東京宝塚劇場星組新人公演(霧深きエルベのほとり)ミニ感想
星組新人公演を観劇してきました
新人公演担当は、谷貴矢先生。アバンギャルドな谷先生が、古典の王様のようなこの作品をどのように演出するか、ドキドキしていたが、特に新人公演だから…という演出変更は感じなかった。本公演をそれほどリピートしていないから、気がつかなかっただけかもしれないが。
では、さっそく出演者の感想です。
極美慎(カール・シュナイダー)…愛くるしいルックスの極美が、精悍な海の男を演じ切った。言葉を崩してはいるものの、本役(紅ゆずる)ほど崩し切らず、若さを出してきたのかなと思った。その辺は、本役をトレースすればするほど、未熟さが出てしまうので、よい判断だったと思う。歌は相当苦戦していたが、(シンプルな歌ほど難しいものなのかも…)それでも、マルギットへの愛だけは、ものすごく伝わって来て、それが伝わったことだけで、この新公は成功だったと思う。
水乃ゆり(マルギット・シュラック)…美しい白いドレスが、どれもよく似合っていた。本役(綺咲愛里)の、どこまでも突き抜けたカマトト(古い作品なので古い言葉になってしまい、恐縮です…)ぶりとは違い、自分の身の丈に合った役作りをしてきた…という感じかな。本公演の潤色・演出担当の上田先生が“Once upon a time in Takarazuka”をすごく重視している演出なのに対して、谷先生は、そこへの拘りはなかったということかも。おとぎ話という外枠を取っ払って、普通に身分違いの悲恋を作ったというのが、新公の演出なのかもしれないですね。とはいえ、水乃…