「FOCUS ON」シリーズの続き

以前、新しい写真集のシリーズについての記事を、かつての「My Style」シリーズと比較して書いた。その後、順調にシリーズは刊行されるようで、すでに第3弾まで発表されている。さすがにここで終わりそうな企画ではないので、あの縁起の悪さは払拭されたような気がする。お気に入りの鳳月杏さんの発売が決まったので、第2弾、第3弾をまとめて紹介します。 第2弾「彩凪翔」海辺で遊ぶ青春まっただなかの瑞々しい若者、大人の魅力を感じさせる精悍な青年、さらには、洋館にたたずむスーツ姿のダンディーな男性などのポート、紛争写真、日々の様子を稽古や公演の合間に彩凪自身の手で書きつづったブログ風コーナー、ゲストは、雪組トップスターの望海風斗と、2番手スターの彩風咲奈。 第3弾「鳳月杏」クラシックな洋館にたたずむ端正な黒燕尾の青年、ダルマ燕尾の妖艶な女性、そして満開の桜の下に幻のように現れた着流しの男などのポート、ゲストは、花組トップスターの明日海りおと宙組2番手スターの芹香斗亜。本人はもとより、演出家、振付家、共演者達へのインタビューも。 おそらく人選としては、2番手スターより上級生の新公主演経験者で、かつてパーソナルブックを出していない生徒…ということになるのではないか、と推察。全部で5冊程度になるのかな。どうか、これが登場するみんなの飛躍のきっかけになりますように。

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開演アナウンスへの拍手と雪組公演(追記あり)

以前、開演アナウンスへの拍手についての記事を書き、反響をいただいた。そして、今回、雪組公演で新たな問題を見たと、思ったので、再び書かせていただくことにした。 ※前回書いたことについては、重要な部分は繰り返しますが、詳細については、こちらをご覧ください。 開演アナウンスは、ただの案内放送である。他の劇場では、劇場スタッフによる生放送(数分前の注意事項と同様)、録音されたものを使っているところもある。わが宝塚では、このアナウンスを「トップスター」が務める、という慣例があるが、長らくトップさんが氏名を名乗ったくらいでは拍手しないことになっていた。ところが、100周年を過ぎた頃から、開演アナウンスに拍手が入ることが多くなった。その理由について、前回記事では推測してみたが、今回は割愛する。 そんな中、前回の月組公演「カンパニー」において、先にバレエ「白鳥の湖」の幕が上がり、ダンサーたちが踊り始めたところへ静かに開演アナウンスがかぶる…という新スタイルにより、どうにもこうにも拍手できない状況になっていた。これを見て、どうしても拍手が入るのを防ぎたければ、こういうやり方があるんだな…と思った。 そして、今回の雪組公演「凱旋門」。このプロローグは、まさしく「拍手しないでほしい」パターンの始まり方だ、と思った。開演5分前に緞帳が上がり、指揮者の塩田さんは、開演前に登場して拍手をもらう。いよいよ大戦に飲み込まれる寸前のパリ。静かに登場した通行人の動きがダンスになっていく、まさにそこに開演アナウンスが入ったから…

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「Thunderbolt Fantasy」主な配役決定!

星組台湾公演用の新作「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」の主な配役が発表された。 凜雪鴉(リンセツア)… 紅 ゆずる 丹翡(タンヒ)… 綺咲 愛里 捲殘雲(ケンサンウン)… 礼 真琴 ~*~*~*~捲殘雲の母… 万里 柚美 廉耆(レンキ)… 美稀 千種 殤不患(ショウフカン)… 七海 ひろき 傀儡師[座長]… 如月 蓮 傀儡師… 白妙 なつ 蔑天骸(ベツテンガイ)… 天寿 光希 殘凶(ザンキョウ)…  大輝 真琴 狩雲霄(シュウンショウ)… 輝咲 玲央 傀儡師… 瀬稀 ゆりと 傀儡師… 紫月 音寧 刑亥(ケイガイ)… 夢妃 杏瑠 殺無生(セツムショウ)… 麻央 侑希 傀儡師… ひろ香 祐 傀儡師… 紫 りら 傀儡師… 音咲 いつき 捲殘雲の父… 拓斗 れい 丹衡(タンコウ)… 桃堂 純 傀儡師… 彩葉 玲央 獵魅(リョウミ)… 有沙 瞳 凋命(チョウメイ)… 天華 えま ※ご利用の環境によっては、「捲殘雲(ケンサンウン)」の「捲」の文字が正しくご覧いただけない場合がございますが、「てへんに旧字体の巻」が正しい表記となります。 傀儡師がいっぱい出てくるのは、原作が人形劇だからなのでしょうかね。まったく物語を知らないので、ついていけるか不安ですが…その前に日本で観られるか…それを心配すべきかも。

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2019年公演ラインアップ(月組)

2019年 公演ラインアップ【東京国際フォーラム】【梅田芸術劇場メインホール】 2018/07/26 2019年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【東京国際フォーラム】【梅田芸術劇場メインホール】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。    月組公演 主演・・・珠城 りょう、美園 さくら 東京国際フォーラムホールC:2019年1月6日(日)~1月20日(日) 梅田芸術劇場メインホール:2019年7月27日(土)~8月12日(月) ブロードウェイ・ミュージカル 『ON THE TOWN(オン・ザ・タウン)』 “ON THE TOWN” Music by LEONARD BERNSTEIN Book and Lyrics by BETTY COMDEN and ADOLPH GREEN Based on a Concept by JEROME ROBBINS 潤色・演出/野口 幸作 珠城りょうと美園さくらが初めて組んだ今年の「雨に唄えば」。あの系統にあるミュージカルコメディ作品「ON THE TOWN」に挑戦することとなった。 24時間だけ自由な時間が持てる上陸中の水兵トリオが、よし、恋をするぞみたいにNYの街に繰り出していく。映画版は、こちらもジーン・ケリー主演で歌とダンスが圧巻の楽しい作品。とはいえ、古い作品なので、そもそも24時間の上陸期限の間に恋をしよう、とか、女を何だと思っているんだみたいな気もするし。(いや、結果は、超ロマンスなんですけどね)そもそも、ジー…

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月組次期トップ娘役決定!

月組 次期トップ娘役について 2018/07/26 この度、月組次期トップ娘役に、美園さくらが決定しましたのでお知らせいたします。 なお、新トップ娘役としてのお披露目公演は、2019年1月6日に初日を迎える月組東京国際フォーラム公演『ON THE TOWN(オン・ザ・タウン)』となります。 本日、発表されましたね。 別箱公演「雨に唄えば」で、珠城りょうの相手役を務めたさくさくが、そのまま順当に相手役に。 ようやく、後任が決まり、月組もちゃぴも安心して「エリザベート」に挑める…というところでしょうか。後任が決まれば、引継ぎ…じゃないけど、ちゃぴも伝えたいことをお稽古の中で、伝えていけると思う。 さくさくは、コケティッシュな魅力があるし、なんといっても歌ウマさん。「雨に唄えば」もそうだったけど、ミュージカル作品など、力を発揮してくれると思う。 新しいトップコンビの未来に栄光あれ。おめでとうございます 一方で、うみちゃんの今後も気になります。うみちゃんのキャラは、なかなか得難い魅力なので、宝塚という世界で花開いてほしかったなぁ。

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人権宣言

現在、博多座で上演中のミュージカル「1789」。主人公のロナンが死んだあと、残されたロベスピエール達が、人権宣言を読み上げる。 この作品の中で、何度も「自由とは、他を傷つけないすべてのことをなしうる権利」と語られている。ここに人権の本質があると思う。自分の意志で、望むことすべてをやれる、言える、それが「自由」。しかしそれは、自分以外の人を傷つけるものであってはならない。肉体的に…というだけでなく、他者の尊厳や生き方や性自認や性志向を踏みにじってはならない。それが「人権」。フランス革命は、「自由・平等・博愛」を三色旗に表し、すべての人間が、生まれながらに人権を持っていることを宣言した。ここに、世界の近世が始まったのだと言われている。 多くの犠牲の果てに、市民が獲得した「人権」。それは、恐怖政治や、ナポレオンの時代や、王政復古を乗り越えて、今も生きている。このフランス革命は、日本でいうと寛政の改革と同時期の出来事。当時の日本は鎖国中だったので、ヨーロッパの新しい考え方は、幕末から明治にヨーロッパを訪れた一部の人々によって日本にもたらされた。人権は民主主義の根幹をなす意識だが、人権に限らず、日本人は、民主主義というものを、誤解したまま運用している…と、井沢元彦氏が著書「逆説の日本史」に書いていた。民主主義とは、「多数決」でもなければ、「話し合い至上主義」でもない。多数決や話し合いより上位に「基本的人権」がある。それを前提に、話し合い、最終的に多数決で物事を決するのが民主主義なのだ。なぜならば、「人権…

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「空飛ぶタイヤ」

映画「空飛ぶタイヤ」、見てきました。 めちゃめちゃ良かったです もちろん、原作が良いということは、言わずもがなだが、かなり長い原作を2時間に纏め、しっかりテーマを伝えていたし、主人公だけでなくすべての登場人物が、自らの信念を見せる群像劇としても優れていたし、さらに、台詞にすべてを語らせず、余白を持たせたところもよかった。イケメン&美女のみアップが多い…という余計なサービスはちと気になったが、それを差し引いても良い映画と言っていいと思う。 物語は、ご存じの方も多いと思うが、こんな感じ。赤松運送の若いドライバーが運転するトレーラーから車輪が外れ、歩道を歩いていた主婦(谷村美月)を直撃して死亡させた。警察は、整備不良を疑い、社長の赤松(長瀬智也)も、最初は、整備を担当した門田(阿部顕嵐)を疑う。しかし、門田が、通常の整備項目以上の厳しいチェックシートを使って整備をしていたことがわかったため、家宅捜索を受けながらも赤松運送は立件されなかった。とはいえ、小さい子供のいる主婦が死亡した事件を起こした…ということで、取引が停止されたり、メインバンクのホープ銀行から融資を断られたり、会社は徐々に窮地に陥る。先代からの専務、宮代(笹野高史)や、営業の高嶋(大倉孝二)からも、会社存続のための手を打ってほしいと再三言われる。その一方で宮代は、別の可能性を示唆する。ホープ自動車製のトレーラーの構造的欠陥だ。過去に、同じような事故を起こしている運送会社があったのだ。赤松は、群馬県の野村陸送まで行き、社長の野村(柄本明…

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10年ぶりの「カリフォルニア物語」

行ってきました ちょうど、撮影OK日だったので、宣伝を兼ねてご紹介させていただきます。Grassチームとなります。 後方は、司会のアレックス・吉成奨人、ケイシー・鈴木宏明、ピート・若林健吾、前方が、ブッチ・前木健太郎、スウェナ・伊藤清之。フレッシュからJr16に昇格した三人と一緒でもほとんど浮いていないJr11のわかちゃん、すごいむしろ吉成くん(Jr15)の方が落ち着きがあるような…。 なんかステキすぎるリロイ・石飛幸治と、ルシンダ・宮崎卓真。宮崎くん、来るたび女役…リロイさまがあまりにセクシーだったので、この二人の写真を大量にアップしたいと思います。        リロイはゲイのキャラクターなので、お色気女子のルシンダとは、ただの友人関係という設定なんですが、えらく仲良しなお二人です。 こちら、主人公ヒースご一家。左から、父マイケル・藤原啓児、ヒース・仲原裕之、兄嫁スージー・宇佐見輝、兄テリー・中野亮輔。複雑な家族関係だった芝居と違って、和気あいあい。   中野さん、何故か、結構メイクが厚塗りで、能役者風… メインの三人。左から、イーヴ・千葉健玖、ヒース・仲原、インディアン・澤井俊輝。がっつり肩組んで、いい感じ。 仲原くん、澤井くんのアフロ風の鬘のさわり心地がお気に入りのよう。 集合写真。 ちょっと寄ってみました。 藤原さん、いい顔してます。若手の頑張りに、手ごたえを感じたのかな…なんて思いました。

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かいちゃんDS!

七海 ひろき ディナーショー 2018/07/20 <タイトル> 『Dearest』 <構成・演出> 三木 章雄 <出演者> (星組)七海 ひろき、如月 蓮、白妙 なつ、瀬稀 ゆりと、夢妃 杏瑠    第一ホテル東京 日時: 2018年11月11日(日)、12日(月)    ディナー 18:15~19:30/ショー 19:30~20:30 場所: 5階「ラ・ローズ」 料金: 27,500円(税サ込) 前売日: 2018年9月5日(水)10:00~ 宝塚ホテル 日時: 2018年11月14日(水)、15日(木)    ディナー 18:30~19:45/ショー 19:45~20:45 場所: 6階「宝寿の間」 料金: 27,500円(税サ込) 前売日: 2018年9月12日(水)10:00~ ☆★★★★★★ (↑)Dearest…最愛のという意味を込めて、この配列の宝石のついたアクセサリーを恋人にプレゼントしたりするそうです。ちなみに左から、ダイアモンド(D)エメラルド(E)アメシスト(A)ルビー(R)エメラルド(E)サファイア(S)トパーズ(T)です。ステキなタイトルですね。かいちゃんからの、歌の宝石、ファンの皆さんには至福の時間でしょうね。 ま、この日程(回数)では熱烈な会員さん以外は、行けそうもない感じですが。 そして、お稽古は、台湾公演のお稽古中に並行してやるのでしょうか。大変ですが、現在の宝塚ホテル最後の現役タカラジェンヌDSになるかもしれません。ステキなショーにな…

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浅利さん…

13日に浅利慶太さんが亡くなられていた、と本日、劇団四季のHPに発表があった。 私の人生初ミュージカル体験(テレビ)が、おそらく劇団四季の「ふたりのロッテ」。そう、エーリッヒ・ケストナー原作の「ふたりのロッテ」を原作にしたこどもミュージカル。宝塚の「愛のコンチェルト」とどっちが先かな…というあやふやな記憶なのだが、とにかく、今の私のミュージカル好き人生を形作ってくれたのが、この二作品であることは間違いない。 基本、経理畑の私が、どちらかというとエンタメ的な仕事に従事していた期間があって、その最後期に、劇団四季出身者の方々とお仕事をしていた。まあ、だいたい組織の代表者というのは、ネタをたくさん持っているものだし、彼らが語る浅利さんネタは、我々が語る会長ネタとどっこいどっこいの内容だったし、そもそも袂を分かって来た方たちなので、少々棘がある。とはいえ、晩年の浅利さんは、やはり、色々大変な存在だったようだ。 それでも、浅利さんがいなければ、今、日本に、こんなに、ミュージカルは溢れていないだろう。そもそも四季出身の俳優がいなかったら、日本国中どこでもミュージカルの上演が止まってしまう。 私たちにミュージカルという素晴らしいものを与えてくれてありがとうございます。越路さん、岩谷さんにも再会されていますでしょうか。どうぞ、今後も、日本の演劇界をお見守り下さい。

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