「マスカレード・ホテル」
映画「マスカレード・ホテル」を見てきた。原作、東野圭吾。主演、木村拓哉&長澤まさみ…ということで、まず、ヒット間違いない作品。私が見なくても。でも、なんか、見てみたくて、来てしまいました(笑)
ふんだんに豪華な出演者を使い、ホテルという、もはやひとつの街のような舞台で起きる様々な出来事を同時多発的に映し出す映画の形態を「グランドホテル形式」と呼ぶが、この作品は、そこにひとつの視点(定点)が加わる、という点で、他のグランドホテル形式映画(たとえば三谷監督の「有頂天ホテル」とか…)と一線を画している。ホテルには、様々な宿泊客がいるが、今回、このホテルで殺人事件が起きるらしい…という情報により、警視庁の刑事たちが、ホテルマンの姿で潜入している。だから、ここでピックアップされる客たちは、なんらかの理由で「怪しい」客に限られる。木村拓哉扮する新田刑事を教育するのが、フロントを担当する山岸(長澤)。長髪で姿勢も目つきも悪い根っからの刑事を、とりあえずホテルマンに見えるように仕込むのが仕事なのだが、お互い、自分の仕事にプライドがあるので、何かというとぶつかり合う。一昔前の映画だったら、このぶつかり合う=スクリューボールコメディで、途中から恋愛ものに進んでいくのだが、この映画は、男女が、お互い、プロの職業人であることを信頼し合うバディものになっているところが、21世紀的というか、令和的というか。事件解決後に、あらためて食事をするシーンで物語は終わるので、その先、(つまり映画が終わった後の世界では)愛が芽生えるこ…