「表現の不自由」展

あいちトリエンナーレで展示されていた「表現の不自由展・その後」が公開中止になってしまった。「表現の自由」については、日本国憲法第21条に、こう記載されている。『集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。』様々な場所で、様々な立場の方が、“表現の自由”ということを言ったり書いたりされているが、日本国憲法が保障(権利・自由を守ってくれる)と言っているのだから、“一切の表現の自由”は、守られるべきである。“一切の”と書かれているのだから、どんな表現であっても、表現の自由は侵されるべきものではない。さらに、言ってしまえば、この文脈から見るに、いわゆる戦前の左翼的思想弾圧のようなことをしてはいけない、というのが、ここで最も伝えたいことのように私は思う。なぜなら、集会、結社…という言葉や、検閲、通信の秘密…という言葉と並べて記載されているからだ。戦前・戦中の特高警察のようなことは、今後、日本国憲法では厳禁だぞということが、憲法21条の一番述べたかったことではないか…歴史を学べば普通にそんなふうに思える。(よく分からない方は、ぜひ、井上芳雄様が主演する「組曲虐殺」を観てね) ま、文脈上は、そのように読み取れるが、ここに記載されていることは、「一切の表現の自由」が保障される、ということなので、それを額面通り受け取ってしまっても問題はない。つまり、ネトウヨ的な発言も、リベラルな発言も、どんな表現も自由なのだ、と憲法には書か…

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宝塚月組東京特別公演「チェ・ゲバラ」観劇

ミュージカル「チェ・ゲバラ」 作・演出:原田諒作曲・編曲:玉麻尚一振付:AYAKO、当銀大輔擬闘:清家三彦装置:松井るみ衣装:有村淳照明:勝柴次朗音響:大坪正仁小道具:山中悠生歌唱指導:西野誠映像:栗山聡之演出助手:中村真央舞台進行:庄司哲久舞台美術製作:株式会社宝塚舞台録音演奏:宝塚ニューサウンズ制作:溝部誠司制作補:西尾雅彦制作・著作:宝塚歌劇団主催:阪急電鉄株式会社 原田諒演出、轟悠主演の別箱公演、今回は、チェ・ゲバラ。あの、チェ・ゲバラですよ。私は、あまり、キューバの歴史には詳しくなくて、革命ものにも興味はなくて(除・フランス革命)、だからなのか、いつもの原田作品と違って、それほど怒りは感じていない。(今回は、叩かないのでご安心ください。)まあ、とにかく、今回は、なんといっても、本当だったら月城かなとが演じるはずだった大役、カストロを研6の風間柚乃が演じたこと、これに尽きる。親友なのに、轟さんとの学年差29だよ、親子だよ、普通。ほんと、すごい年齢差を感じさせない重みのある芝居に痺れました 物語は、キューバ革命を成功させるカストロとゲバラの出会いから始まり、革命成功後の新政府での紆余曲折、根っからの革命家であるゲバラが、キューバ新政府の政治家としては、上手く立ち回れずに失踪、ふたたび革命家としてボリビアの山中に向かい、そこで命を落とすまでの歴史的な出来事を網羅的に描いている。歴史というものは、人が生きた道のりであって、そこに、納得性があろうがなかろうが、その人はそのように生きたのだから…

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宝塚星組大劇場公演

雪組に続き、星組も大劇場公演を観劇しました。友の会がお友達になってくれ、なんと9列目通路側というお席で観劇してまいりました ということで、大劇場公演「GOD OF STARS/Eclair Brillant」の感想を、恒例により、箇条書きで。 ・これは、小柳先生版「ANOTHER WORLD」なのか ・というか、小柳先生による、各先生方のオマージュ作品なのか ・アイリーンの子供時代を演じた綾音美蘭ちゃん、可愛かった ・「料理の鉄人」のパロディかと思いきや、そこに乗り込んでくるアイリーン(綺咲愛里)の話を聞けば、紅(ゆずる)さん、あなたは、ホン・シンシンではなく、もしかして、テリー・ベネディクトなのでは ・次期トップコンビを“運命の二人”な感じで自然に盛り上げているの、さすが小柳先生 ・で、ラストシーンなんだけど、明らかに時の流れ方が変だよね何年後やねん… ・ショーは、酒井先生らしいショー。星+世界旅行with名曲的な感じで、目新しさはなかったが、美しいショーという感じ ・芝居、ショーともに、専科の華形ひかるが、さすがというムードを醸し出していて、安心・安定を感じた

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藤咲えりDS「Sincere」

ゆうひさんの退団同期でもある、元宝塚歌劇団宙組娘役・藤咲えりちゃんのDSが宝塚ホテルで開催されたので、参加してきました 今回のDSは、「さよなら宝塚ホテル」イベントのひとつ…ということだそうで、シェフも力を入れてお料理を創作してくれたようです。始まる前に、シェフによる料理解説コーナーもありました。 まずはビールで喉を潤し… 帆立貝柱と小海老のラメルトリュフのヴィネグレットとグリーンピースのピュレ 鱒の卵添え ラメルというのは、素材を円形に並べることだそうです。ヴィネグレットとグリーンピースのピュレを交互に乗せながら、味の違いを楽しみました。小海老も帆立もズッキーニも美味でした スズキのポアレ バリグール風 魚料理は、スープ仕立て。スズキのポアレは、とても美味しかったが、スープ仕立て部分は、ちょっと挑戦味が強く、私は苦手だったかな。でも、完食したけど。白ワインはよく冷えていて、美味しかったです 牛フィレ肉のポアレ 西洋山葵のソース旬の野菜のジャルディニエール添え 肉料理ということで、ここから赤ワインに。ソースもさっぱりとしていて、でも旨味があり、美味でした オレンジとココナツのムースマンゴーパッションフルーツのジュレ添え デザート、さすが元娘役のDSだけあって、可愛いフルーツがフレッシュでジューシーで口の中もさっぱり大満足でした さて、えりちゃんのDSです。まず、「Flash dance」のテーマ(What a Feeling)で、客席から登場したえりち…

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宝塚歌劇チケットリセール開始へ

宝塚歌劇公演におけるチケットリセールサービスの取り扱い開始について 2019/08/05 いつも宝塚歌劇をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 宝塚歌劇では、6月14日に施行された「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」第五条に記載されている「興行主の同意を得て興行入場券を譲渡することができる機会の提供」として、公式チケットトレードリセール「チケトレ」(外部サービス)での取り扱いを公認させていただきます。 宝塚歌劇公演は、公演中止の場合を除き、ご購入いただいたチケットの変更や払い戻しは原則お断りしておりますが、当社より案内している販売窓口でチケットをご購入後、やむを得ない事情でご観劇いただくことが困難になったお客様は、チケット券面金額でのリセールを取り扱う以下のサービスの利用をご検討いただけるようになります。    (公式チケットトレードリセール「チケトレ」 「チケトレ」ご利用の詳細については、下記by夜野) 取り扱い開始日 2019年8月9日(金)、以降各公演の一般前売開始日の3日後よりご利用いただけます。 公演ごとに取り扱い開始日が異なりますので、ご注意ください。 取り扱い開始公演 <宝塚大劇場公演> 花組『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』『シャルム!』(8/23~) ※以下の公演は、8月20日(火)より取り扱い開始いたします。 <東京宝塚劇場公演> 星組『GOD OF STARS-食聖-』『Éclair Brillan…

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東京宝塚劇場雪組新人公演(壬生義士伝)ミニ感想

雪組新人公演を観劇してきました 新人公演担当は、町田菜花先生。本公演は大劇場で一度観ただけなので、新公の変更点等は、ちょっとわからず。みんな落ち着いて、いい芝居をしてくれていたと思う。 では、さっそく出演者の感想です。 彩海せら(吉村貫一郎)…顔は超可愛いのだが、芝居も歌も本格派。実に堂々とした初主演だった。実は鹿児島県出身なんだけど、絶対北国出身にしか思えないようなその姿に、ただただ感動した。驚異の新人登場という感じ。恐れ入りました 彩みちる(しづ/みよ)…後半のみよ役がすごく良かった。そして、しづというのは、しどころの少ない役なんだな…と、ようやく理解した。(石田先生が、みよという役をトップ娘役にやらせた意味もわかったむしろ、真彩希帆が、しづを見事に演じているので、何故二役って思われているだけなんだ…と。)彩は、真彩ほど、しづの存在感を出せてはいなかったが、みよに関しては、華といい、大店のお嬢さんらしい器量といい、娘らしい一途ないじらしさといい、ヒロインとして完璧に演じて見せていた。 諏訪さき(大野次郎右衛門)…ソフトな本役・彩風と違い、立役的に大野を演じて、存在感を見せた。かなり、硬派な次郎右衛門だったが、それゆえ、かえって母親に縋って泣くシーンにやられた 壮海はるま(松本良順)…ひたすら、歩きながら説明する…という、難しい役だったが、軍服の着こなしもよかったし、セリフも聞き取りやすく、しっかりと仕事をしていた印象。 羽織夕夏(ひさ)…素晴らしかった情を表に出さない諏訪の次郎右…

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あひちゃん、おめでとう!

なんか、別のおめでとうで世間は大騒ぎですが、私には、そちらは関係ないので。 元宝塚の女優・遼河はるひさんがご結婚 お相手はサッカーJ2長崎・GKの鈴木彩貴(あやき)選手(32)。身長は184センチだそうです。2人はともに愛知県出身で昨年に交際をスタート、約1年間の交際を経てゴールインしたとのこと。 あひちゃんは、1996年に宝塚歌劇団に入団。82期生。宙組・月組で活躍し、卒業後は、宝塚出身者には珍しく人力舎に所属、女優業のほかバラエティーなどでも活躍しています。時々、ブログでゆうひさんを紹介してくれるありがたいお友達です 鈴木選手は中京大中京から立命大を経て、秋田、北九州でプレー。17年には横浜Mに移籍。今季は長崎でプレーしているとのことなので、東京でお仕事されるあひちゃんとは、しばらくは、遠距離婚なのかな現役時代から、できれば結婚を…というような発言をよくしていた記憶があるので、ほんとにおめでとうございます。お幸せに~

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「MOTHERS AND SONS」観劇

LGBT THEATER Vol.1「MOTHERS AND SONS-母と息子ー」 作:テレンス・マクナリー 演出:三ツ矢雄二 翻訳:安達紫帆 美術:原田愛、三上奈月 照明:松田直樹(MG5) 音響:富田聡 舞台監督:田中翼 ヘアメイク:馮啓孝(アトリエ・レオパード) 衣裳:内海崇博 演出助手:長浜満里子 宣伝写真:宮坂浩見 宣伝美術:絵描きしんじ 制作進行:横山友和 制作助手:松浦聖子、大川俊輝 票券協力:サンライズプロモーション東京 衣裳提供:パラブーツ 青山店、イザイア ナポリ 東京ミッドタウン 制作協力:BBA 企画・製作:ミツヤプロジェクト 自身も数年前にカミングアウトしている声優・プロデューサーの三ツ矢雄二さんがプロデュースし、演出した「MOTHERS AND SONS」を観劇した。"LGBT THEATER Vol.1"と銘打っているので、今後も、LGBTにまつわる物語をプロデュースしていきますよ、という三ツ矢氏の宣言なのだろうと思う。 第1回公演に選ばれただけあって、本作は、テッパンと言っていい、見事な戯曲だった。1980年代前半に"発見"され、ゲイの業病とまで言われ、多くの才能ある人々の命をも奪った"エイズ"、そして現代の同性婚合法化の流れの両方に跨るひとりのゲイの人生の記録と、一人息子の死から、20年以上、そこから一歩も動けていない母親の対比、それをワンシチュエーションの会話劇で見せるーすごい集中して観劇した。 一人の老女(原田美枝子)がキャル(大塚明夫)の住むマンシ…

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女優 シム・ウンギョン

韓国映画に疎いので、これまで、シム・ウンギョンという素晴らしい女優を知らずに来てしまった。が、「新聞記者」でめちゃハマりこういう女優さん、日本人だとちょっと浮かばない。言葉のハンデがあってなお、シム・ウンギョンにオファーしたスタッフの慧眼に拍手したい。 吉岡エリカという女性を、全身全霊で演じていて、ともすればカッコいい女性になりがちな役なのに、滑稽なほどの一生懸命さ…というアプローチは、目からウロコだった。特に、葬儀の帰り道、トボトボと歩く姿や、これ以上ない早足で現場に向かう姿など、歩き方が、女優の美しいそれではない。すごい猫背で、あごが前に突き出していて。でも、こんな時、人は、こんな風に歩くハズだし、その歩き方で、吉岡の心象が画面から痛いほどに伝わる。アロマオイルを塗る時の仕草とかも、それだけで吉岡の心情が伝わる。 女優ってここまでのことができるのか…と、思った。で、気がついたら、「新聞記者」を3回も見ていた。シム・ウンギョンだけでなく、松坂桃李も素晴らしかったし、なにより、田中哲司演じる「多田」が、「多田語録」を作ろうかと思うくらいすごいキャラクターで、(実際、作ったけど)それらの相乗効果で、一度ならず劇場に足を運んだし、そのどれもが満席だった。異例の大ヒットと言われたが、それには理由があるな…と思う「新聞記者」だった。 で、とりあえず、シム・ウンギョン、追いかけてみようと思っている。

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「storyB 大悲 37m」観劇

舞台「大悲」[story B 大悲 37m ] 脚本・演出:西森英行 音楽:遠藤浩二舞台監督:筒井昭善舞台美術:松本わかこ照明:川口 丞((有)キングビスケット)音響:天野高志 映像:富田中理(Selfimage Produkts)衣装:鈴木真育ヘアメイク:工藤聡美 演出助手:きまたまき 宣伝美術・写真:古田 亘(ゴーグル) 題字:丹羽文雄 プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ(BS-TBS) 主催・企画・制作:BS-TBS、オデッセー 2001年6月8日、白昼の小学校に一人の男が乗り込み、児童8名を刺殺、15人の児童・教師に重軽傷を負わせた。 日本犯罪史上空前の無差別殺傷事件に世間は震撼した。[ story B 大悲 37m ] 清水結衣(壮一帆)は、幼い娘・明日香(小野田華凛)を事件で喪う。その日、結衣は、関係の冷めいった夫・謙介(河相我聞)の同僚で、今は密かに心を通わせている沢田(村上幸平)と過ごす時間が楽しく、つい、娘を迎えに行くのが遅れてしまっていた。もっと早く、迎えに行っていれば…誰にも言えない悔恨の念が、結衣の心を蝕む。一方、結衣の長男・秀斗(真咲郁)は、法廷で犯人を殺害する計画を立てはじめる。深い絶望の中で、結衣は、事件直後から一家の警護に当たっていた警察官の宮島(黒川深雪)に、事件現場に案内され、娘が最後にしるした足跡を見つける― 「storyA」を観て、どうしても、「storyB」を観たくなった。storyAは、犯人・佐久間護に謝罪させ、彼の人間性を取り戻したい弁護士の物語…

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