忖度のスパイラル
10月1日は人事が動く日だったりする。新卒の内定式もあるし。
部長クラスが動くと、社内は大騒ぎになる。着任直後から仕事ができるように、準備をしてお迎えしなければならない。もちろん全社的な異動なので、50人くらいが右往左往する。ライン部長とか、取締役、執行役員とかは、なによりも優先して対応されるが、そうだとしても抜け漏れがないように、発表直後から事務担当者の暗躍が始まる。10月1日に内線電話の手配ができなくても、前倒して9月29日に工事を依頼したり、あうんの呼吸で、秘策が飛び交う。こういうの、すごいな…と思いつつ、この騒ぎを、着任する部長は知らないんだろうな、とも感じる。会社中の忖度に支えられて、当たり前のように、10月1日に新しい部署で勤務に就く。このスパイラルがどこかで切れた時が怖い。これまでの担当者が感謝されるよりは、たぶん、切らした人が「使えない」ってめっちゃ怒られるだろうからだ。
とりあえず、私は怒られずに、仕事を全うできたようだ。ごめんね、未来の担当者…