「今日もわからないうちに」その2

初日から千秋楽まであっという間の公演。あらためて、ネタバレ含め、公演を振り返ってみたい。ちなみに「その1」はこちら。 大西恵(大空ゆうひ)は、夫・一志(鈴木浩介)、中学2年生の娘・雛(池田朱那)の三人暮らし。郊外の住宅地にある一軒家。そこは、小さくても恵にとってはお城のような存在。ある日曜の朝から物語は始まる。恵の父親がやって来ることになっているらしい。一志は、スマホを手放そうとせず、女優が結婚したよ、とかなんとか妻に話しかけるが、忙しい妻は、ろくに相手をしない。着替えを出す出さないでこぜりあいがある。夫は「よかれと思って」あれこれ言っているのだが、妻というか主婦として、恵にはそのすべてが、「うざい」。この家では、居間は2階にあるらしく、恵は忙しく居室や玄関のある1階と2階を往復している。(舞台中央に奈落への階段が設えられている。最近の舞台によくある設定。)娘の雛は、今日はソフトボールの試合らしく、そろそろ起こさなきゃ…と、恵は気をもんでいる。居間に放り出された部活のバッグの中から、泥まみれのプリントが出てきて、恵は腹を立てる。が、起きてきた雛は、どうして勝手にバッグを開けるのか、とそのことにキレる。(←すごくリアル。身に覚えがある…)起きる時間も、今日の試合会場に合わせて自分で考えているのに、早く起こされたということにもキレている。が、恵は、雛の言っていることを、それほど重く考えていない。とはいえ、雛は、「おじいちゃんに会いたくないから」と、早めに出ていき、それと入れ違いに恵の父・井岡一郎(串…

続きを読む