宝塚歌劇星組東京公演「霧深きエルベのほとり」観劇
Once upon a time in Takarazuka「霧深きエルベのほとり」
作:菊田一夫潤色・演出:上田久美子作曲・編曲:入江薫、青木朝子、高橋恵音楽指揮:佐々田愛一郎振付:御織ゆみ乃、若央りさ殺陣:清家三彦装置:新宮有紀衣装:有村淳照明:勝柴次朗音響:実吉英一小道具:下農直幸歌唱指導:ちあきしん演出助手:谷貴矢舞台進行:香取克英
初演は50年をはるかに超える昔。今回、すごく好評で、菊田一夫すげー、もっと菊田作品をという声をあちこちから聞く。でも、それは、潤色・演出の上田久美子先生がすごいのであって、元作品は、ふつーに読めば、壮大なやり逃げドラマだよ~なんて、思っていた。観劇するまで、ずっと。
私は、以前にも「壮大なやり逃げ」というフレーズを使っている。それも菊田先生の作品だった。「やり逃げ」とは、つまり、主人公の男が、ヒロインと出会い、恋をして、結婚に至らない状態で、肉体関係を持ち、諸般の事情があるとはいえ、結婚せずにヒロインの前から姿を消すストーリーのこと。女性の側からすれば、世間的にはキズモノにされ、心にもぽっかりと大きな穴があいた状態で終幕を迎える。男は、そんなヒロインの心を知ってか知らずか、「幸せになれ…」とか呟いて、哀愁漂うテーマソングを歌って幕ーこんな話のどこがいいんだか、私には、さっぱりわからない。そういう意味で、「壮大なやり逃げ」と書いた。
今回、「Once upon a time in Takarazuka」(=昔話)という角書きが付いたことで、たぶん、それは…