「空飛ぶタイヤ」

映画「空飛ぶタイヤ」、見てきました。 めちゃめちゃ良かったです もちろん、原作が良いということは、言わずもがなだが、かなり長い原作を2時間に纏め、しっかりテーマを伝えていたし、主人公だけでなくすべての登場人物が、自らの信念を見せる群像劇としても優れていたし、さらに、台詞にすべてを語らせず、余白を持たせたところもよかった。イケメン&美女のみアップが多い…という余計なサービスはちと気になったが、それを差し引いても良い映画と言っていいと思う。 物語は、ご存じの方も多いと思うが、こんな感じ。赤松運送の若いドライバーが運転するトレーラーから車輪が外れ、歩道を歩いていた主婦(谷村美月)を直撃して死亡させた。警察は、整備不良を疑い、社長の赤松(長瀬智也)も、最初は、整備を担当した門田(阿部顕嵐)を疑う。しかし、門田が、通常の整備項目以上の厳しいチェックシートを使って整備をしていたことがわかったため、家宅捜索を受けながらも赤松運送は立件されなかった。とはいえ、小さい子供のいる主婦が死亡した事件を起こした…ということで、取引が停止されたり、メインバンクのホープ銀行から融資を断られたり、会社は徐々に窮地に陥る。先代からの専務、宮代(笹野高史)や、営業の高嶋(大倉孝二)からも、会社存続のための手を打ってほしいと再三言われる。その一方で宮代は、別の可能性を示唆する。ホープ自動車製のトレーラーの構造的欠陥だ。過去に、同じような事故を起こしている運送会社があったのだ。赤松は、群馬県の野村陸送まで行き、社長の野村(柄本明…

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