打ち合わせに行ってきた。 打ち合わせと言いながら、がっつり食べている… こちら、ブラックサンダーとコラボしたフレンチトースト。 時間はかかるかもしれないけど、本気で、この企画に付き合うつもり。どうか、うまくいきますように。 (食べ物企画ではありません…)

続きを読む

世の中のいろんなことがつながる…

「フェミニスト」というと、女性が通る時にドアを開けてくれたりする男性のこと…だと、ずっと思ってきた。ここ十年くらいで、あ…そういう意味じゃないのね…と理解するようになったのだけど、そもそも差別を受けた歴史が長すぎるせいか、いろんなことに、(当たり前すぎて)無関心すぎたかも…と、この一年すごく反省している。結局、我々の世代は、つまり男女雇用機会均等法という先人たちの努力によって生まれた法律が傍らにありながら、その運用について強く要請してこなかったり、セクハラやパワハラについて真摯に取り組んでこなかったり…言い出しづらいとか、周囲の雰囲気が悪くなるかもと考えたりとか、やっぱり、色々ぼーっと生きていたと思う。そういう積み重ねが、ここに来て、#MeToo や、#KuToo の運動を起こさせているのかな…と思うと、私たちの世代、平成の30年を無駄に生きちゃったよね…と、感じる。 #MeToo を知って以来、女性を取り巻く問題について、しっかり見聞きするようになった。すると、以前、こてんぱんに否定したこの芝居が、変なリアリティをもって、よみがえるようになった。(もちろん、あの演出はダメだと今でも思っているけど。)この芝居は、「いかなる理由があっても堕胎が禁止されたディストピア」が舞台になっている。しかも、「堕胎が禁止されている」以外は、今の日本となにひとつ変わっていない。許可されている避妊方法も同じだし、妊娠がわかると男が逃げ、すべての責任を女が背負うという構図も同じ。だからディストピアだと感じたのだが、も…

続きを読む

2020年公演ラインアップ(花組)

2020年 公演ラインアップ【梅田芸術劇場メインホール公演】 2020/02/06 2020年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【梅田芸術劇場メインホール公演】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。    花組公演 主演・・・柚香 光、華 優希 梅田芸術劇場メインホール:2020年7月25日(土)~8月10日(月・祝) ブロードウェイ・ミュージカル 『NICE WORK IF YOU CAN GET IT』 Music and Lyrics by George and Ira Gershwin Book by Joe DiPietro Inspired by Material by Guy Bolton and P. G. Wodehouse 潤色・演出/原田 諒 2012年にブロードウェイで初演されたミュージカルを上演するようです。ガーシュウィン兄弟(すでに脳内で、たそ&キキちゃんの姿が…)の音楽を使用して描かれるロマンティック・コメディとのこと。昨年上演された「20世紀号に乗って」の好評を受け、原田先生が、またまたブロードウェイ・ミュージカルに挑戦…といったところでしょうか。しかし、禁酒法時代のアメリカが舞台って…「ONCE…」の年にやらなくてもとは、思います。 2020年 公演ラインアップ【宝塚バウホール公演】 2020/02/06 2020年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【宝塚バウホール公演】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。  …

続きを読む

「メアリー・ステュアート」観劇

unrato#5『メアリー・ステュアート』 作:ダーチャ・マライーニ 翻訳:望月紀子 演出:大河内直子美術:石原敬照明:大島祐夫音響:早川毅衣裳:小林巨和音楽:鈴木光介振付:前田清実擬闘:栗原直樹ヘアメイク:武井優子舞台監督:齋藤英明企画・製作:unrato/アイオーン 同時期に東京で同タイトルの芝居が2本上演されるというのは、とても珍しい。間違わないように…ということか、世田谷パブリックのシラー作のものは、「メアリ・スチュアート」というタイトルで、本作は、「メアリー・ステュアート」というタイトルで上演された。こちらは、イタリアの劇作家ダーチャ・マライーニの脚本による二人芝居。ややこしいのは、マライーニの脚本がシラーの戯曲を基に書かれているということ。(史実をシラーとは別の視点で描くのではなく…)なので、先にシラー作の世田パブ版を観ておいたのは、とても良かったと思う。いきなりモーティマーのメアリー救出劇の話が出てきても、ああ、りょん(三浦涼介)のアレね…とか、ポーレットの悪口が止まらなくても、ああ、あのおっさん(山本亨)のことね…と思えて、事前の勉強をしなくても、問題なく物語の中に入れた。 メアリー・ステュアート(霧矢大夢)と、エリザベス1世(保坂知寿)は、同じような生成りのドレス姿。現代から見ると骨董品の山に囲まれた化粧前に座り、開演の時を待っている。この、それぞれの化粧前と狭いフリースペースが彼女たちの演じる空間だ。二人芝居ではあるが、彼女たちは本役だけでなく、それぞれの侍女など、会話…

続きを読む

「RED&BEAR」の謎

七海ひろき、退団後の初舞台ということで、「RED&BEAR」を観劇し、感想を書いた(こちらです)のだが、実は、全然腑に落ちてないので、ちょっとモヤモヤを書いてみたい。 まず、犯人の側からこの物語を振り返ってみたい。犯人は、ヒア・カム・ザ・サンという人気バンドのメンバー4人全員を確実に殺害したいと考えていた。そのために、彼らは、犯行をクルーズ船の船内にすることを思いついた。メンバーの連続殺人が始まれば、二人目あたりで、ヒアカムのメンバーが狙われていることは確定するだろう。当然、残りのメンバーには護衛が付く。そんな状況にしないためには、全員まとめて殺害するか、隔離した場所で犯行を行うしかない。しかし、「全員まとめて殺害する」では意味がない。犯人は、ヒアカムのメンバーに、自分達がなぜ死ななければならないか、を知らせたかった。少なくとも、次に狙われるのは自分だ、という恐怖を味わってから、殺したかった。(だから、最後に自分の代わりに加入したダイキが最初の死者に選ばれたのかもしれない。死ななければならない理由が(犯人にとって)少ないから。)そうなると、最後まで犯行を続けるためには、警察の目の届かない、そして逃げ場のない密室空間を犯行場所に選ぶしかない。 ということで、クルーズ船が犯行現場に選ばれた。そのために、犯人は、ヒアカムの事務所とクルーズ船運営会社双方に就職し、機会を待った。ここは、納得である。しかし… 今回のヒアカムのステージは、ヒアカムファンクラブ抽選スポンサーであるセサミン愛用者の抽…

続きを読む

「ダウントン・アビー」

NHKのドラマは、ほとんど見ていないのに、映画「ダウントン・アビー」を観てきました。 20世紀前半のイギリスの田舎を舞台に、貴族社会のあれこれが、当の貴族と使用人社会の両面から描かれている。今回の映画は、テレビシリーズの2年後、ダウントン・アビーに国王夫妻が訪れる、という事件を描いている。登場人物たちをよく知っていたら、さらに楽しめるのだろうけど、単独の映画としても楽しむことが出来た。当時の国王は、ジョージ5世。宝塚で上演した「エドワード8世」では、磯野千尋さんが演じていた、あの役ですね。そう思うとなんとなくついて行けるような…国王訪問という一大事を前に、邸を取り仕切る後継者のメアリーは、引退した元執事のカーソンにカムバックを要請する。ひとつの邸に執事は二人必要ないため、現役執事のトーマスは、カーソンがカムバックしている期間は休暇を取ると言って出て行ってしまった。拗ねてます…さらに、国王夫妻が滞在する間は、自分達が取り仕切るのだ、と王室直属の使用人たちが大挙してダウントン・アビーに到着、我が物顔で振る舞い始め、使用人たちは憤慨する。料理どころか、食材まで持ち込むのだから、料理長のパットモアや助手のデイジーは、怒りを通り越して戸惑いを隠せない。村のグローサリーでは、国王陛下のお口に我々の食材が…と感動の極みで、邸は使うあてのない食材の山になってしまう。伯爵家の皆さんは…というと、亡くなった三女の夫で、領地の管理人となったトムは、かつてアイルランド解放の戦士だったため、ジョージ5世暗殺計画に巻き込ま…

続きを読む

「弁当屋の四兄弟ー令和二年版ー」

令和二年版「弁当屋の四兄弟」 脚本・演出:澁谷光平音楽:まるやまたつや舞台監督:本郷剛史照明:たなか一絵音響:竹田雄音響オペ:閏野奈生人宣伝美術:志村佳彦宣伝写真:konn制作:河嶋浩介、井手昭仁当日制作:美音企画・製作:スプリングマン 以前観た時(平成二十九年版)の感想はこちら。あら、もう、三年前になるのか… 今回の令和二年版が本作のラスト公演となり、もう再演はしないそうなので、あらすじも書いてみようと思う。最初のシーンは、新しい場面。初めての子供が生まれるのを機に、父の仕事を継ぐことを決意する吾郎(藤波瞬平)と、その妻・五月(さかいかな)の場面。が、次のシーンでは、源家の父親・吾郎はすでに亡く、母親はだいぶ前に家を出て行ったきり。今は、長男の信秀(日南田顕久)が家業の弁当屋を継いでいる。独身なので、周囲から見合い話を持ち込まれている。次男の龍盛(竹下健人)は大学卒業後電気メーカーに就職、現在はハワイ支社に勤務している。結婚しているが、妻をハワイに残して帰国中。三男の清朝(関修人)はニート。でも、ラブラブの恋人、ねね(大竹ココ)がいる。四男の瑠宇玖(久保優二)は大学生。実はモデルやタレントを目指している。ほかに、お店のアルバイトを長年続けている春日さん(あきやまかおる)が、店だけでなく、男ばかりのこの家の面倒も見ている。店には、大手グルメサイトの営業マン、平将一郎(狩野翔/小林大紀)が何度か訪れており、50年以上続く老舗の弁当屋ということで、全国展開の話を持ち掛けてくる。ここで、源VS平と…

続きを読む

「メアリ・スチュアート」観劇

「メアリ・スチュアート」 作:フリードリヒ・シラー上演台本:スティーブン・スペンダー翻訳:安西徹雄演出:森新太郎 美術:堀尾幸男照明:佐藤啓音響:藤田赤目衣裳:西原梨恵ヘアメイク:鎌田直樹演出助手:平井由紀舞台監督:瀬崎将孝技術監督:熊谷明人プロダクションマネージャー:福田純平 NHKのBSプレミアムで放映されていた「クイーン・メアリー」というドラマに嵌まっていたので、これはぜひ観たいと思っていた。行ってみたら、フリードリヒ・シラーの戯曲なんですね、これ昨年、観劇した、宝塚の『群盗』を書いた、あのシラーが、英国の王位継承争いを書いていたのか…と、その辺も興味深く観た。 冒頭、照明の暗い中、ポーレット(山本亨)とハンナ(鷲尾真知子)、二人だけのセリフの応酬。ここで、まずガツンとやられる。胆力のある深いセリフ回しに、演劇だな…と深く感じ入る。そして、たぶん、こういう部分が、18世紀文学なんだろうな…なんて勝手に考えたりもする。ただ、この胆力のあるセリフを聞かされた後、タイトル・ロールであるメアリ・スチュアート(長谷川京子)が登場すると、さすがにセリフの力が違って、残念さを感じる。8年ぶりの舞台とのことなので、仕方ないのかも。もちろん、姿形の美しさを含めて…のヒロインなのだが。メアリの衣装は、基本、喪服だが、その黒が彼女の美貌を際立たせる。あと、演劇的である、ということは、若干(やりすぎという意味でなく)時代がかっているのかもしれない。その辺が、ハセキョーとのバックボーンの違いでもあるのかな。さ…

続きを読む