太宰の墓

三鷹市に太宰治のリーディングを聴きに行った帰り、すぐ近くに太宰のお墓があると聞いて、寄ってみることにした。 八幡大神社(これがものすごく大きい)の隣にある、「禅林寺」の墓地に太宰の墓はあった。 墓地の入口に、しっかり説明書きがある。なんと、森鷗外のお墓もあるのだ 6月19日の桜桃忌には、“太宰治”の名前のところにサクランボが詰め込まれていたりするそうだが、7月半ばには、沈静化していた。でも、お詣りされる方は引きも切らず…というところかな。 斜め向かいに森鷗外のお墓。本名の“森林太郎”名義のお墓になっている。遺言に「余ハ石見人 森 林太郎トシテ死セント欲ス… 墓ハ 森 林太郎墓ノ外一字モホル可ラス」と書かれていたため、鷗外の名はない。 禅林寺、すごく整備されてるお寺…という印象でした。 こちらが山門。 太宰が住んでいた三鷹市には、このような施設もあって、(太宰の短編「十二月八日」にも登場する伊勢元商店の跡地)街をあげて太宰の文学を愛しているんだな…と感じた。ゆかりの地をゆっくり回ってみたいと思う一日だった。

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「太宰治を聴く」

初めて訪れた三鷹市芸術文化センター。ここで、毎年桜桃忌の頃に「太宰を聴く」というイベントが催される。今年が19回目。7月20日というのは、過去一番遅い日だったみたいで、昨年は6月15日に松重豊さんが、「皮膚と心」「燈籠」「待つ」を読んだ。今年は、田中哲司さんが、「恥」と「グッド・バイ」を読む。それで、聴きに行くことにした。ゆうひさんが出演した作品、あえて、ほかの人で見てみたい…かどうかは、作品による。「グッド・バイ」は、変則的な作品だったこともあって、あらためて原作に当たってみたい、という気持ちで、三鷹までプチ旅行をしてきた。 太宰が暮らした街である三鷹。そのため、毎年この時期に、「太宰賞」という公募新人文学賞を発表している。(筑摩書房が共催)その受賞者の挨拶がまず行われる。今年の受賞者は、阿佐元明さんで、受賞作は「色彩」。ご挨拶の中で、阿佐さんは、締切日が年末なので応募した(キリがいい)、とか、太宰の作品は句読点の味わいがあるので、朗読者が句読点をどのように表現するか、気になる…など、ユニークな発言で会場を沸かせていた。 第19回 太宰を聴く~太宰治朗読会~朗読 田中哲司 音響:星野大輔(サウンドウィーズ)協力:株式会社鈍牛倶楽部、杉山祐介、株式会社筑摩書房、公益財団法人日本近代文学館主催:公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団 「恥」“菊子さん。恥をかいちゃったわよ…”で始まる女性の独白体で描かれる小説。書き手は、とある作家のファン。でも、自意識過剰気味のファンなので、ファンレターも…

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柴田先生…

宝塚歌劇団の演出家、柴田侑宏(しばた・ゆきひろ)先生が本日、亡くなられた…との情報が…87歳だったとのこと。ジャニーさんと同じお年だったんですね…。 1958年に宝塚歌劇団に入団されたということなので、61年の長きに亙り、宝塚に貢献されたということになる。演出家デビューは、1961年、宝塚新芸劇場公演「河童とあまっこ」。大劇場デビューは、1962年「狐大名」。主な作品に、「フィレンツェに燃える」「あかねさす紫の花」「星影の人」「バレンシアの熱い花」「新源氏物語」「うたかたの恋」「琥珀色の雨にぬれて」「哀しみのコルドバ」「川霧の橋」「花の業平」など。1992年の旧宝塚大劇場ファイナル公演で、一本もの「忠臣蔵」にチャレンジ、演劇としての宝塚歌劇をステップアップさせた功労者。この年入団したゆうひさん、この作品で初台詞(いってぇー)だったんですよね。ゆうひさんのプレお披露目公演「大江山花伝」、プレさよなら公演「仮面のロマネスク」、そして大劇場公演「誰がために鐘は鳴る」…すべて再演ものだったけど、柴田作品に出演できてファンとして幸せでした最後の脚本は、2015年「黒豹のごとく」。生前最後の上演作品は、5月の全国ツアー公演「アルジェの男」、最後の大劇場公演は昨年の「凱旋門」だった。お通夜は21日、告別式は22日(エテルノ西宮)。喪主はご令室・柴田英子(しばた・ひでこ)さん。 初めて宝塚に触れた頃から、柴田先生の作品にどっぷりつかっていました。長い間、本当にありがとうございました謹んでご冥福をお祈り申し上げ…

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「ピピン」観劇

ブロードウェイ・ミュージカル「ピピン」 脚本:ロジャー・O・ハーソン作詞・作曲:スティーヴン・シュワルツ演出:ダイアン・パウルス振付:チェット・ウォーカーサーカス・クリエーション:ジプシー・スナイダー いつもチケット発売即ソールドアウトの城田優くんが、めずらしくツイッターでチケットの宣伝をしていたのが気に留まり、大阪公演なら行けるかも…と、ゆうひさんの朗読の後に乗り込んできました。(2日間とも14時から1時間30分程度の朗読公演で、なんだか余裕の2日間だったはずが、この日は、朝から映画⇒ゆうひさん⇒ピピンというすごい一日となってしまった。さらに、この日は京都まで移動して宿泊…と、どこまでもハードな一日だった。楽しかったけど) 感想は一言でいうと、めっちゃ、面白かった全体がサーカス仕立てになっていて、場末な猥雑感を纏いつつも、おもちゃ箱をひっくり返したような、キラキラした楽しい雰囲気が、幕開きから満載語り部のようなポジションの役、リーディングプレイヤーにCrystal Kay。歌はもちろん抜群だし、意外に芝居心があって、クールでパワフルうわー、もうたまんない、これ主役のピピン(城田優)は、チャールズという王様(今井清隆)の息子。チャールズは、フランク王国のカール大帝のことらしい。ということは、時代的には、8世紀後半から9世紀くらい。日本では平安時代が始まった頃…でも、そういう時代背景は、テイストレベルにとどめられ、ちょっと地味な衣装の王子・ピピンと、サーカスチックな衣装の他の登場人物が活躍する…

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映画「GOZEN」

映画「GOZEN」を見てきた。 東映が映画と舞台のコラボ企画を立ち上げ、その舞台版の主演が矢崎広…ということで、まずは映画を見てみようか…となった。東京では、行きにくい場所でしか上映されていないので、関西に行くついでに観ることにした。朝、9時から梅田(宿泊したホテルから徒歩20分くらい)…ってハードル高い。初めて行く劇場で場所もよく分からないし…チケット券売機に到着した時点で既に9時は回っていた。無事、映画本編に間に合ったのは奇跡GOZENは御前のことで、この場合の御前とは、御前試合を指す。藩主の前で侍が日ごろの鍛錬の成果を見せるもので、真剣試合である必要はない。しかし、この映画では、藩主がクレイジーで血を見たがっていること、御前試合にかこつけて、幕府の間者を始末しようとしていることから、殺し合いの真剣勝負となっている。 徳川秀忠が将軍であった時代、家康に繋がる血筋を持つ府月(ふげつ)藩主、望月甲斐正(波岡一喜)は、幕府への反乱を考えていた。その動向を探ろうと、幕府は密偵を忍ばせていた。柳生一族も相当の忍を府月藩に入り込ませていた。青山凛ノ介(犬養貴丈)もその一人。既に忍の仲間たちが、望月の懐刀、寺脇甚八郎(武田航平)に斬られていた。寺脇は、人を斬ることに残虐な喜びを感じており、特に若い女が苦しみながら死んでいくことに異常な興奮を覚える男だった。忍は、仲間が窮地に陥っても助けに入ってはならない。凜ノ介は、仲間が斬られるのを黙って見ているしかなかったが、互いに慕い合う忍の男女は互いを庇って死んで…

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安土城

関西に行くついでに安土城に行くことにした。満を持しての安土城です 東海道線の安土駅に降り立つと、駅前にレンタサイクルのお店を発見。お城まで徒歩で50分と書いてあったので、これは自転車、いいじゃないの~と、借りることに。お店のおばちゃんに地図をもらって、いざ出発しかし、この地図が、かなり罠で…まったく見当違いの方向に行った私は、最終的にはグーグル先生のお力で、なんとか安土城に到着することができた。ありがとう、グーグル先生苦労したけど、美しいこの景色 積み上がっている段数は少ないのだけど、石垣が多い。本当に美しい。つい、見とれてしまって、歩くスピードが遅くなってしまった。 はい、こちらが、噂の大手道です。戦国時代のお城は、とにかく道がくねくねしている、というのが定番。しかし、この安土城の大手道は、まーっすぐ伸びているこのまーっすぐ感が、覇王・信長らしいな~と感じた。麓の休憩所みたいなところで、案内の方にうかがうと、どうやら、本丸に天皇陛下をお招きするための休憩所が設けられていて、そのために本丸の設計は清涼殿を模していた…とのこと。なので、大手道がまっすぐなのは、天皇が乗るための輿を運びやすくするためではないか…というのが最新の学説のようです。 とにかく、山、山、山、どこまで行っても階段…ようやく、「天主閣跡」に到着。あ、安土城は、「天守」ではなく「天主」と言います。この字を使うのは、織田信長だけが、天主閣に住んでいたからかもしれない…と私は思ってます。 その天主跡からの眺めはこんな感じ。すご…

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「橋爪功リーディングシアター」

兵庫県立芸術文化センター プロデュース「橋爪功リーディングシアター」 出演:橋爪功、大空ゆうひ ヴァイオリン演奏:長崎真音 演出:深作健太 美術:関谷潔司照明:倉本泰史音響:金子彰宏衣装:ゴウダアツコプロデューサー:栗原喜美子 協力:ひょうごT2、円企画、エイベックス・マネジメント、東京創元社、河出書房新社大空ゆうひ衣装提供:YOHJI YAMAMOTO(お問い合わせ先:ヨウジヤマモト プレスルーム 03‐5463‐1500 企画・製作:兵庫県立芸術文化センター 兵庫県立芸術文化センターは、東京で上演された作品の関西における受け入れ先となるだけでなく、関西発信の作品を自らプロデュースしている意欲的な組織。以前も、兵庫県立芸術文化センター企画のリーディング作品「レイモンド・カーヴァ―の世界」を六本木まで観に行ったが、兵庫発で東京公演までやるのだから、予算もしっかり出ているんだろうな~と思う。 今回の公演は、過去にこの舞台でも上演された「Tettor」の朗読と、『居心地の悪い部屋』というアンソロジー作品(翻訳=岸本佐知子)の朗読を組み合わせた3日間だけのスペシャルな公演。ゆうひさんは、2日目と3日目に参加した。初日のシーラッハ「Terror」は、前回の朗読時には、小曽根真さんのピアノ演奏があったが、今回は、ヴァイオリン演奏になったようだ。(2日目から参戦したので、私は観ていない。)というわけで、3日間のうち、2日目、3日目のレポートとなることをご了承ください。 7月14日(日)「あざ…

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「恋のヴェネチア狂騒曲」

シス・カンパニー公演「恋のヴェネチア狂騒曲」 作:カルロ・ゴルドーニ上演台本・演出:福田雄一 美術:二村周作照明:服部基音響:山本浩一衣裳:十川ヒロコヘアメイク:佐藤裕子舞台監督:瀬崎将孝プロデューサー:北村明子 演出助手:木下マカイ美術助手:伊従珠乃衣裳助手:柿野彩、桃木春香、芝原小鈴照明操作:稲田桂、白仁華子、見竹真歩音響操作:松山岳、金成亜莉沙、坪井七緒現場ヘアメイク:横田聡子演出部:川嶋清美、清水将司、古田亜希子、国代雅子、佐々木智史、荒智司、永井天智制作<進行>:土井さや佳、黒沢ひかる、市川美紀、鈴木瑛恵、森友美香 大道具制作:(株)俳優座劇場舞台美術部(高橋光大)小道具:(株)藤浪アート・センター(浅海敬)履物:(株)アーティス(斉藤裕彦)衣裳制作:東宝舞台(株)、榛葉洋子、神原秀佳、植田和子、曽我里華、井上美佐子、(有)タイガーリリー運搬:加藤運輸(有)コスメ協力:TV&MOVIE 協力:渥美博(アクション指導)   肥田光久(台本協力)   (株)二村周作アトリエ   (株)ライティングカンパニーあかり組   (株)エス・シー・アライアンス   (有)cacocalo   スタジオAD   (有)プラティナ   芸能花伝舎(稽古場) 企画・製作:シス・カンパニー 原作は18世紀のイタリア古典喜劇。ストーリー展開は、シェイクスピアの喜劇にもありがちなパターンで、そう考えるとシェイクスピアの200年後にこの程度の芝居が上演されていることに新しさはない。妙齢の美女が男装する…

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「世襲戦隊カゾクマンIII」観劇

プリエールプロデュース「世襲戦隊カゾクマンIII」 作・演出:田村孝裕 音楽:石山理(音楽工房シュノツサム)美術:田中敏恵照明:稲葉直人(ASG)音響:今西工(山北舞台音響)映像:ワタナベカズキ+CO2衣裳:竹内陽子ヘアメイク:奥野展子演出助手:村野玲子舞台監督:村岡晋 演出部:峠田悠照明操作:濱口暁(ASG)音響操作:岸田直人映像操作:山口加菜衣裳進行:松浦美幸プロンプター:伊藤桃花殺陣指導:佐藤雅樹 2年前に観た「カゾクマンII」の感想はこちら。すごく楽しかったので、今回も早々に観劇を決めた。 会場は、赤坂RED THEATER。ここもわりと勾配のある劇場だからか、前のめり観劇への注意喚起はなかった。開演前は、ひたすら戦隊シリーズの主題歌がかかっていて、シュールだった。 地球防衛軍日本支部は、長年佐久間家が世襲で担っていた。彼らは、世襲戦隊カゾクマンと名乗っていた。今は、リーダーのレッドは、父・佐久間一郎(山口良一)が担当しているが、そろそろ、息子の大輝(現在はブルー・曽世海司)に譲ろうと考えている。そして、隠居に向け、長年の懸案だった腰痛の手術を受けたところ、一郎は、手術室から誘拐されてしまう。一郎を誘拐したのは誰なのか動揺する佐久間家。ピンクである母・多津子(熊谷真実)は、自身の還暦の誕生日を夫婦で迎えることに強い拘りがあった。それは、高校時代、当時ブルーだった一郎と付き合っていたが、世襲戦隊に入れて危険にさらしたくないという一郎に、絶対死なないから、死なないで一緒に還暦迎える…

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2020年公演ラインアップ(花組)

2020年 公演ラインアップ【東京国際フォーラム公演】 2019/07/11 2020年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【東京国際フォーラム公演】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。    花組公演 主演・・・柚香 光、華 優希 東京国際フォーラムホールC:2020年1月7日(火)~1月22日(水) Grand Festival 『DANCE OLYMPIA』 -Welcome to 2020- 作・演出/稲葉 太地 1幕がお芝居、2幕がショーという構成の作品になるようですね。タイトルは、東京オリンピックに合わせて…ということなんでしょうね…どうか、ステキなお披露目公演になりますように

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