「ひとのみち」って書いたけど…

「ひとのみち」に外れたことなんて、一度もしたことがない、と、言っている人がいたら、かなりの大ウソツキか、忘れっぽい性格なんだと思う。誰でも、生きている限り、大なり小なり、「ひとのみち」に外れることをしてきたはずだ。私だって、えらそうに語る資格はない。特に、「色恋」っていうヤツは、本人にはどうしようもない、「不可抗力」だと思うから、多少のことなら、目をつぶってあげたいと思う。自分に関わりのないところで、だったら。 「寝物語」っていうのがあるそうで。そこで、面白おかしく語られたことが、「真実」のように、一人歩きして、当人の元上司の耳に入った。もう、彼女は、普通の人生は歩いていけないだろう、と思う。 でも、同情する気はないな。「不倫はいけません」みたいな「ひとのみち」についてお説教する気はないけど、たとえどんな不満があっても、「お世話になったところに、後足で砂をかけるようなことをしちゃダメなのよ」っていう「ひとのみち」に反し、しかも、こっちには砂がかかってるんだもの。 上記の記事は、2006年に書いたものだ。(2006年6月6日の記事)それから、一回りの歳月が流れた。最近、2006年頃の観劇記録を探していて、その時にふと、目に留まって読んだら…すっかり忘れていた、私、こんなこと書いていたのね。 その後、私たちの会社は解散し、私は元の会社に戻り、「元上司」は、現在、第二の人生を楽しんでいる。で、「彼女」なのだが、現在、私の会社の最大の取引先に勤務している。こっちがひれ伏す立場まだ会ったこと…

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忖度のスパイラル

10月1日は人事が動く日だったりする。新卒の内定式もあるし。 部長クラスが動くと、社内は大騒ぎになる。着任直後から仕事ができるように、準備をしてお迎えしなければならない。もちろん全社的な異動なので、50人くらいが右往左往する。ライン部長とか、取締役、執行役員とかは、なによりも優先して対応されるが、そうだとしても抜け漏れがないように、発表直後から事務担当者の暗躍が始まる。10月1日に内線電話の手配ができなくても、前倒して9月29日に工事を依頼したり、あうんの呼吸で、秘策が飛び交う。こういうの、すごいな…と思いつつ、この騒ぎを、着任する部長は知らないんだろうな、とも感じる。会社中の忖度に支えられて、当たり前のように、10月1日に新しい部署で勤務に就く。このスパイラルがどこかで切れた時が怖い。これまでの担当者が感謝されるよりは、たぶん、切らした人が「使えない」ってめっちゃ怒られるだろうからだ。 とりあえず、私は怒られずに、仕事を全うできたようだ。ごめんね、未来の担当者…

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「14歳の国」観劇

早稲田小劇場どらま館×遊園地再生事業団「14歳の国」 作・演出:宮沢章夫 音楽:桜井圭介舞台監督:黒澤多生、伊藤新舞台監督補佐:金岡大樹舞台美術:佐々木文美照明:小駒豪、高橋かおり音響:和田匡史小道具・学生指導:海老原翠宣伝美術・web:相馬称使用書影:宮沢章夫『14歳の国』白水社刊(装丁:斉藤いづみ)記録:佐藤駿スチール:坂内太演出助手:大塚健太郎、高本彩恵、小林優太郎衣装部:澤田靖子制作協力:足立悠子制作補佐:加治木仁美、矢島万智歩、伊勢崎綾香劇場制作:宮崎晋太朗企画責任者:大前研二製作:遊園地再生事業団、早稲田小劇場どらま館運営協議会 20年前の春、神戸で14歳の少年による連続児童殺傷事件があった。酒鬼薔薇事件と書けば思い出す人も多いだろう。いわゆるニュータウンで起きた「ご近所」での殺傷事件、しかも犯人が中学生…ということで、世間は震撼した。この戯曲は、肉体と精神のバランスが不安定で、大人から見ると「何を考えているかわからない」存在、なのに、人を殺すだけの知恵や力を持ち合わせている「中学生」という怪物を「大人」がどんなふうに見て、感じて、扱いかねているか、そんなテーマで書かれているようだ。 とある中学校。そのクラスの生徒は体育の授業中。その教室に先生が5人、こっそり現れて、持ち物検査を始める。先生が5人…といっても、年代はバラバラ。学年主任のサイトウ先生(谷川清美)は、50代くらいかな。美術部顧問のサカイ先生(踊り子あり)と、どこかエキセントリックな雰囲気のあるアキツ先生(笠木泉)は…

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