2018年の大空ゆうひ

2018年は、これまでの役者人生の中で、最大限働いた年のように感じた。 1月は、10日に、朝日カルチャーセンターの講座で、指揮者の山田和樹さんのトークセッションにゲストで呼ばれ、仕事始め。山田さんのトークは面白く、ゆうひさんの知らなかった一面をたくさん引き出してもらった。その一方で、小曽根真さんのファンなんですとゆうひさんが言った一言で、けっこう落ち込む山田さん…いや、たぶん、山田さんのことも好きだと思いますよ 前年から続いている「HEADS UP!」の公演は、1月から2月にかけてツアー。(富山~長野~大阪~名古屋) ツアー終了後の2月19日に、宝塚大劇場で宙組20周年のイベントに参加。歴代トップスターが全員揃うという一大イベントだったけど、大劇場で一曲を披露するとかじゃなかったので、楽しくゆるくトークして、同期のかしちゃん等と旧交を温めていた感じ。そして、3月に東京の赤坂ACTシアターで「HEADS UP!」10日間の東京凱旋公演。興行的にはそんなに大ヒットという感じでもなかったと思うけど、日本発のミュージカル、しかも、かなり面白い作品をスルーする人がミュージカルファンにも多いということなんだろう。 4月は、「坂東玉三郎 越路吹雪を歌う」のNHKホール公演に出演。ソロでは「さくらんぼの実る頃」を歌う。なんか、昨年以来、シャンソンがいいと思って、今後もそういうオファーがあればいいな…と思っているのですが、来年もあるかなぁ。 5月、新潟のりゅーとぴあで幕を開けた「人形の家」に出演。ヒロイン…

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「Happy Families」観劇

文化庁委託事業平成30年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業日本の演劇人を育てるプロジェクト新進演劇人育成公演[俳優部門]「Happy Families A Greek Tragedy in London」 作:デボラ・ラヴィン翻訳:河内喜一朗 スタジオライフ上演台本:倉田淳 舞台美術・舞台監督:倉本徹照明:山崎佳代音響:竹下亮(OFFICE my on)衣裳:スタジオライフ衣裳部ヘアメイク:MUU演出助手:宮本紗也加宣伝美術:佃美月(FORM)チラシイラスト:及川健協力:葛城奈菜海、円企画、劇団ひまわり、style office、よしよしこ(アナログスイッチ)企画:藤原啓児制作協力:スタジオライフ プリエール制作:公益社団法人日本劇団協議会主催:文化庁 公益社団法人日本劇団協議会 育成対象者:久保優二、澤井俊輝、千葉健玖、鈴木智加寿(MC企画)、相馬一貴(演劇集団円)、高尾直裕(劇団ひまわり) 年末にクリーンヒットが出ました2018年のライフ作品で一番好きかもしれない(過去の公演は観ていません…) タイトルは、“ハッピー・ファミリーズ”となっているが、イタリック体でサブタイトルが書かれている。“ロンドンのギリシャ悲劇”…ギリシャ悲劇にもいろいろあるが、観終ってみると、これは壮大なネタバレというか暗示だということがわかる。(つまり、作品テーマは、「オイディプス王」であった)緻密で、よくできた脚本なので、演じる人の数だけ違うニュアンスの舞台が出来上がると思うし、それでいて、俳優ではなく…

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「民衆の敵」観劇

Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2018 DISCOVER WORLD THEATRE vol.4 「民衆の敵」 作:ヘンリック・イプセン 翻訳:広田敦郎(シャーロット・バースランドの英語逐語訳による) 演出:ジョナサン・マンビィ 美術・衣裳:ポール・ウィルス 照明:勝柴次朗 音楽:かみむら周平 音響:長野朋美 振付:黒田育世 ヘアメイク:佐藤裕子 衣裳スーパーバイザー:中野かおる 美術助手:原田愛 演出助手:陶山浩乃 通訳:時田曜子 舞台監督:南部丈 今年は、イプセン作品を2作も観てしまった。たぶん、舞台でイプセン作品を観たことは、これまでなかったと思うので、2018年は、私にとって、イプセン遭遇イヤーだったようだ。そして、その130年以上昔の作品が、現代の日本人の胸に鋭く突き刺さる…というところに、イプセンの先進性、と我が国の後進っぷりが如実に表れている。 「人形の家」では、DVという、日本ではようやくここ20年くらいで認識されてきた問題が描かれた。それも、肉体的な暴力ではなく、家庭内モラハラがテーマという…この先進性そして、本作品は、個人が個人である時の誠実さと、個を失くした民衆の愚を対比、さらに隠蔽が生まれる構図まで描き出して、2018年の日本に生きる私たちの心を揺さぶる。…これ、本当に、130年前の戯曲なのでしょうか… 舞台は、2時間15分ノンストップ。それでも、ある種の結論に到達して幕が下りるのではなく、これから戦いの始まりだ…というところ…

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「ロミオとジュリエット」

M&Oplays produce「ロミオとジュリエット」 演出:宮藤官九郎作:W・シェイクスピア翻訳:松岡和子 美術:桑島十和子音楽:向井秀徳照明:佐藤啓音響:大木裕介衣裳:戸田京子ヘアメイク:大和田一美(APREA)ステージング:八反田リコアクション指導:前田悟演出助手:大堀光威舞台監督:山口英峰演出部:鷲北裕一、伊藤久美子、瀬戸元哲、小林英雄照明操作:溝口由利子、本田理恵、西山真由美音響操作:深田将文衣裳助手:梅田和加子現場ヘアメイク:井草真理子(APREA)美術助手:湯浅美穂里大道具:C-COM 五藤皓久小道具:高津装飾美術 天野雄太衣裳製作:川口弘子、春木里華、岩渕玲子、関口恭子、神場靖江、山本満穂、井上京子、角南由佳、坂巻絢子帽子製作:Atelier Nobuyuki Hizume運搬:加藤運輸 2年ぶりに12月のM&Oプロデュース㏌本多劇場。(2年前は「磁場」でした)三宅弘城がロミオを演る、というだけで、早々にチケットを取ってしまった。 まず、配役をご覧ください。 ロミオ…三宅弘城ジュリエット…森川葵マキューシオ…勝地涼ティボルト…皆川猿時ベンヴォーリオ…小柳友パリス…阿部力(モンタギュー夫人も)大公…今野浩喜モンタギュー…よーかいくんバルサザー…篠原悠伸乳母…安藤玉恵キャピュレット夫人…池津祥子キャピュレット…大堀こういちロレンス神父…田口トモロヲ この本気なのか、ふざけているのか、わからない配役…でも蓋を開けてみたら、マジでしたいや、マジなんだけど、相当…

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「有頂天団地」観劇

喜劇「有頂天団地」 作:小幡欣治(『隣人戦争』より) 演出:マギー 美術:松井るみ照明:服部基音響:尾林真理衣裳:前田文子振付:長田奈麻ヘアメイク:宮内宏明演出助手:石戸達郎舞台監督:瀬尾健児、桝田諒宣伝美術:平田好宣伝写真:加藤孝制作事務:桐ヶ谷香制作:松本康男、三浦麻利絵、野村英孝 昭和50年代、新築の建売住宅で隣同士になった6組の家族、その中の二人の主婦を中心とした人情喜劇。隅田家は、主人が外国航路の船員と称している。妻の秀子(渡辺えり)と、夫の父・大造(笹野高史)、娘の杏子(片山陽加)が現在の住人。隣に住んでいるのは、徳永家。夫の徳永伸一郎(田中美央)は、帝国ホテルに勤務しているらしい。妻のくに子(キムラ緑子)と、小学生の息子、そして夫の母(広岡由里子)が同居している。タイトルに団地とあるが、集合住宅が舞台ではない。あくまでも建売住宅なのだが、6軒の一軒家が、狭い敷地に庇を重ねるように建っているイメージ。古い屋敷町らしく、新入りの主婦たちは、近所の奥様方のかっこうのターゲットになり、その代表格である高見沢夫人(鷲尾真知子)から、洗濯物の干し方が悪いとか、重箱の隅をほじくるような注意を受ける。 そんないささか古めかしいホームドラマが展開する中で、新たに両サイドの空き地に新築の建売住宅を建てるという計画をめぐり、最初は仲が良かった秀子とくに子の関係が険悪になってしまう。最初は、くに子の側に付いていた他の4軒の奥様方(久世星佳、西尾まり、明星真由美ほか)は、くに子の姑が建設会社からお金を…

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ハラムスカラム「幻獣」観劇

2018ハラムスカラム第1実験「幻獣」 原案:ハラムスカラム脚本:森悠演出:あきやまかおる 3月に、藤波瞬平が出演する「真説・春琴抄」を観た。その時、ヒロインの春琴を演じていたのが、あきやまかおる。とても声が可愛らしくて、多彩な表現をしてくれる女優、という印象。帰る時にアンケート用紙を受け取ってくれた(スタッフさんが誰も居なかったので…)臨機応変のやさしさ&気づきにも好感が持てて、藤波くんが客演するし…と、いそいそ、異空間に足を運んだ。(以前、「弁当屋の四兄弟」を一緒に観に行ってくれた友人が、同行してくれた。ありがとうございます) 謎の姉妹が住む家。私たち観客は、そこに招待された客人。私たちは、「触れるべからず、話すべからず、抗うべからず」の三つの約束をして、この会場(SUMUZO STUDIO GAIEMMAE)の客席に座った。入口は、1階。チケットはなくて、チケット代を支払った後は、整理番号順に並んで開演を待つ。受付と、並べる係のおねえさんは、なんとなくホーンテッドマンションのおねえさんのような感じ。(イメージ、伝わるかな単なる受付なのに、既におどろおどろしい、禍々しい雰囲気があるんですね…。ニコリともしないし。)時間になり、おねえさんに2階へと案内してもらうと、レースのカーテンの奥に、二人の女性の影が… 彼女たち(あきやまかおる・木村はるか)の存在について、スクリーンにヒントとなる文字列が流れ、そしてパフォーマンスが始まった。彼女たちは、世界と隔絶したこの場所にずっと住んでいて、毎日…

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舞浜 宴のあと

舞浜アンフィシアターの花組公演、あっという間に過ぎ去ってしまいました。 イクスピアリももとに戻ったのかなと、よせばいいのに、確認してきました。 この浮かれまくっていた通路… 何にもない…床のピンク地に音符マークいっぱいのテープまでも剥がされていました… さびしい…また、来てくださいね

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宝塚宙組東京公演「白鷺の城」ほか観劇

宙組公演、大劇場、東宝通して1回しか観劇できなかったため、今回の感想は、ほぼメモ程度のものになってしまいます。申し訳ありません。来年こそ、友の会がお友達になってくれますように ー本朝妖綺譚ー「白鷺の城」 作・演出:大野拓史作曲・編曲:太田健、高橋恵音楽指揮:御崎惠振付:山村友五郎、峰さを理、平澤智殺陣:清家三彦装置:新宮有紀衣装:河底美由紀照明:氷谷信雄音響:実吉英一小道具:松木久尚歌唱指導:KIKO映像:九頭竜ちあき演出助手:生駒怜子舞台進行:庄司哲久 大野先生の日本ものショーは、美しき「あやかし」のものVS陰陽師の時代を超えた、恋と戦いの物語をテーマにしている。その「あやかし」の正体が、「狐」であり、その「狐」の系列が2つに分かれている…というところが、さすが難しいもの好きの大野先生である、と思う。千年の時を生きると言われている九尾の狐。人心を惑わし、それによって世界を変える力を持つ。でも、実は、愛に生きる「あやかし」なのかもしれない。人間は彼女の深い愛に応えられないだけなのかも。この系統を、若きトップ娘役・星風まどかが演じる。もう一つの系統が、安倍晴明の母と言われる「葛の葉」。人間と深く愛し合い、晴明という不世出の陰陽師の母となる。母となったことで、「恋愛」ではない「愛情」を人間に注ぐ存在になる。こちらは、専科の理事・松本悠里が演じる。これに対峙する人間側の人々は、残念ながら寿命の関係で、場面ごとに人が変わる。が、主役の真風涼帆だけは、常に前世の記憶を持ち続けることで、歴史を越えた壮大…

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今年のクリスマスツリー

東京宝塚劇場のクリスマスツリー、毎年紹介しているが、今年は、こんな感じ。 後もののお芝居に羽が登場するから…かなツリー自体は、ちょっと抑え気味にして、羽が目立つようにしていますね。 ちなみに昨年のは、こちらです。星組公演だったので、ブルー&星というイメージのようです。 そして、一昨年のはコレです。雪組公演、そしてトップスターの早霧せいなにちなんでSをモチーフにしていました。 毎年、色々なタイプのツリーで楽しませてもらっています。ブログでは、3年分を1セットにして掲載しているので、ここからさらに遡って、2015年のブログ(2013年~15年分)も紹介しておきます。こちらです。公演的には、2015年が「新源氏物語」、2014年が「PUCK」、2013年は公演というより100周年メインみたいですね。

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「Delight Holiday」感想 その2

その1はこちらです。 平成30年間のヒットソング・メドレーは、圧巻だった。あー、この年に、この曲が流行ったのか…とか、これは、誰かのDSでやったよな…とか、ケロさんの最後のお茶会で歌った曲だった…とか、もう、本当に色々…。平成の30年は、私の宝塚ファンとしての歴史とかぶるので、余計、そう感じたのかも…。最後に全員で歌ったのが、今年の大ヒット曲「U.S.A.」。この曲に関しては、DA PUMPの原振付を忠実に再現していて、あの微妙にダサい振りをタカラジェンヌが踊るというのが、なんともクセになるダンスでした。だって…通常の舞台で、カニ歩きとか、振付にないじゃないですかダンスシーンを引っ張っていたのは、もちろん、公演2番手の鳳月杏だったのだが、彼女のダンスは、見事にDA PUMPのあの振付を宝塚の男役に変換していて、かっこいい部分、可愛い部分、など、自身の魅力をしっかり見せつけてきて、さすが実力派と感心してしまった。一方、トップスターの明日海りおは、ものすごくシンプルに楽しそうにこのダンスを踊っていた。どんなダサい振付でも、楽しそうな明日海が踊っていると、全力で可愛いと思えてしまう。そして、可愛いだけで成立するなんて…と、明日海の円熟ぶりに茫然となった。もう、男役であることなんて、重要じゃなかったんですね、この人には。明日海りおでありさえすれば、それはもう、絶対エースってことなんですね 続いての場面は、トップスター明日海りおの思い出の公演を振り返る場面。この場面が、【A】【B】の2パターンあって、そ…

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