「有頂天団地」観劇
喜劇「有頂天団地」
作:小幡欣治(『隣人戦争』より) 演出:マギー
美術:松井るみ照明:服部基音響:尾林真理衣裳:前田文子振付:長田奈麻ヘアメイク:宮内宏明演出助手:石戸達郎舞台監督:瀬尾健児、桝田諒宣伝美術:平田好宣伝写真:加藤孝制作事務:桐ヶ谷香制作:松本康男、三浦麻利絵、野村英孝
昭和50年代、新築の建売住宅で隣同士になった6組の家族、その中の二人の主婦を中心とした人情喜劇。隅田家は、主人が外国航路の船員と称している。妻の秀子(渡辺えり)と、夫の父・大造(笹野高史)、娘の杏子(片山陽加)が現在の住人。隣に住んでいるのは、徳永家。夫の徳永伸一郎(田中美央)は、帝国ホテルに勤務しているらしい。妻のくに子(キムラ緑子)と、小学生の息子、そして夫の母(広岡由里子)が同居している。タイトルに団地とあるが、集合住宅が舞台ではない。あくまでも建売住宅なのだが、6軒の一軒家が、狭い敷地に庇を重ねるように建っているイメージ。古い屋敷町らしく、新入りの主婦たちは、近所の奥様方のかっこうのターゲットになり、その代表格である高見沢夫人(鷲尾真知子)から、洗濯物の干し方が悪いとか、重箱の隅をほじくるような注意を受ける。
そんないささか古めかしいホームドラマが展開する中で、新たに両サイドの空き地に新築の建売住宅を建てるという計画をめぐり、最初は仲が良かった秀子とくに子の関係が険悪になってしまう。最初は、くに子の側に付いていた他の4軒の奥様方(久世星佳、西尾まり、明星真由美ほか)は、くに子の姑が建設会社からお金を…